所得が少なくても蓄財する方法'e
倹約>不用品整理>運用>副業>転職>残業
タイトルの不等式は完全に私の主観によるもので、大雑把に言えば、
支出減>利回り>収入増
この優先順位で取り組むべきだと考えている。収入アップは残業が手っ取り早いが、税金や社会保険料で2割程度天引きされてしまうため、効率が悪い。
転職も今のご時世で収入アップにつなげるのは難易度が高く、不況で周囲はお金がないため副業も同様である。運用は知識や経験、運の世界で、必ず思い通りに物事が進む性質のものでもない。
しかし、整理整頓によって不用品を売却したり、倹約によってキャッシュを厚くするのは、削減した分が丸々手元に残るので効率が良い。そうして得た種銭を運用するのが一見地道だが確実に蓄財を進める重要な要素となる。
私は高卒で転職するまで、正規雇用にも関わらず、残業なし手取り13万円と金額が生活保護と大差ない薄給ブラック企業に勤めていたが、同業他社に勤めていた同級生とお金の話題になった際に私の保有資産額をカミングアウトした所、文字通り桁が違っていたため、衝撃を与えてしまったのと同時に、某社の低賃金でどうやって種銭を確保したのか質問攻めに遭った。まだ何か私達に嫌がらせを…
手取り13万円の証拠
当時の私の場合、残業なし手取り13万円ではあったものの、ボーナスが手取りで20万円ちょっとは出ることや、こどお実家暮らし、高卒故に無借金だったことが幸いして、毎月3万円を家に入れ、毎月5万円を蓄財に、毎月1万円は月に11回前後ある泊まり勤務の食費に。
残った4万円で、携帯電話の支払いと趣味の出費を確保することで、物欲が満たせずにストレスを感じることがない程度の、無理しない蓄財ができていた。しかし、ここに奨学金の返済1.5 万円が毎月乗っかったら苦行であり、大卒にもなって、鉄道現業職なんて就くもんじゃない。
そうやって毎月5万円を先取り貯蓄して年間60万円。年2回のボーナスで20万円ずつ蓄財。ボーナスも残りの端数を好きに使うと決めたことで、年収300万円に毛が生えた賃金でも、最低限年間100万円の蓄財が出来る環境を整えた。
この頃の生活レベルやコスト意識は転職で年収が100万円上がっても健在どころか、却ってシビアになり、税引き後の手取りで考えても、80万円ほど余分に蓄財が出来る余力が生まれた。
このことから、収入アップの転職が蓄財に有利に働くのは言うまでもないが、疫病や戦争により世界情勢が不安定な状況では難易度が高い。
私もコロナ前のインバウンド絶頂期で、需給バランスの隙を狙い、上手いこと自身の市場価値よりも高いお賃金を払ってくれる企業に潜り込めただけのまぐれ当たりで、思い立ったら直ぐに、当時のような収入アップの転職ができるか怪しい。
しかし、不用品の整理や倹約は誰でも出来て、やれば必ず成果が出て報われる点で、やはり倹約が最も重要なのは変わらない。
そして、高卒らしからぬ資産推移
私は早生まれで学年と年齢の説明がややこしくなりがちな背景もあり、自分の年齢を把握する意味も兼ねて、毎年、歳を重ねる前日に資産額を確認するようにしている。最初の5年間の資産推移は以下の通りである。
889,720円←1年目はボーナス満額出ず…。
2,238,011円←不用品整理開始
3,486,600円←20歳NISA口座開設。資産運用開始。
5,280,265円←転職で収入アップ
7,094,026円
ここで注目すべきは、投資元本は年100万円だから5年間で貯蓄した金額は500万円程度。仮に転職後に増加した可処分所得の80万円をそのまま計上しても、580万円程度が限界である。それなのに129万円も多くの資産を保有しているのは、運用して資産が増加したからに他ならない。
それでも3年間で20%程のリターンと年率換算で6%程度。投資元本が小さい頃に運用利回りに拘ってリスクを取っても、一発逆転にはならない世界で、やはり倹約を中心に愚直に種銭を確保していくのが無難だろう。
そして、資産が528万円から709万円に推移している最中は、同い年の大卒が新入社員として職場に配属された時期でもある。
貸与方奨学金利用者の場合、平均で288万円の借金を背負い社会に出て、毎月1.5万円の返済が16年続くのに対して、人生の無借金経営を貫いた私は、奨学金を借りた大卒の平均債務の2倍に相当する純金融資産を保有し、独学ながら運用の知識も持ち合わせているのである。
同じ23歳でも、スタート時点で保有資産額に864万円の差があると仮定し、この差を年率5%で運用し続けた場合、定年の頃合いに相当する40年後に税引後で5,219万円もの差に化けている。
大卒は高卒より生涯賃金が6,000万円高いとされているが、税金や社会保険料で2割程度天引きされ、可処分所得で4,800万円程度の差であることを踏まえると、運用スキルさえ身に付けば、高卒で早期に蓄財と運用を始めることで、学歴社会の不遇さをカバーすることができるとも捉えることもできる。なお就労年数。
それ位、余命のある若年で持つ資産は将来価値が高く、複利運用の観点で投資はたとえ少額でも早く始めるに越したことはない。
金融リテラシーが低い人は、先送り癖が財産形成の1番の障害になることを自覚していないが、複利の最後の美味しい部分から順々に削れていくことを考えると、長寿命化により人生100年時代が声高に叫ばれる昨今、それを削ってしまうのは非常に勿体無い。
だからこそ、低所得であっても、支出に無駄がないかを見直して、捻出した資金を少額でもノーロードの優良インデックスファンドに投資して、手堅く運用することにより、低所得でもそれなりの資産を築ける。
家賃や保険、光熱費、携帯電話、サブスクを見直して毎月3万円削減出来れば、NISAの枠が年間36万円分利用でき、50年継続すれば上限の1,800万円。月5万円なら30年継続すればNISAの枠が全部使いきれて、老後資金不足問題は、無問題となるはずだ。
だからこそ、面倒臭がらずに小銭を集めてコツコツ積み立てれば、チリツモで将来がより豊かになるのだから、やってみるだけの価値は保証する。
[増補]世を治め、民の苦しみを救うのが、本来の経済
ここまで財テク系の話に偏ったため、そもそも「経済」とは何かの話でバランスを取る。
「経済」とは何かの問いに対して、日経平均みたいな指標を思い浮かべる方は多いと思うが、語源は「経世済民」の略語で「経済」となっている。では、「経世済民」とは何かを調べれば、「世を治め、民の苦しみを救うこと」と出て来る。
つまり、経済は小難しい株式や債券、不動産と言った取引を表すものではなく、本来は世界を秩序ある状態に導き、私みたいな社会にとって必要不可欠な職種、それも健康を害するシフトワークに就いているにも関わらず、手取り13万円みたいな、市場原理では決して報われることのない民の、苦しみを救うものであるべきだろう。
しかし、現実は富が富を生む側面ばかりが増幅され、SNS上ではザルなAI審査の弊害で詐欺広告が蔓延り、広告収入を受け取るメガテックに富が集中する一方。貧富の差は縮まるどころか拡大し続けているのは、ピケティ氏が21世紀の資本論で、r>gの不等式で証明した通りである。
格差が広がり続けるのは仕方ないと割り切った上で、国が「貯蓄から投資へ」「資産運用立国」を謳っているように思え、学校で金融教育という名の投資教育を行っては、全世界株式や米国株式に投資しましょう的な論調に終始しているのが、本来の経済から乖離していてモヤる。
失われた30年で国全体が下がる一方で、徐々に貧しくなり、国力が低下した結果、過度な円安を招いている中で、全世界株式や米国株式への投資が最適解と暗に示すのは、日本経済がオワコンであることの裏返しとも捉えられるが、いかがだろうか。
本来であれば、お金のない若者は、新しいビジネスを立ち上げて、投資される側に回るべきだし、お金に余裕のある者が、日本社会全体のことや未来のことを考えて出資する側に回り、自国の経済力を高めていくことが、世を治め、民の苦しみを救うことに繋がるはずだ。
しかし、金融教育の教科書や資料を見る限り、そうした話題は殆ど触れておらず、教えられる教員が居ないことも含めて、等しく貧しい社会主義国だとつくづく思う。
もし、かつての私のように、現場で社会を支えているにも関わらず、お前が終わってんだよwwwと煽られるような所得水準だったが、倹約と運用により経済的な余裕ができた暁には、「経世済民」を忘れず、私利私欲のためではなく、我々が生きるこの社会の未来のための「投資」をして頂きたい。
それが経済システムにより成り上がった者に、課せられる義務だと私は考える。