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男前なマジシャンたち ~ギャリー・カーツ編~

世界中の男前を紹介しているこのシリーズ(笑)
僕にとっては、ある意味でマジシャン人生を決めてくれた方と言える
マジシャンをご紹介しましょう。

ギャリーカーツ、もともとはカナダのゴリゴリスライハンドマジシャンですが、のちにメンタリスト転向をして、今は確かフランスあたりにいるはず。
まあ、カナダの公用語にフランス語があるので、不便はしなかったんでしょう。

現在マジックワールドにあまり出てこないのは、ギャラが高くなったからと聞いたことがあります。
(正しくは、マネージメントがしっかりしている、という事であって、極めて適切と言えるでしょう)

さて、ギャリーに関しては、まさに大学時代までさかのぼりますね。
SAMというマジックの団体がありまして、毎年どこかでコンベンションを
やっていたんです。ギャリーが来たのは池袋で行われた時。

僕は飯田橋の学校に通っておりましたので、まあ
池袋なんてすぐそこです。
東急ハンズにもよく行っていましたし。

なので、ゲストがギャリーと分かった段階で、すぐに申し込み。

その当時、一番好きなマジシャンですし、今でも大好き。

「コンテスト出る?」みたいなことを言われましたが
この時がコンベンション初回だったので、丁重にお断りしました。
(我ながら賢明だったと思います)

この時は、マーカ・テンドー氏がゲストを呼んでいる
という事を知っていましたし、余裕を持って数日前には
来日しているはずという算段もあったので、コンベンションの前日だか
前々日くらいにマジックランドに行ったのです。
(もしかすると、たまたま来日の日時を聞いていたかも)

世界中のマジシャンがトンさんに挨拶に来ることは知っていましたので
もしかすると、一足早く会えるかも!って思ってランドに行ったら
なんと、そこには2メーター近い大男が既に!(失礼!)

テンドーさんもデカいですけど、ギャリーは輪をかけてデカいですから。
(そしてその後、まさに巨人のデニス・ベアに出会う事にも(笑))

僕は自分の予想の正確さと、大好きなマジシャンがいることに
もう大興奮!!でもそれを見せないように、極めて平静を保ちつつ(笑)。

テンドーさんにだったか、ギャリーにだったか
「コンベンションに参加しますので」と言ったような気がします。

さて、翌日だかよく翌日にはコンベンションで池袋のサンシャインのホテルへ。確かこれは日曜にやっていたはず。
コンテストにレクチャー、ガラショーはじめてのコンベンションを楽しみました。

ちなみに、この時のレクチャーはアイビデオのビデオになっています。
ギャリーの「技」「幻」の内容がそれです。
ちなみに、この中の「究極のいす予言」では、僕もお客さんで出されています。

で、このころには、僕は既に某方のアシスタントをやっていて
その方も参加しておりました。
(一応、SAMの会員だったのかな??)
なんか、翌日テンドーさん忙しくって、ギャリーのアテンドを任せていたようだったんですよね。

それ聞いた時には
「いいなー」
位に思っていたのですが・・

翌日の月曜日に電話が来て
(その当時は、ピッチです)
「なんか二日酔いで体調悪いから、小林がギャリーを
 迎えに行ってくんないか?」

は? どういう事??
僕、こう見えても、まじめな大学生よ!?
授業はどうするのさ!!

と思いつつ、昼くらいには池袋に到着
(必修の授業がなかったか??)

彼をピックアップして、チェックアウトし
ランドの近くのホテルに移動してチェックインする
という事のお手伝いをすることになりました。

ホテル1階の喫茶店で待っていたら、向こうから金髪のデカい人が。
もちろんギャリーカーツです。
拙い英語で、僕がアテンドするので、よろしくねって感じで。
で、チェックアウトすると思ったら、行きたいところがあるって。
東急ハンズに行きたいと。

なるほど、マジシャンならそうでしょうね。
という事で、池袋ハンズに。
ギャリー曰く、タマリッツが来た時も、各フロアで
だいぶ見回ったらしいよ、なんて。

いくつか欲しい素材があったようで、それらを購入していきました。
僕がお金払おうとしたら
「大丈夫、あるから」って
自身の持っている日本円を。

まあ、ドルとかに変えるより、日本円なら日本国内で
使っちゃったほうがロスは少ないですからね。

で、一通り欲しいものを買ったらホテルに戻りチェックアウト。
彼の部屋まで行って荷物を持って、とかしましたが
もうねえ、日本の狭いホテルでしょ?
ほぼ天井に頭擦ってるんですよ、彼(笑)

頭大丈夫?って言ったら、まあ何とかね、みたいな感じで
彼も面白がってました。

ベッドも長さが足らなかったらしく
そこはエキストラのパーツを加えてあったみたい。

そんなこんなで、池袋からマジックランド近くのホテルに
タクシー移動です。

ちょうど僕の通っている大学の横を通ったので
「ここ、僕の大学!」って(笑)
「ダメな学生なのよね」と。

で、マジックランドに到着のころには、もうお昼くらいかな。
そこまで行ければ、大体大丈夫な状態に。
まだチェックインには早い時間だったので、ランドに荷物を置いて
みたいな感じに。

もうねえ、個人的には同じ時間を過ごしてくれただけでも
ホントにうれしいわけですよ。
毎度言いますが、どこの馬の骨とも分からん学生に
アテンドされているんですよ!?

僕なら不安でしょうがなくなってしまいます(笑)

それを、何も言わずについてきてくれたのはホント嬉しい。

で、新たなホテルにチェックインするころには
某方も二日酔いから復活し、合流。
で、何らかの理由で、新しいホテルのロビーあたりで
ギャリーと2人、僕は待つ時間が。

その際に、ギャリーから
「スリーブとかしないの?」って
これがですねえ、僕はするんですよ(笑)

そこで簡単に彼がスリービングのレクチャーを。

言っておきますが、ギャリーはめちゃめちゃスリービングとか
上手いんですよ!
何せ、あのカール・クロティエの先生ですので。

クロティエのスリービングもトピットもギャリーが教えたんですよ。
FISM1位の先生ですよ!
その人が、すぐ近くで教えてくれているって、すごくないですか??

なんで海外のすごいマジシャンって、こんなに優しいのか。
短い時間ですが、ちょっとしたレクチャーをしてくれて
なのでその後も僕はスリービングを練習して、それなりに
いろんなことが出来るようにはなっているんですよ。

ギャリーから直接習ったので、僕はクロティエの弟弟子という事で(笑)。

その後は、分かれてしまったのか、夕飯くらいまで一緒にいたのか
実は記憶が定かでもないのですが、僕にとっては
一緒の時間を過ごさせてもらっただけでも、ありがたい時間でした。

恐らく、もうそう簡単に日本では見ることが出来ない方の1人
だと思います。

この人のトリックを見て、どれだけあこがれたか
そして、その憧れの人に出会えるこの業界が
どれだけ面白いのか、そんなことにはまっていたような気がします。

彼の思考の一端は、マジックハウスさんで出している
「リーディング・ウィズ・ユア・ヘッド」
になっています。

あの当時としては、理論派の一人でありつつ
ハードな技法もこなしてしまう、という方でしたので。
またいつか、お会いしたい一人です。

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