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【提案】「イザベラ・バードの旅 大河ドラマに」

 近頃、NHKの大河ドラマで東北地方が舞台になっていない。調べてみると、東北が主な舞台となった作品は2013年の「八重の桜」、その前は1993年から翌年の「炎立つ」にまでさかのぼる。やるせなさを感じている東北人は多いはずだ。

 大河の主人公にふさわしい東北ゆかりの人物はいないのか。私は、イザベラ・バードを推したい。明治前期に、東北奥地を旅したイギリス人だ。

 世界を股にかける紀行作家として名を馳せていた彼女が、次なる旅先として志したのが日本だった。すでに横浜や日光といった名所は情報通の外国人に知られていたが、バードは、日光から北、秘境の山々を踏み越え、福島、新潟、山形、秋田、青森を陸路で進み、北海道を目指したのである。
 行く先々でバードは現地人の人柄や習俗を率直に書き残し、やがてそれは世界に「いまだ知られざる日本の姿」を伝えることとなった。

 これは、観光立国と地方創生を目指す現代日本にうってつけの史実ではないか。バードを描いた小説やマンガも出ている。東北を旅する大河ドラマ、いかがだろう。

〔2024年12月27日〕


【イザベラ・バードが題材の作品】


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