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株式をお引越し(出庫→入庫)してみたの巻
必要書類を郵送して12日後に移管
2024年からNISA制度が拡充されたことに伴い、各ネット証券会社ではクレカ積み立てや、ポイントが貯まったり使えたりするサービスを打ち出し、囲い込みに躍起となっていたが、昨今はハシゴを外す改悪が続いており、非課税枠の金融機関変更と、個別株を特定口座で保有しているのをいいことに、株式をお引越しする運びとなった。
・月曜日(1日目)返信用封筒に必要書類と本人確認書類を同封し郵送
→水曜日(3日目)郵便物が証券会社に到着?
→翌週水曜日(10日目)出庫した証券口座の表示が消える
→翌週金曜日(12日目)入庫した証券口座に表示される
ネット証券の場合、日本株の場合は無料で出庫できるところが多い印象だが、他の金融商品の場合、1銘柄につき税込3,300円の手数料が掛かるのが相場である。
そのため、投資信託を移管したい時などは、証券会社が囲い込みで手数料キャッシュバックのキャンペーンを打ち出している時などを狙う必要がある。
また証券会社の案内通り、書類の不備がなくても必要書類を郵送してから移管されるまでに1〜2週間程度要するため、神経質な相場となっている時期に移管手続きをするのは気が引ける。
だからこそ、ご祝儀相場である1月に移管したのだが、2025年はトランプ返り咲き前ということもあって、軟調な相場動向となっている。
結局、移管されるまで保有銘柄を損切りや利確で売却するような事態まで発展しなかったため、結果オーライではあったものの、目論見が外れて、口座から保有銘柄が消えて、何も売れない2営業日は指を咥えながらビビり散らかす格好となった。
1,000万円を超えたら証券会社を分散、1億円を超えたら集約?
私は過去に投資信託の移管手続きと、今回の株式の移管手続きを経験している。一般論でお金は一箇所にまとめておいたほうが管理は楽だが、銀行にしても、証券にしても、残高が1,000万円を超える規模になってくると、破綻して、かつ分別管理も行われていなかった場合に保護される上限が1,000万円となっている。
そのため、万が一の場合に備えて、用途に応じて金融機関も分散するように心がけている。現に山一證券は不正会計で倒産しており、絶対に経営破綻しないとは言い切れない。
因みに、銀行で買った投資信託はペイオフの対象にならないことを知らないパンピーが意外にも多い。そのため、対面販売用の割高な信託報酬と相まって、決して手を出すべきではないと考える程度に、私は銀行を毛嫌いしており、メガバンクの口座を持っていない。
またまた余談だが、大手証券で預かり資産が億単位になると、新人の担当者が付き、稀にIPO銘柄を1万株買いませんか?的な割り当ての営業が来るため、リスクや割高な手数料に見合うだけのメリットがあるかもしれない。無論、私が現時点でその域に達していないため、憶測の域を出ない。
そう考えると、名実ともに”億り人”になるまで、証券口座は複数社に分散させておき、9桁円の大台に達して初めて、移管する形での集約を考えるのが妥当なように思える。
とはいえ、野村総研が公表している富裕層ピラミッドからも窺えるように、日本で1億円以上の資産を保有する「富裕層」と「超富裕層」は、全体の2.8%とごく少数だ。
この中には先祖代々の資産家も含まれており、トマ・ピケティ氏が証明したr>gの不等式で、資本主義が続く限り、お金持ちはお金持ちであり続ける構造上、無一文から一代でこの境地に辿り着ける人は、超マイノリティと見るべきで、多くのパンピーからすれば、これらが単なる皮算用なのは間違いない。
毎年何かひとつは経験していないことを試してみる重要性
私は資産運用を行うに際して、毎年何かひとつは経験していないことを試してみるよう自分自身に課している。株式のお引越しもその一環で、引き出しを増やすために、ルーチンでは絶対にやらないようなことを小さく挑戦する格好だ。
頭で概要を理解していても、実際に経験してみたことがあるとないとでは、納得感や肌感覚、腹落ち具合は違うもので、即座に役立つことはまずないが、何かの拍子にその引き出しが使える局面が、長い人生で一度くらい来るかもしれない。
それこそ、2017年の”仮想通貨元年”の頃に、当時の仮想通貨、現在の暗号資産に少額ベットしたことで、ブロックチェーン技術の仕組みを大雑把に理解するに至り、NFTやビットコインETFで再度盛り上がった時にも、経験に基づいた基礎的な教養が身についていることで、これまでと本質的に何が異なるのかを、比較的短時間で把握するのに一役買っている。
とはいえ日本では、暗号資産による利益は、最も納税者に不利な雑所得で計上されたり、別の暗号資産に交換する際も、利確した扱いとなることから、税制面で投資(投機?)に値しないため、執筆時点では手仕舞いしている。
これも暗号資産に手を出した過去があったからこそ、税制や確定申告の理解が深まり、税負担のバランスを鑑みた上で、いかに運用を最適化するか的な視点が得られて今に至る。
その意味で、短期的には面倒なだけでやっても無駄だと思うことを、騙されたと思ってやってみることが案外重要だったりすると考えるが、いかがだろうか。
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