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年齢に合ったトリック、トリックのための年齢の重ね方

毎度おなじみ、レストランマジック研究所小林です。
さて、トリックに関しての情報は
いくらでも手に入る世の中になっています。

質の悪いものなら、Youtubeでも見漁って頂ければ
いくらでも手に入りますし
ある程度のクオリティのマジックを手にしたいなら
動画コンテンツやDVD,PDFや書籍など
お金を出せば手に入ります。

なので、マジックそのものを知らないとか
レパートリーが増えない、的な事柄は
自身の努力不足を否めないわけです。

ただその学んだトリックがウケるのか
もう少し正確に言えば、自分に合っているのか
というのは、ちょっと判断が難しい事になってきます。

近くに先輩とか共に切磋琢磨する仲間がいると
そういった事柄も話し合えたり、気づいたりしますが
1人でしかマジックをしてないと、マジシャン活動をしてないと
気がつけない事もあります。

まあ、実際にお客さんの前でやってみて
「ん?、あれ、違うぞ」
みたいなリアクションに気づければいいのですが
冷静な目を持ってないと、それに気づけず
微妙に滑り続けるみたいな?

分かりやすい所だと、軽い下ネタみたいなものは
その人のキャラクターも関わってきますし
年齢なども関わってきます。

若いころに手を出すと、生々しく思われてしまって
引かれてしまったり、なんてことも。

小林は、もちろんそういったものに手を出してきませんでした。
どう考えても、キャラ的にも似合わないし
それほどそういったものを面白いとも思わなかったので。

ただ、ウケているのは見ていますし
知らないモノでもなかったわけです。

今の年齢になり、多少の物を扱っても
大丈夫になったな、との判断からAI美女画とか
扱っているわけです。

最初に見た時からしたら、下手したら
30年越し位かも(笑)。
でも、それくらい、年齢に合わないと
マイナスになるトリックもあるってことです。

もちろん、これは普通のトリックでも起こることで
トリックによっては、キャラクターや年齢で
合う合わないが発生するわけです。

これは聞いた話で
その人には先生のような存在がいて、色々と
教えてくれる方だったのですが
「スライディーニシルクをやってみたいです」
といったら
「お前には、まだあのにらみができん」
といわれ、その当時は却下されたようです。

このあたりが、きちんと先生がいると
効果的に働く部分ですね。

年齢的な迫力が出ないと、なかなか結んだことの
説得力も難しいでしょうし、トリックのパワーも
引き出せずに終わるってことにつながります。

若いころにチャレンジして、あまり上手くいかなかったなあ
というトリックがあるのでしたら、多少の時間をおいて
(もちろん年単位で、寝かせておきます)
もう1回やってみると、違う雰囲気になっていることも
意外にある物です。

これ、もう少し冷静な方の場合
最初から年単位の時間をかけて身につけよう
という事で、ゆっくりといじっていく、という事を
する方もいます。

相当自身の力量とか、トリックのパワーとかを
見極める事の出来る眼力などが無いと
そうそうはできないのですが。

ちょっと言葉は違いますが
トリックが演者を選ぶってことが
起こるものもあるわけです。

個人的な感想としては、マルチカードロケーション
ってそれになっているのではないか?と
思っております。

コロンビニのファイヤーワークス
ドッグイーソンのフューザラードなど
沢山の人にカードを選んでもらい
それを次々と当てていく、というのを
手順に入れている人は海外では多いですが
日本で見かけることは、そうそうありません。

僕は1つに演じる状況の差、そしてもう1つは
年齢などが足りてないのかなと思っております。

演じる場ですが、まあドッグイーソンみたいに
バーでやっている人なら
演じる手順に入れてもいいと思うのですが。

とはいえ、日本のマジックバーなどだと
個別のお客さんに見せるってことがほぼなので
カウンター横一列、一気に行く
というのは珍しいですね。

銀座のジョーカーみたいに
カウンターのお客さんを一気に
というのなら、アリかと。

ただ、この状況が比較的少ないので
忘れ去られてしまうというがあるでしょう。

そして、この手のトリックは
所詮デックは演者の手にずっと無いと
リスクは上がるわけです。

そこを納得させられるようになるには
演者の迫力はある程度必要になると思います。

または、観客との距離感が多少あった方が良いでしょう。
(物理的距離間は心理的距離とシンクロしますので)

このイイ感じの距離感での演技をする、というのも
日本では難しいのではないか?と思っております。

大人数、適度な距離感、デックはずっと演者の手
こういったファクターを、さして無理なくコントロール
していくには、そりゃあ年齢が必要になると思います。

以前に頑張ってやっていた事もあるのですが
やっぱりテンポを崩されたり、結局手放せないことに
突っ込まれたりして
「まだ、年齢じゃないな」
と思い、その際には手離しました。

齢50に近づき、そろそろこの手のトリックを演じて
盛り上げながら終わるってことも
できるのではないか?という淡い期待を
自分自身に持ってもイイのでは、なんて。

もちろん実際にやってみて、そこからさらに経験を積み
また、様々なコンテンツで学び続けることで
何かに気づけるかも、いや気づきながら磨いていかないと。

自分のマジックに関しての棚卸をするタイミングを
定期的に持ってみると
今までできなかったトリックを、より面白く
より楽しく、演じられるようになっているかもしれませんので
色々なトリックにチャレンジしてみて下さい。

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