私がリスナーになるまで
海外こころのヘルプデスク24時(https://www.helpdesk24.net 以下「ヘルプデスク」)という海外在住者(渡航前後もOK)を対象にしたオンライン傾聴ボランティア団体で相談員をしています。
このヘルプデスクに参加している人は日本も含めた世界中にいる女性なのですが、経歴も経験も現在していることも全く違う人が集まっています。
全く違うけど、集まると楽しいのもあってもともとは「オンラインだからつながっている感が薄くなりがちなので定期的に集まりましょう」という意図で月1回ずつ開催されていた「相談員会議」と「交流会」は、今は時差も考慮して相談員会議が月2回、交流会が月1回、さらに勉強会が不定期に開催されているなど交流の回数も増えて親密度も高まっています。
そのヘルプデスクは、各自がなんらかのプロである人が多いのもあってイニシアティブを取るのが得意な人も多く、昨年末に相談員Maryさんが「ヘルプデスクでどんな人が話を聴いているのかがわかったほうが相談しやすいから、My Storyっていう欄を設けて書ける人は『私が相談員になった理由』みたいなのを書いて♡」と声をかけ、すでにヘルプデスクのサイトに2人のストーリーが投稿されている他、何人かの原稿がMaryさんの手元に届いているようです。興味があったら他のみなさんのストーリーも読んでみてください。 https://www.helpdesk24.net/mystory
さて、その「原稿書いてね♡」の呼びかけを相談員会議でもしていたのと、別件でやり取りしていたら個メッセもいただいたので、私も書こうと思い、せっかく書くならついでに記録としてnoteにも残そうと思いつきました(笑)。
これとは別に、ヘルプデスクの相談員になる前の話など色々切り口はあるので、また機会があったら書いてみたいと思います。
(これを書いているのは2020年1月24日(金)ですが、ヘルプデスクへの掲載は数カ月先になるかも知れません)
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こんにちはシドニー在住相談員かるべ ともみです。
夫の転勤で2000年にシドニーに移住しました。引っ越したばかりの頃は子どももおらず仕事もすぐには始めなかったので、知り合う人が夫の同僚しかいませんでした。近くに住む日本人の友人は一人もいない状態が半年くらい続き、嫌なことも少ない代わりに、嬉しいことも少なかったと記憶しています。ときどき日本の友達とメールのやり取りをしたり、帰国時に会って話すくらいで、今考えてみたらおしゃべり好きな私がよく乗り切ったな、と思うくらい。この頃は活字中毒気味なこともあって、持っていった旅行&移住ガイドブック4~5冊を何度も何度も読んでいました(小説だと内容を知っていると何度も読めないけどガイドブックは丸覚えしにくいので何度も読める笑)。
いまその頃を振り返って、どんなことでも気軽に話せる存在って大きいと実感しています。話せる人が近くにいてもいなくても、話したくなったらどんな話でもヘルプデスクで話してみてください。
私が傾聴ボランティアを始めたのは、子どもを通じて増えていったママ友から相談を受けていて「アドバイスしてもそのとおりに行動する人とそうじゃない人がいる」ことに気づき、「それなのになんで相談されるんだろう?どうせだったらアドバイスの精度を上げたい」と思ったことがきっかけです。
いま改めて振り返ると「アドバイスの精度って…」とちょっと苦笑してしまいます。というのも、カウンセリングや傾聴を学び始めて最初に言われることが「アドバイスやジャッジをしない」なのです。
かなり真剣に「解決能力アップ」を目指して傾聴を学び始めたので「アドバイスしないんだ?!」目からウロコでしたが、それと同時に「だからアドバイスしてもうまく相談にのれている感覚が得られなかったんだなぁ」と合点がいきました。さらに「話すだけで気が楽になる効果がある」から「相手はもともとアドバイスを求めていないからアドバイスしても行動しなかった」「ただ聴いてほしかった」可能性にも気づきました。
そんなきっかけで「聴く」ことをはじめましたが、今ではボランティアや友人の話を聴いていて「気持ちを話すだけ」で元気になる場面に何度も立ち会っています。そしてその度に、聴いている私も勇気や活力をもらっています。
傾聴を学ぶ際や今でも私自身も何度も話す側になっています。感情にどっぷり浸かってあたかもその出来事が今起こっているように息も絶え絶えに話しても、一通り話すと「話しているだけでするすると糸がほぐれる感じ」や「すっと光が差すような急に霧が晴れるような」ことが起こります。
「話を聴くだけで目の前の人が元気になる」なんて、わたしたち人間はお互いにどれだけ助け合っていることか♡と希望が湧いてきませんか?
私は、わたしたちが人に話したくなる時は、自分の大切ななにかが聴いて聴いて、と言っているからだと思っています。嬉しい話、悲しい話、重い話、誰にも言えない話、自慢話、映画の感想、などなどなんでも話してみてください。そして、話すことのよさを感じたら、たった1分でもいいので身近な人や今日あった見知らぬ人の話も聴いてあげてみてください。