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早期リタイア後の社会的信用'e


あらゆる審査が通らないことを覚悟

 残念ながら個人投資家は職業欄では無職である。最近は何事もジェンダーフリーではあるが、売春夫がないのと同様、専業主夫は一般社会的に職業として認識すらされておらず、闇に葬られているのが現状である。

 個人事業主や会社役員であっても、ネームバリューがなければ社会的信用は会社員より低いのは、ひろゆきさんがビッ○カメラSuicaカードの審査に落ちた話からも想像に難くない。

 私は早期リタイアに踏み切ることで、社会人学生から社会人が取り除かれ、職業欄は学生となる謎現象が生じるため、学生という隠れ蓑が使える余地を残した状態で労働者階級からドロップアウトしている。

クレジットカード

 クレジットカードの新規作成によるポイ活などで熱心に小銭を稼いでいる方は、会社員の社会的信用を利用していることを自覚しておいた方が良い。

 個人投資家という名の無職の場合、ゴールドカードをはじめとするハイステータスカードは審査にまず通らないと思い、リタイア後に使いたい格式高いカードがある場合は、会社員時代に予め作っておいた方が良い。

 特に旅行に強いとされているMarriott Bonvoyアメックスプレミアムカードなんかは、申し込みの間口は広いものの、安定的な収入があることが条件であるため、労働者の立場で申し込んだ方が有利なのは間違いないだろう。

住宅ローン

 早期リタイアを考えるような変態さんは、既に持ち家をキャッシュで買えてしまうため、そもそもローンを組む必要がないか、賃貸派が圧倒多数だとは思う。

 しかし、厚切りジェイソンさん曰く、限りなくゼロに近い住宅ローン金利をフル活用して、温存できたキャッシュで資産運用して実質ほぼ運用益だけで家を持つ考え方に影響を受けた方は、住宅ローンを組んで家を買おうと思うかも知れない。私も金利が上昇しないなら、一理あると思ったくらいである。

 住宅ローンを組むのも、安定的な収入が得られる会社員や公務員なら、仮に身の丈以上の住宅だったとしても、取りっぱぐれがないからある程度までは審査が通るものの、収入が不安定な個人投資家や個人事業主の場合は審査がシビアでそうは問屋が下さない。

 終の住処を運用で得られる利子で買うか、不動産投資としてインカムを得るために物件を購入するかは個人の価値観次第ではあるが、どちらにしても会社員の信用が使えるうちでないと、思い描くようなローンは組めないと思うべきだろう。

 ローンの借り換え時も審査が必要なため、今は変動金利が安くても、今後、日本円が通貨安で更にインフレする可能性もゼロではないため、保険として多少金利の高い固定金利の10年ローンにするのもひとつの手だと考える。社会的信用がないことで金利上昇時に、借り換えできないのもそれなりにリスクで、個人的にはゾッとする。

 現代社会はICT化によって変化が激しく、10年先はおろか、5年先すら見通しが立たない。5年前はコロナもなければ、Uber Eatsを介して個人事業主として稼ぐことも一般的ではなかった。

 そんな世界で、35年先まで定額を支払えることを前提に借金をするのは個人的には狂気の沙汰としか思えないが、世間一般では持ち家、それも鍵を開けた瞬間に価値が数百万円単位で暴落する新築信仰が根強く、多数派なのだから不思議なものである。

 カーローンも基本的には同様だが、資産所得で食っていけるだけの状態の方なら金利なんて支払わずにキャッシュで買えてしまうため、そういった意味では必要性に乏しく、対して困らないのではないかと思う。

賃貸

 この国終わってるなぁと感じることは、仕事がなければ家が借りられないが、定住していなければ仕事に就けず、一度住所不定無職となると、そこから抜け出せない負のループ構造になっている点である。

 こればっかりは本当に詰んでると思うし、携帯電話でも似たような現象が起きている。その点でpovo2.0のような、基本料金0円から利用できるプランが出てきたのは大変喜ばしいことである。

 貧乏人相手に商売しても報われないのが商売人の常であるが、国が一億総貧困社会を目指しているため、マジョリティー層を意識した価格設定をすると必然的にそうなってしまう。

 それでも最近は家賃保証会社に無駄な保険料を支払うことにより、大家は仮に夜逃げされて取りっぱぐれるリスクがなくなったため、保証人を立てるのに比べて審査は若干緩くなっている節もあるが、今まで労働者目線でしか審査を受けていなかったため、真相は定かではない。

 大家側にも入居者を選ぶ権利があるため、同じような条件の入居希望者が重なった場合に、有職者が優先されてしまうのは致し方ない。

 対策としては供給過剰で借り手が付かず、投げ貸しされている過疎地の物件を狙うことで、多少は審査落ちを防げるかと思われる。需給を読むのは審査に限った話ではなく、株取引や就職などでも活かせる。

 選ばれる側として必死に立ち振る舞うよりも、選ぶ側で立ち回れるような環境作りに重点を置くことで、実力以上の結果を得られることは往々にしてある。社会的信用が無いなら無いなりの立ち振る舞いを考えるのも、早期リタイアの醍醐味と言えるかも知れない。

[増補]社会的信用の一筋縄ではいかない地方移住

 季節は巡り、ドロップアウトしてから1年以上が経過したことで、住民税も健康保険税も、免除や減免で良いと役場から通知が来た。端から見れば単なる経済的弱者であり、社会的弱者でもある。

 流石に住宅関連の審査はまだチャレンジしていないが、ゴールドカードの審査は、券種の切り替えと、一般カードからのインビテーションによる切り替えで2回ほど行ったが、2回とも通っており、思いのほかドロップアウト組でも不自由していない。一応、大学生という隠れ蓑がある影響が大きいのだろう。

 ポイ活のクレカ発行も一般カードであれば通るし、初期の限度額設定が10万円だったカードも、半年間の利用実績を積んだ後に、自己申告した(資産)所得を元に、増枠の審査を仰いだら、これも通った。案外、クレカはクレヒスがものを言う側面があるのかも知れない。

 しかし、住宅に関して及び腰なのは、実際に地方移住を行った際に、社会的信用の一筋縄ではいかなかったからだ。いわゆる村社会のソレで、在職中に申し込んだにも関わらず、オーナーの意向に沿わずに弾かれてしまった物件があった。

 明確な回答は得られなかったが、その地方出身の同級生に話を聞くと、よそ者に貸すくらいなら、借り手が付かない方がマシと考えるオーナーは一定数居るとのことで、お金さえ支払えば、契約は成立するものという、都市部のロジックに毒されている自分の浅はかさを痛感した。

 もし経済的な独立や、ドロップアウトを機に地方移住する場合、よそ者に排他的ではないか、事前に現地に出向いて下調べを行ったり、地域おこし協力隊的なポジションを経由して移住するなど、身の振り方を予め決めておいたほうが、こんな筈では…と思う事態は避けられるだろう。


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