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通信障害を機にインフラ対策を考える。

eSIMを活用して1台で2回線契約。

 2022年7月2日の深夜から7月5日の午後3時36分にかけて、KDDIの大規模な通信障害が発生していたのは記憶に新しい。この通信障害により、全国のau、UQ mobile、povoの回線契約者の通信が繋がりにくくなるなどの影響が出た。 原因は音声通話システムVoLTEのトラブルとされている。

 いまや生活必需品化しているスマートフォンの回線を提供している4キャリアのうちの1つが利用不能となったことで、世間では大騒ぎとなった。厳密には楽天回線のローミングエリアはKDDIの回線となっているので、そういった意味では1.5キャリアが事実上、利用不可となったに等しい。

 私はMVNO黎明期からの愛好家であり、現在も楽天モバイル、mineo、LIBMOと3回線契約しているため、今回の通信障害はこれと言った影響がなかった。

 ガジェットオタクを拗らせていた頃は2台持ちどころか、10台以上の端末を保有して、MVMOもキャンペーンありきとは言え相当数契約しており、周囲からそんなに持って何に使うのかと懐疑的な目で見られていた時期もあった。そういう奴ほど財布に常備しているSIMピンを頼りやがる…。

 周囲の目など気にせず、変態ガジェットに囲まれる日々を過ごしていたものの、今ほどクラウドサービスが充実していなかった影響から、次第にファイルや電子データのやり取りが面倒くさくなり、今現在はiPhoneとMacBook、SIMフリーポケットWi-Fiの3つ集約して落ち着いている。

 ここで感の良い方は、回線契約が3つあるが、MacBookにSIMカードが挿せない点に気付く。3回線をiPhoneとポケットWi-Fiでどうやって使い分けるのだろうかと。

 KDDI通信障害の一件でテレビでも話題になったかも知れないが、iPhone  XS以降のデュアルSIMを活用して、2台の端末で3回線を使い分けているのである。

 楽天モバイルをeSIMで契約し、mineo(ドコモ回線)をnano SIMで契約。iPhoneの通信設定で、通話を楽天回線、データ通信をmineoと言った具合で使い分け、株主優待で身銭を切らずに利用しているLIBMOのSIMカードを、SIMフリーポケットWi−Fiに挿している具合である。

 iPhoneのデュアルSIMで気をつけなければならないのは、キャリア(IMSI)が重複しないようにすることである。

 今回の通信障害でIIJmioのeSIM契約者が増加したらしいが、この場合は物理SIMがKDDI、eSIMがIIJ※となる。通信キャリアを分散させる目的であれば、この仕様は問題にならないが、例えば、povo(eSIM)契約者がUQ mobileを契約して、1台のiPhoneで使うことはできない。ahamoとドコモ回線の格安SIMでも同じことが言える。

※通常の格安SIMは、ドコモ、KDDI、ソフトバンクのいずれかから回線を卸して販売しているが、IIJmioだけフルMVNOと他社と事情が異なり、タイプIやeSIMの場合に限ってキャリアがIIJとなる。接続先はドコモ回線というオチだが。

キャリア表記がDocomoやauではなくIIJと表記されている様子。

生活インフラは複数確保が基本。

 鉄道員という職業柄、人身事故などで運転を見合わせると、明らかに自分の親と同世代の年長者が、怒りをぶつけてくる残念な光景をよく見るが、冷静に考えれば、運転見合わせを指示しているのは警察であり、鉄道会社も被害者である。

 ましてや従事員に文句を言ったところで、運転再開が早まるどころか、要らぬトラブルを誘発して遅れるだけでなく、代替輸送手段を自力で調べられないような、本当に従事員の助けを求めている方の邪魔をしていることを自覚して頂きたいものである。まぁ来春には早期リタイアする気満々なので、こんな薄給で責任だけ一丁前ならやってらんねぇと思うのも残り半年強である。

 本題に戻ると、私はインフラが止まった時の備えを用意するように心掛けている。

 一番大切なのは水道である。人間は空腹には3週間程度耐えられるが、水が飲めないと3日程度しか耐えられない。水道が止まった時に、安全な飲水を確保出来るかは大きな課題と言える。

 ペットボトル飲料をローリングストックするのもひとつの手段だが、私のように水にお金なんて払いたくない水道水派の場合、ペットボトル飲料を備蓄する習慣がそもそもなかったりする。

 株式投資に抵抗がない方であれば、TOKAI HD(3167)を100株保有して、優待で水を選択すると、半年毎に500mlの水が12本贈呈される。6Lの備蓄があれば、1人1日2Lとしても3日間は持つ計算である。私はこの株式を保有しているが、格安SIMの割引に利用しているため、水は貰っていない。

 私がペットボトル飲料をストックしないのは、携帯浄水器を所有しているからである。水道水であれば200L濾過できる性能を有していて、災害時は近所にある飲用には適さない井戸水を濾過する想定である。

 水道水ほどきれいでないにしても、井戸水であれば半分の100L程度は濾過できると考えているため、50日間は生存できるつもりである。流石に水道は一週間位で復旧しないと死人が出ることを考えても、これ一本持てば十分なリスクヘッジとなる。

 私が尊敬する世界を旅する高城剛さんは、外国の水は危険である前提で、ストロー浄水器を忍ばせている。よくインドに旅行すると日本人は十中八九お腹を壊すなんて耳にするから、疫病が収束して、再び世界に旅行できる日が訪れた時は、浄水器を一本用意して出国することをお勧めする。

 私が保有しているスーパーデリオスは、購入してから5年ほど持つらしいので、年間700円相当の保険代として買い替えているが、未だに使ったことはない。

 電気は停電などで供給が止まっても凌げるように、モバイルバッテリーを用意している他、スマホが生命線となることは容易に想像がつくので、情報収集は携帯ラジオを常備することで、スマホの無駄なバッテリー消耗を防ぐ準備を行っている。

 ガスは必要としていないため、そもそも契約していないが、どうしても必要な方はイワタニのカセットコンロとガスボンベ辺りを備えておけば、ガスが使えない時にも加熱調理が可能である。そもそも加熱する必要のない食料品を備蓄するのも災害対策の手段である。

 特に日本はインフラが整っていて、蛇口をひねれば透明で安全な水が出ることや、電気が安定供給されていること、通信回線が安定かつ高速であること、交通機関が時間通りに動くことなど、当たり前のようにその恩恵を享受していることから、止まった時の事を想定していない。

 似たような賃貸物件なら、複数路線が利用可能な方を選ぶなど、常に複数の選択肢がある状態で日々を過ごすことの大切さを、KDDIの通信障害から学び、有事に備えることが最適解ではないだろうか。

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