コロナ後の飲食店が売上を上げる為には?
◎まとめ
1.飲食店ビジネスの特徴は
・店内でお客様に食を通じた体験を売っている
・店舗に来る=来れる範囲(商圏)が決まっているビジネス
・席数に限りのある売上上限のあるビジネス
2.飲食店の売上の構造
【ベースの分解式】
※客単価は業態が変わってしまう為、上げられる幅はおのずと
決まってしまう為、売上を上げるには客数を上げるしかない
売上=客単価 × 客数
客数 = 新規客数 + リピート客数
リピート客数 = 来店頻度 × (既存客数ーロスト客数)
上記の式から売上を上げる為には以下の事しかできないのが分かる
①既存顧客を増やす=新規客を増やす
②ロスト客を減らす=店舗での満足度向上&不満排除
③来店頻度の向上 =来店の促進
3.売上向上施策
これまでに既に2.の施策は打ってきているはずなので、既存モデルでの大幅に改善できる可能性のある施策は
・『営業時間の延長以外にない』
既存モデルでの改善が難しいお店は、既存モデル外からの売上獲得をしなくてはいけない。
新たな売上ルートを作る=既存の飲食店の制約条件を取り払う必要がある
とすると検討できる売上ルートは下記となる。
・デリバリー
・ネット通販(EC)
・催事場(イベント)販売
・移動車販売
この中で、初期投資等のハードルを考えると現実的なのは
・『アプリ(UberEats等)を介したデリバリー』
となるだろう。
1.飲食店ビジネスの特徴
・飲食店は、店内でお客様に食を通じた体験を売っている
飲食店の価値は、単純に料理のおいしさだけを売っているのではなく、
・作ったり、かたずけたりの手間の排除
・内装や食器、スタッフといった雰囲気や空気感
・商品やサービスでの感動 etc.
様々な便益を含んだ体験をその場で売っています。
それ故、店舗に行く必要があり、そこで体験が消費されるといった
ビジネスモデルです。
・店舗に来る=来れる範囲(商圏)が決まっているビジネス
体験型=店舗に来る=来れる範囲が決まってしまいます。そして、物件取得費や改装費、厨房機器などの初期投資が高いために一度出店してしまうと移動することが困難といった特性があります。半径200~300m半径の固定商圏といった特性があります。
・席数に限りのある売上上限のあるビジネス
そしてもう一つは、飲食店には席数とった制約があります。小売りであれば、商品がある限り売り続けることができますが、飲食店には席が満席になってしまったら、お客様を入れることが出来ないといった面がありますので、どんなに需要があろうともピーク時の上限は決まってきていまします。
すなわち、店舗の位置を固定した半径200m前後の固定小商圏ビジネスで、かつ売上の上限が決まっているといった特徴があります。
2.飲食店の売上の構造
売上を分解すると『売上=客単価 × 客数』と表すことができます。基本的にそのお店の内外装や商品のグレードによって客単価は決まってしまいますので、ここはほぼ固定になります。だとすると売上を左右するのは客数という事になりますので、客数をさらに分解していきます。
・客数の分解
客数も様々に分解することができますが、ここでは集客方法の違いという事で新規客とリピート客に分けて数式で表すと
客数 = 新規客数 + リピート客数
となります。客数を増やすためには、新規客とリピート客数を増やす必要があります。リピート客数をさらに分解して考えると
リピート客 = 来店頻度 × (既存客数ーロスト客数)
※既存客数=これまでにお店に来たことある人すべて
ロスト客数=お店に2度と来なくなったお客様
と表すことができます。上記を増やすためには
①既存顧客を増やす=新規客を増やす
店舗の認知向上(SNSや広告での情報発信)
②ロスト客を減らす=店舗での満足度向上&不満排除
アンケート・モニターからのデータ取得&改善
③来店頻度の向上 =来店の促進
顧客データの取得&アプローチ
恐らく、上記の事はこれまでも行ってきているかと思います。
→という事は、ここから先続けても大幅な集客力向上につながらない可能性が高い。ある意味キチンとやっていることが前提といった当たり前の活動になります。ですので、まだやれていない方はここの強化行う必要があるでしょう。
しかも環境変化で商圏内の人口が減少していることもあります。そうなるとパイが縮小しているという事になり、これまで以上に売上を上げることが難しくなっていくでしょう。
3.売上向上施策
先ほど上げた
①既存顧客を増やす=新規客を増やす
店舗の認知向上(SNSや広告での情報発信)
②ロスト客を減らす=店舗での満足度向上&不満排除
アンケート・モニターからのデータ取得&改善
③来店頻度の向上 =来店の促進
顧客データの取得&アプローチ
が当たり前の施策になると考えるとここでの差がつきづらくなってきます。
とすると既存の店舗だけで考えると他に何か方法があるでしょうか?
単純に考えるとこれまでに行っていなかったことを行うしかないという事になります。
・これまでにやっていない施策
単純に考えると
①営業していない時間に営業を行う→営業時間の延長
②これまでになかった商品を売る→業態の制約があり、これまでと大幅に変わったものは難しい。
といった事くらいなので、実質営業時間の延長くらいしかやれることがないです。
・新たな売上ルートを作る
既存の状態では、営業時間の延長しかできないことが分かったので、売上を上げる為には、これまでとは違った新しいことが出来ないか?を考えなくてはいけません。(=新しい売上ルートを作る)
【飲食店ビジネスの制約条件を解除する】
これまでにない新しいことを考えるために既存の飲食店の制約条件を外してみたいと思います。
飲食店の制約条件はすなわち、そのビジネスの特徴とほぼイコールです。
制約条件①:店内で体験を売っている
制約条件②:半径200~300mの固定商圏
制約条件③:席数によっての売上上限が決まっている
すなわちこれらの範囲の事は店舗ではやっていませんので、この制約与条件を外すことを考えると
①店外で体験を売る
②300m以上の商圏にする
③席を持たない
になります。よってこの条件を満たす売上ルートの構築の選択肢としては、下記になります。併せてハードルも記載しています。
・デリバリー
自社配送を持つことは投資や人材の確保が必要
・ネット通販(EC)
消費期限の長いパッケージされた自社商品が必要
通販サイトの運営ノウハウがない。
・催事場(イベント)販売
知名度が必要
・移動車販売
初期投資が高い、人材の採用も必要
※テイクアウトは同じ商圏内の人への施策になります。
恐らく一度は上記の施策を考えたことはあると思いますが、これまでここに手を出していなかったのは、上記のハードルのせいだと思います。
ウチもそうですが、大半のお店は資金も少ないですし、知名度もないためこれらには手が出せませんでした。しかしながら、この中で唯一みんなが参入が可能になってきたのが、DX化のすすんだ『アプリを介したデリバリー』です。(UberEatsや出前館etc.)
したがって、新たな売上ルート作る施策として多くの人にとって現実的なのは『アプリを介したデリバリー』となります。
まとめると
①既存顧客を増やす=新規客を増やす
②ロスト客を減らす=店舗での満足度向上&不満排除
③来店頻度の向上 =来店の促進
といったベースの施策をやり切っているお店が打てる施策は
・営業時間の延長
・新たな売上ルートの構築
しかない。
新たな売上ルートの中で多くのお店ができる可能性があるのは
『アプリ(UberEats等)を介したデリバリー』
となるだろう。