年明け(2023年1月)からのマーケット予測
googleトレンドの検索ボリュームから、主要業態の季節指数を算出して年明け以降のマーケットを予測してみました。12月に向け売上が上がってきていますが、楽観的にとらえずに先を見越して対策を打っていく必要があるでしょう。
12月に関しては、別途宴会需要の予測をしていますので下記の記事をご覧ください。
◎まとめ
年明け(2023年1月)以降のマーケットは、
・12月の25%~30%の売上ダウンが予想される
・GoToイートやトラベルによる需要喚起の影響が大きかったエリアはさらに落ち込む可能性あり。
・商圏内人口の減っているところは、以前の需要には戻らない。
・22時以降の売上は今後もすぐに戻る見込みは少ない。(特に飲み需要が中心のお店)
→12月の25%~30%ダウンの売上でも利益が十分に出ているお店は問題ないですが、そこをクリアできていないお店は、今から何かしらの対策を打たないといけないでしょう。
1.検索ボリュームの推移(2012年1月~2022年11月:日本全体)
各業態の2012年1月からのボリュームの推移は下記のようになります。
※単体ワード毎で抽出しているため、各ワード間でのボリュームの比較はできません。あくまで変化を見るものとなっています。
推移を見ていただくとほぼどのワードもコロナ以前の2019年レベルまでは戻ってきています。寿司(オンレジ)や焼肉(濃い青)はコロナ禍でも影響をあまり受けずに増加し続けていました。居酒屋(赤)は戻りが悪く見えますが2022年10月末時点(76)では2019年10月(79)とほぼ同レベルまで回復しています。
2.検索ボリュームの季節指数
2012年12月~2022年11月(先読み)の10年間のgoogleトレンドのデータから各ワード毎にEPA法による分析で季節指数を算出しました。
コロナ禍での部分はイレギュラーな面もありますので、2017年~2019年の3年間の季節指数の平均を出したものが下記になります。
黄色の部分が12月の指数となります。『カフェ』・『ランチ』といったワードは12月指数が低くなりますが、その他のワードは年間を通して一番高くなります。特に『居酒屋』や『ディナー』といったワードは20%以上高くなっています。
3.1月の見通し
1)季節指数から推測される見通し
現状市場も回復してきていますが、下記の様なイレギュラーな要因も絡んで通常よりも上乗せされている面もあります。
・そもそもの季節指数の高い時期
・GoToイートやトラベルによる需要喚起
・抑制されていた需要の揺り戻し
そもそも12月は季節指数的には下記の表のようにハレ需要や飲み需要の増加によって底上げされる面がありますが、年明けの1月はまだGoTo系の需要喚起が残っていますが、その後なくなることを考えると季節指数的に厳しい業態があります。
単純に12月に対しての1月から4月の指数を出すと下記のようになります。
居酒屋は1月で0.79、2月で0.80と約20%ほど落ちる計算になります。恐らく組人数が12月は例年に比べ低くなるとは思いますが、通常月よりも多くなることを考えると売上インパクトとしては恐らく25%~30%は落ちると思われます。
2)その他の環境変化要因
・立地環境の変化
コロナ禍でのリモートワークの普及、オフィス事務所の移転や減少が起き、住宅地や繁華街、オフィス街、それぞれで近隣の人口や構成が大きく変わっています。以前の好立地が好立地とは限らなくなっています。特に移転してしまったオフィス人口がすぐに戻ってくることはないでしょう。
・飲み需要の変化
コロナ禍で大きく変わっているのが、飲みに対する需要の変化です。明らかに飲みに行くシーンが減少してきています。特にコロナ禍で新たに学生や会社員になった層が、初期の段階で集団で飲みに行くといった文化が絶えてしまっています。恐らく今後もこの流れはしばらくは変わることはないでしょう。
・娯楽の選択肢増
スマートフォンの普及により、一人で楽しめる娯楽の選択肢が大幅に増えています。以前は娯楽の為に誰かと一緒に過ごしていた時間が、一人の時間へとシフトしています。
・競合の増加
スーパーやコンビニの弁当や総菜類の充実、フードデリバリーの普及といったところからそもそもの外食自体のシーンが奪われて行っています。
→以上の事から、特に明確な目的はなく、みんなで楽しい時間を過ごすといったような飲みのシーンは減少していくでしょう。また、昼間人口の減っているエリアでは、更にその影響が大きく出るでしょう。
さらに飲みに行くシーン減っている→22時以降の2次会的需要の減少につながっていきますので、22時以降の売上比率の高かったお店は以前の売上に戻していくのは非常に困難だと思われます。
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