NVCの初心者にニーズについて伝える
今日、NVC AcademyというNVCを学ぶためのリソースをみていたら、「NVCのニーズを初心者に伝える」という動画つきの記事があったのでみていて、なるほど!と思ったのでこれも記録しておきます。
以前わたしが学んだ時に受けた説明、伝え方も一緒に記しておきますね。
1. 今日たまたま目にした伝え方
① 参加者に「人間関係で大切なこと」を挙げてもらう
② 参加者が口々に「信頼」「やさしさ」「本物であること」
「正直さ」「温かみ」「尊敬」「楽しみ」「配慮」「聴いてくれる」
「主体性」「責任」「優しさ」「サポート」「自主性」
「パートナーシップ」「学び」「思いやり」「冒険」「相互依存」
「おたがいさま・相互性」「愛」「柔軟性」「許し」などと
それぞれが大切だと思うことを挙げていくので、それをボードに書く
③ 一通りで終わったら書いたものを指して
「NVCではこれを『普遍的なニーズ』と呼んでいます。
人種、住むところ、貧富、年齢、性差に関わらずわたしたちの
誰もが大切にしたいものです。この中で、わたしには
これは大事じゃない、というものはありますか?」と訊く
ちなみに、英語では「自分にとって対人関係で大切な質はなに?」と訊いていました。NVCでは質や質感、本質という言葉をよく使います。英語を母国語とする人はこれでピンとくるみたいですが、日本語では質と言ってもピンとこないので、ここでは省いてみました。本質的なこと、などと言ってもいいかも知れません。
出典:NVC Academyという会員制のサイト。忘備録的にリンクを貼っておきます。
https://nvctraining.com/index.php?option=com_k2&view=item&id=255:personal-breakthroughs-in-nonviolent-communication-identifying-needs&Itemid=437
2.2019年8月に参加したShari Elleによる基礎コースでの説明
コース開始の一番最初に床に螺旋状に置かれているニーズカードの周りをゆっくり歩きながら各自が気になるニーズカードを手にして、それを味わってから戻す、ということをしました。そこで一旦ニーズの言葉に触れます。
① 参加者を4人ずつくらいのグループに分けてペンとメモ紙を渡す
② 各グループに今まで言われて嫌な思いをしたセリフを
端的に書いてもらう
③ それをホワイトボードを左右に分けてセリフに感情を乗せて
一枚ずついいながら貼ってもらう(全部右、とか)
④ 次に、言われて嬉しかったセリフや内容を端的に書いてもらう
⑤ ②の反対側(左)にセリフに感情を乗せて一枚ずついいながら
貼ってもらう
⑥ 参加者全員に③と⑤を眺めてもらう
⑦ ここでファシリテーターが
「NVCでは②をジャッカル語と呼んでいて、
⑤をキリン語と呼んでいます。
キリン語をみていてなにか気づきませんか?」と問う
⑧ キリン語は端的に表すとニーズの言葉になっていることが多いのか、
わたしが参加したWSでは「ニーズの言葉だ!」となった
⑨ その後、ジャッカル語をもう一度眺めて味わい、
「実はこのジャッカル語は満たされなかったニーズを悲劇的な形で
表現しているのです。どんなニーズを満たしたいのか推測して
みてください」という
この方法だと、一つのワークでニーズとジャッカル&キリンの説明ができるし、セリフを思い出している過程で感情やその時の体感などが蘇っているので、体感を伴った学びになるなぁ、と思いました。
3.2017年にリスママリスナー養成講座で初めてニーズに触れた時の説明(NVCとして説明しているのではなく、人の話の何を聴くかの説明として聴いたので、そこを加味して読んでください)
① 人には快・不快の感情があります。
いわゆるポジティブとネガティブな感情ですね
② 例えば嬉しいと感じたらポジティブな感情が生じて、
イライラしたらネガティブな感情が生じる
③ 感情は実はどの感情のほうがいい、というものではないのですが、
じゃあ感情はなぜ生じるかというと、そこに大切にしたいこと、
望み、ニーズがあるからなんですね
④ 感情はここに大切なものがあるよ、というのを指し示してくれている、
車でいうと警告灯のようなものです。
⑤ だから、警告灯だけを消す、つまり感情を抑えようとしても
根本的なことが解消されていないといつまでもその状況を思い出す
たびに同じようにイライラしたり悲しくなったりします
⑦ わたしたちが聴くのは、このなにを望んでいたのか、
なにを大切にしたいのか、というところ、このニーズはなにか、
ということにフォーカスをして聴くんですね
という説明で、実はわたしはこれを教わる前の週の実習でまさに「これが大切なのかな?」とニーズの言葉をもらって瞬間的に「ニーズにつながる」、わたしが勝手に「ウォーターモーメント」名付けた体感を持っていたので、説明を受けて、「ニーズは大切なもの」「ニーズにつながったら本人にはすぐにわかる」ということがインプットされました。そしてこのわたしにとってのウォーターモーメントがNVCを学びたい、という情熱につながっていきました。
ちなみに、「ウォーターモーメント」はヘレン・ケラーが一番最初に手話のアルファベットのWATERが自分の手にサリバン先生の手話によって押し付けられているのと、反対の手で水に触れていて、耳が聞こえなくなる前の水の感覚とウォーターという音、そしてその綴りという3つの点が一気につながって、「これがウォーターなのか!」と衝撃を受けながら、「ウォーター」と言った瞬間になぞらえてつけました。
わたしが初めてニーズにつながった時に、ヘレン・ケラーが3つがつながった感じと同じじゃないか!?というくらい興奮したからだったのですが、後でヘレン・ケラーについて読んでいたら、ヘレン・ケラーがすでにウォーターという言葉を知っていたけれど忘れていた、というのと、NVCでわたしたちは生まれたときからニーズとつながっているのだけれど、それを忘れている。NVCのワークは人類が本来の姿に戻る、思い出すためのもの、というようなことをどこかで聞いたか読んだかしたのですが、それともつながって、「やっぱりニーズにつながるのは『ウォーターモーメント』なんだな」と勝手に合点がいきました(合点もなにもわたしの中でこの2つがつながっているだけなのですが笑)。