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年金納付45年延長案。

サラリーマンが馬鹿をみる社会。

 表題通りだが、これまで20歳から60歳まで納付すれば、65歳から生涯に渡り受け取る事ができていた国民年金が、財政悪化や少子高齢化に伴い、65歳まで納付する案を政府が検討していることが先日話題となった。

 現時点では、企業の定年退職が60歳となっており、年金の受給開始が65歳となっていることから、受給を60歳からに繰り上げるか、65歳まで退職金若しくは再雇用で食い繋いでいくかが基本的な選択肢だと思う。

 それが、基本的に65歳まで働いて、年金も納める側に…という案なのだから、SNS界隈でブーイングが集まってもなんら不思議ではない。

 現在の若者は、人生100年時代とも言われいるだけあって、2000年生まれの2人に1人が100歳まで生きるとされている。

 仮に100歳まで生きるのが、そこまで珍しくもない時代になると、45年間毎月16,900円の年金を納めて912.6万円。国庫負担分を合わせて1,825万円で、年間受給額はおよそ78万円と、23.4年で元が取れる計算で、ふたりにひとりが35年間もの間、受け取っていれば財源が枯渇するのは目に見えている。

 積立方式であっても立ち行かない制度設計であるのが明白であるにも関わらず、賦課方式で現役世代の納付額を、直接受給者に流しているのだから、どう考えたって制度としては大赤字である。

 その穴埋めを厚生年金と国債で行っているのだから、崩壊しかけている国民年金をきちんと支払った受給資格のある人だけが得をして、給与天引きという名のノーガードで、厚生年金を徴収されているサラリーマンがいかに馬鹿を見ているかは、子どもでも分かる話である。

いつでも脱サラできる準備は必要。

 とはいえ、いくら頭にきたところで、脱サラする以外に厚生年金の納付をやめる方法はなく、年金のためにそこまでする気概のある人間は少数派だろう。そもそも学校教育ではサラリーマンを量産するするための訓練を最低でも9年に渡って、国民の義務として半ば強制的に受けさせられていたのだから、労働者以外の生き方に突然切り替えろと言われたところで、大多数は思考停止のパニック状態となってしまうのは当然である。

 そうは言っても、このまま搾取され続けるのが分かりきっているのに、国家ぐるみで手のひらで転がされるのは御免被りたいと思う方は、限界だと感じるその時までは、労働者として賃金を得られる立場でありつつ、労働者以外で生計を立てるように準備を進めておくに越したことはない。

 この辺りは、ロバートキヨサキさんの、キャッシュフロークワドラントが参考になる。従業員、自営業者、ビジネスオーナー、投資家の4種類に分かれ、従業員、自営業者は労働収入。後のふたつは権利収入となっている。

 労働収入の延長線上で生計を立てようと思うのなら、脱サラして自営業者となる道が最もイメージが湧きやすい。しかし、会社の看板なく、独力で食べていけるだけの稼ぎを得るのは、軌道に乗るまでが苦労するものである。

 かと言って、ビジネスオーナーは、自営業者の上位互換的立ち位置で、自分が居なくても売上が立つ仕組みを構築して、その恩恵として権利収入が得られるのだから、正攻法で攻略するのはかなりの労力を伴うだけでなく、楽して攻略しようとすれば、ねずみ講や怪しいスキームの類との境界が曖昧になりがちで、信者ビジネスと言われかねないのが難しいところである。

愚直に賃金を有価証券へ変える。

 やはり、経営の右も左も分からない状態で、一発逆転狙いで起業するのは、万馬券を当てるようなもので、多くは当たらない。挑戦する母数を増やせば、確率論的に当たる可能性も無きにしも非ずだが、人生の時間は有限で、数を打っているうちに寿命が来る可能性すらある。

 敏腕経営者として名を残す者の足元には、名もなき挑戦者たちの屍が積もっているのである。そう考えてしまうと、時間は要するものの、投資家としてコツコツ配当所得を増やしていく手法は、ゴールの時期がある程度定まっている分、魅力的に思える。

 とは言え、こちらもリスク許容度を見誤り、一発逆転を狙おうとすれば、狙えてしまう側面はあり、起業以上に借金を被る可能性も無きにしも非ずで、ギャンブルにのめり込んでしまうような方には不向きかも知れない。

 最終的には自己判断で、自分と相性の良いものを選択すべきだが、私は労働の対価として得た賃金を、富の源泉となる有価証券へと、ひたむきに積み立てて、義務教育に負けず劣らずの歳月を要することで、経済的に独立する運びとなった。

 しかも、その間に運用と並行して金融リテラシーを高めるべく、大学での学び直しを取り入れるなど、それなりに大きな資産を適切に扱えるだけの、知識と経験を蓄えてきたつもりだし、これからも愚直に学び続けて、それらを陳腐化させないようにする気でいる。

 その甲斐もあって、自分一人が食べていけるだけの金融資産所得まで成長させることができ、来春から従業員としての立場を捨て、専業投資家として食べていこうと思っている。もちろん、厚生年金ともおさらばだし、分離課税によって表面上、低所得者を装うことで、国民年金も全額免除、健康保険料も7割軽減の措置となり、最もコスパの高い生き方に一歩前進できる意味で投資家は強力なカードと言えるだろう。


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