続・ソーシャルワーカー人生ver2.0
久しぶりの投稿です。
今日は、私の新しいお仕事について書いてみようと思います。
自立相談支援機関ってなんぞや
私は4月から、市社協の職員として働いています。
で、その所属がこの「自立相談支援機関」。
生活困窮者自立支援法絡みの部署です。
正直、一番知識のないところだったので、4月1日に辞令を見て固まりました😅
いや!けして嫌とかじゃなく!
まずい、全然わからん…と。
生活困窮者自立支援法というのは比較的新しい法律で、生活保護を受給する前段階で自立できるように支援しましょうっていうものです。(雑)
必須事業とか任意事業とかで色んなメニューがありますけど、ここでは割愛します。(雑)
最大のポイントは伴走型支援であること、そして縦割りではないことだと私は認識しています。
8割以上高齢者支援ばっかりやってきたわたくし。
今関わっている方々の年齢層は、だいたい20~70代。
どんな方がいらっしゃるかというと…
・食べるものがない
・住む場所を失った
・仕事がなかなか見つからない。仕事についても定着できない
・水道、電気、ガス代が払えなくて止まりそう
・税金や国保料を滞納している
・多重債務がある
・仕事を退職して収入がない
・コロナ禍で減収した
・刑務所を出たばかりで生活に困っている
・年金だけでは生活できない
とまあこんな具合で、とんでもなくバリエーション豊か!
よって、問われる知識のなんと幅の広いこと!!
もちろん、相談に至る背景も多種多様。
高齢者や障害者や引きこもりなどの専門相談窓口ではないものの、色んな課題を発見しやすい立場になるため、繋ぐことも多いです。
色んな窓口に一緒に行ったり、家計表を作ったり、法律相談に行ったり、ハローワークに行ったり。
そんな日々を過ごしています。
孤独・孤立という背景
「お金が足りない」という切り口の相談は、本当に間口が広い。
そして、世帯全体に関わる。
よって、病院時代は患者さんひとりばかり(当時は家族も見ていたつもりだったけど、今思うと甘かった)見ていたけれど、今は世帯構成員全体、なんなら壮大なジェノグラムとエコマップでもって全体を見渡す視点が身についてまいりました。
お父さんは入院していて、入院費が払えなくて、息子さんは長年仕事をしていなくて…
このご家庭、お父さんの年金でもってるけど、施設入所でもしたら一気に破綻するよね?
収支を見ると、債務の返済でほとんど収入が消えてるみたい。現金が回らないから、食費や日用品費はキャッシュレスで、結局請求が来ても払えない状況を繰り返してる。
息子さんの生育歴をお聞きすると、色んな傷つき体験があったみたいで、対人恐怖が強い様子。仕事というよりも、人中に慣れることから始める必要がありそう。
👆てな感じのケース検討が、日々行われています。
(あくまで創作事例です)
もちろん全員ではないけれど、背景に感じるのは「孤独・孤立」という課題。
誰にも相談できず、ひとりじっと耐えて耐えて、やっと相談につながった方にたくさん出会います。
そういう方は本当にパワーレスになっていらして、判断能力も低下しているし、意欲も低下して、自暴自棄になっていたりします。
生きてても頑張っても意味がない、少しだけ悪いことをして刑務所に入った方がましだ、とおっしゃる方もいます。
そういう言葉を聞いたとき、胸がぎゅっとなります。
なんとお返ししたらいいのか…
私ができることは本当にちっぽけです。
すぐすぐの解決策が提示できることは少ない。
それでも、一生懸命話を聞いて、一緒に考える。
あなたのことを気にかけていますよ、というメッセージを送り続ける。
人とのつながりって、命綱だと思うんです。
中には、話を聞いただけで歩き出す人もいるから、諦めずにまた今日も明日も私はお話を聞く日々です。
感動だってある
こんなことばかり書いていると、自立相談支援機関ってめっちゃ大変!と思われそうですが。
私、今のお仕事結構好きです。
社協というベースがあるからこそとも言えますが、CSW経由で地域のボランティア募集の情報をもらって、そこにこちらの相談者さんを担い手として紹介することがあります。
すると、見たことのない表情でいきいきと作業されたりするのです。
いつのまにかこちらの知らないところで、ご近所付き合いをしていることもあったり。
やっぱり、相談者と支援者という枠組みだけで見ていてはいけないのだなあと、そのとき気づかされました。
誰だって、どんな状況だって、やっぱり誰かに必要とされたいし、役に立てるって喜びなんだなと。
やっぱり、人と人とのつながり、地域とのつながりって必要なんだな。
今の職場に来て、しみじみと感じることです。
基本はケースワークな部署ですが、ケースワークがケースワークで終わらない、地域づくりや政策提言にまで関われる環境で、すごく「ソーシャルワークしてる!」を感じています。
この環境に感謝しながら、私は私にできることをコツコツと、また積み上げていこうと思います。
なんだか大きなプロジェクトのメンバーにもお呼びがかかり、ますます充実したソーシャルワーカー人生です。
あ、でも。自分のことを「ソーシャルワーカー」とか「社会福祉士」と名乗ることが減り、また新たなアイデンティティの問い直しの時期に来ています。
そのお話はまたいつか。