サステナブル・フードバリューチェーン 2025-2035 第1章 全体の世界観
2025-2035に大きな変革が予測される世界のフードバリューチェーン
フードバリューチェーンは、「食料危機・安全保障(地政学的課題)」、「地球レベル気候変動(環境問題)」、「消費者行動変容(オーガニック、環境意識、エシカル消費等)」の3つのグローバル課題により2025-2035に大きな変革が予測される。
フードバリューチェーンの変革を読み解くためには、日本国内のみならず、グローバル課題の理解が必須。
本コラムの狙い
サステナブル・フードバリューチェーンの変革の行方は、当該領域を取り巻グローバル課題と イノベーション/キーテクノロジー&事業開発の動向を読み解くことが必須である。
課題を理解するフレームワーク
【グローバル課題】x【キーテクノロジー&事業開発】
= 【サプライチェーン企業、周辺企業への影響】
フードサプライチェーンの世界市場の概観
フードサプライチェーンは、「Farm to Table」(農園から食卓まで)、「Farm to Fork」(農園からフォームまで)と呼ばれる農産品・畜産品生産から食品加工・製造を経て食卓に届けられるまでの商品・サービスの流れ全体(モノ、お金、技術、情報、人、の流れ)を指す。本コラムは、フードサプライチェーンと取り巻く環境変化の中で注目すべき課題の取り上げ機論を進めることを狙いとする。
グローバル市場での食品需要ひっ迫(食料安全保障にも影響)、地球気候変動対策(GHG:Green House Gas, 地球温暖化ガス排出削減)、オーガニック食品・健康指向、環境保全等、消費者の購買行動変容等、サステナブルフードテックビジネスを取り巻く市場環境は、2030-2050にかけて大きく変化することが予想される。
大きな変化が予想される対象地域としては、先進国、新興国(都市化が進展し、中流消費者層が増加している中所得国、例、アジア太平洋地域等を含む)、途上国(自給自足的食料調達から経済発展に移行中の低所得国、アフリカ諸国を含む)が含まれる。
サステナブルフードバリューチェーンの論点