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インデックス投資に飽きてきたら'e
余裕になって飽きたら成長のチャンス
投資初心者の場合、まずは全世界株式や米国株式でノーロードのインデックスファンドを積立投資するところから勧められることが多いが、インデックス投資の難所は、利確するその時まで生活が豊かになっている実感が得られず、愚直に続けることが難しい点だ。
早い話、ネット証券でファンドを選んで積み立て設定を行い、放置するだけなので、やることがなさすぎて飽きてしまうのである。
とはいえ、私たちは日本に住んでいる以上、日本円を使って生活している。そのため、外貨建てで資産を保有する場合、為替リスクを無視することはできない。
今後も円安傾向が続くようであれば、外貨建てで資産を保有した方が相対的に得ではあるが、投資の世界に絶対はない。
実際にドル円レートは2007年の124円から、リーマンショックによる円高により、2011年に75円まで高騰した。全てを外貨建て資産で保有していた場合、為替だけで40%近くも資産価値が下落したことになる。これではいくら期待リターンが6%超の海外株式であっても、為替差損をカバーしきれない。
GPIFに学ぶアセットアロケーション
GPIFは私たちが納めた年金保険料のうち、およそ1割を運用している独立行政法人で、よく景気が悪くなるとニュースで、◯兆円の赤字などと報じられる。
積立金を運用なんてけしからん。投資は危ないなどの雰囲気を醸し出されているように感じるが、実は、4資産均等型で堅実に運用されていて、開示されている情報から個人投資家が学べる内容は多い。
基本的に国内株式、国内債券、海外株式、海外債券の4資産を、均等に1/4ずつ分散させて、円建ての資産と外貨建て資産の割合が半々。株式と債券の割合も半々で構成されている。
円建て資産で為替リスクを抑えながら、成長率の高い外貨建て資産の恩恵も受けられるアセットアロケーションと言うのが個人的な見解だ。
長期的な運用においては短期的な市場の動向により資産構成割合を変更するよりも、基本となる資産構成割合を決めて長期間維持していく方が、効率的で良い結果をもたらすとされています。#GPIF では基本ポートフォリオに従って運用を行い、分散投資を実践しています。#長期分散投資… pic.twitter.com/fQxc9I2VhM
— GPIF (@gpiftweets) August 7, 2024
個人的にはGPIFに倣って円建て資産と外貨建て資産の割合が半々になるような資産配分が最適解だと考える。
全世界株式または米国株式のインデックスファンドを積み立てている場合、インデックスファンドと同額程度の日本円を保有して、日本円の一部を個別株でアクティブに運用することで、為替リスクの分散につなげつつ、インデックス運用を長く続けられる秘訣だと考えている。
日本株がインデックスファンドでなく個別株投資なのは、日経平均やTOPIXの構成銘柄に、ゾンビ企業が含まれており、インデックスを丸ごと買うのは得策ではないと判断しているからだ。
そのため、多少リスクを取ってでも個別株取引を行うことで、市場平均よりも高いリターンを狙うアクティブ運用の方が、理に適っているとする考えに至る。
市場平均に連動させるインデックス運用の場合、指数が構成する銘柄を同じ割合で機械的に揃えれば良いので、銘柄選定への労力が必要なく、低コストが実現できている。
反対にアクティブ運用の場合、銘柄を選定するために、莫大な労力をかけて企業分析や泥臭い企業訪問や取材を繰り返すして、現状は殆ど見向きもされてないが、将来有望な銘柄を見つけなければならない。
これらを投資信託としてプロに任せる場合は運用手数料という名のコストを余計に支払う形となるが、個人で銘柄や財務諸表の分析を行うなら、必要となるのは労力だけで、手数料は発生しない。
また、アクティブファンドの月報で開示される銘柄は、思いのほか参考になる印象で、巨人の方に乗る感覚で、この中から選ぶことも稀にある。
継続するためにゲーム性を見出す
インデックス投資は堅実だが、やることが無さすぎて面白みに欠けるのも事実だ。特に私のように、決められたことを決められた通りに行うだけの、単純作業が苦痛に感じる人間は、ネット証券でファンドを選び、クレカ積み立てを設定して後は放置だと、いずれ何かしら余計なことを始めて痛い目を見る可能性が高い。
そんな人種が愚直にインデックス投資を継続するためには、ゲーム性
を見出すのが良いのが自論だ。とはいえ、ゲーム感覚で投資するなんて、そんなに甘い世界ではないと思うのは至極真っ当な意見だ。
しかし、非裁量のインデックス投資と同額の種銭を用意し、自己の裁量でアクティブ運用を行い、市場平均のベンチマークに勝てるのか、ひとり競技を行うことで、財務分析能力や銘柄選定力を鍛えながら、楽しく続けることができる。インデックス投資はベンチマークだから、ガチャガチャ弄る必要性がない。
ゲームソフトの開発を行うハル研究所という小さな会社から、任天堂の社長にまで昇り詰めた故岩田聡氏は、過去にやめずに続けてしまうゲームの条件について下記のように語っている。
”人は、まずその対象に対して、自分のエネルギーを注ぎ込むんですね。時間だったり、労力だったり、お金だったり。そして、注ぎ込んだら、注ぎ込んだ先から、何かしらの反応が返ってきて、それが自分へのご褒美になる。
そういう時に、自分が注ぎ込んだ苦労やエネルギーよりも、ご褒美の方が大きいと感じたら、人はそれをやめない。だけど、帰ってきたご褒美に対して、見返りが合わないと感じたときに、人は挫折する。これはやめずに続けてしまうゲームの条件としても成り立ちますし、英語を学ぶときに挫折しないかどうかも、同じ理屈で説明ができると思うんです。”
|ほぼ日刊イトイ新聞
個別株投資は、時間と労力をかけて銘柄を分析、選定して最後に身銭を切って保有する。時間、労力、お金と3要素全てを注ぎ込むが、最初は損失という反応が返ってくるかもしれない。
ここで挫折してやめる人も一定数居るが、なぜ損失が出たのか。どうしたら利益が出るのか。時間と労力をかけて諦めずに探求しているうちに、経験値が貯まり、いつしか実利というご褒美が返ってくる。
ここまでの苦労やエネルギーに対して見返りが合わないと思うなら、投資は向いていない。
しかし私は、今まで労働で時間を切り売りしなければ、所得を得る術がなかった社畜時代よりも、投資元本が増えたことで、頭を使って資産所得を得る資本家側の方が見返りが合うと感じて、身体が壊れたのを口実にドロップアウトに踏み切った。
投資の世界に足を踏み入れ、これまでコインチェックのネム流出事件やコロナショック、令和のブラックマンデーに見舞われたが、未だに退場せずに実利を得ている。生涯投資家を貫くために、これからもゲーム性を見出しつつ、適切なリスクを取って楽しみながら運用してみるのはいかがだろうか。
[増補]飽き性は、運用の引き出しを増やすのに向いている
悪く言えば飽き性だが、良く言えば知的好奇心旺盛。この手の人間は新しいことに興味を持つため、時代の変化にも適応しやすく、世間の潮流を敏感に感じ取っては、先を見越す形での投資を行い、先行者利益を享受できることも間々ある。
私が今、仕込んでいる銘柄はポジショントークとなるため明記しないが、2019年にリモートワーク(まだテレワークと呼ばれる前)関連銘柄を見つけて、当時鉄道員でICT化の波により輸送人員が減少してインバウンド頼みだったことから、リモートで会議する時代になれば、出張需要も剥奪するだろうから、5年先を見越して伸びると思い仕込んだ銘柄は、翌年のコロナ禍で大当たりとなった。
これは何も株式に限らず、2017年にビットフライヤーが仮想通貨元年と位置付けたことで、何やらビットコインが儲かるらしいとネット上で話題となった時期に、コインチェックで口座開設して、ギャンブル感覚で擦っても惜しくないと思う金額だけ賭けていた。
先述の通りネム流出事件の巻き添えを喰らったり、国税庁が金融資産所得と認めず、税制上、個人には最も不利な雑所得扱いとする方針や、暗号資産同士を直接交換しても、利確扱いで課税対象となる点から、割に合わないと察して今は手を引いている。
とはいえ、2017〜2018年頃に扱っていたことで相応に予備知識も身につき、2021年過ぎからイーサリアム(ETH)のブロックチェーン技術を活用したNFTが世間で話題となった際に、ETHやブロックチェーンと言った用語も聞き馴染みがあったし、ざっくりとした仕組みも既に理解していた。
暗号資産の口座も、改定された重説に同意後に入金さえすれば、すぐ取引できる状態のまま温存している意味で、NFTバブルになってから、やれ暗号資産ってなんだ?ETHってなんだ?ブロックチェーンってなんだ?を解説する報道バラエティ番組に夢中で、これから口座開設に至るパンピーよりも、数年先取りできている結果となった。
知的好奇心旺盛で、色々なことに手を出しては飽きてを繰り返す飽き性は、それらが直接利益と結びつく保証はないものの、視野を広げて世の中の潮流を素早く察知したり、資産運用の引き出しを増やす点では役立つため、リスクマネジメントさえしっかり行えるなら、アクティブ運用向きな性格とも捉えられる。
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