「働けるうちは働く!」ための仕事と人生の設計方法#1
会社も国も最後までは面倒を見てくれない
政府は2019年4月15日、希望する高齢者が70歳までは働けるようにするための高年齢者雇用安定法改正の骨子を発表しました。
これまでの3つの企業の選択肢(①定年延長、②定年廃止、③契約社員などでの再雇用)に加えて、次の4つの選択肢(④他企業への再就職支援、⑤フリーランスで働くための資金提供、⑥起業支援、⑦NPO活動などへの資金提供)を加えて企業に努力義務を課す予定です。
タイミングを計ったかのようにその同時期(2019年4月)に、経団連の中西宏明会長が定例会見で、終身雇用について「制度疲労を起こしている。終身雇用を前提にすることが限界になっている」と改めて持論を展開し、話題になりました。
終身雇用制は、ジェイムズ・アベグレンの1958年の著書『日本の経営』で日本の雇用慣行の特徴として取り上げられ、年功序列、企業別労働組合とともに日本的経営の三種の神器として取り上げられてきました。
終身雇用制とは、「同一企業で業績悪化による企業倒産が発生しないかぎり定年まで雇用され続けるという、日本の正社員雇用においての慣行」です。
終身雇用制は既に崩壊しているとも言われていますが、大企業を中心にまだまだ長期雇用の慣習が残っていることは皆さんご承知通りです。
もちろん、経団連会長が「もう無理」といったところで、すぐに解雇規制が緩和されるわけではありません。形骸化しつつも終身雇用制度は当面継続すると思われます。
しかしながら、従来から終身雇用や年功序列を柱とする日本型雇用の最大の擁護者であった経団連(経団連は、日本の「中心となる産業」の「中心となる大企業」を会員する団体です)の会長からこうしたコメントが出る意味は大きいです。
従来終身雇用制は、従業員にとっては「定年までは雇用保証されるという安心感」、会社にとっては「(厳しい解雇規制のある日本での)唯一“合法的”な過剰人員適正化手段」として絶妙なマッチングのもと機能してきました。それを制度面で支えてきたのが、国の「60歳からの満額年金支給」です。
企業側の変化の兆しが先ほどの「終身雇用維持限界論」です。それではそれを支えてきた年金が現在どういう動きになっているのでしょうか?
次回は、厚生年金支給に関して確認してみたいと思います。
本を出版することになりました。
タイトルは、「知らないと後悔する定年後の働き方」。
フォレスト出版からの出版で、10月6日発売予定です。
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