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panda_19:石の上にも12年!?

 伝教大師(でんぎょうだいし、最澄のこと)は、「どのように愚かな人でも、十二年間、同じ仕事に熱中すれば、必ず他の人のまねのできない力を発揮するようになる」とお教に説かれているのを見て、比叡山に学校を開いたという。

 ひと昔前は、会社に就職したら、どんなに辛いことがあっても3年間は我慢しろと言われていた。しかし、厚生労働省が2020年に報告したデータによると、2019年における入社3年以内の離職者は約3割(大学卒の離職率が32.8%、短大卒は43.0%、高校卒は39.5%、中学校卒は59.8%)となっているそう。退職代行会社も相当繁盛していると聞く。

 無論、理不尽なパワハラやモラハラ、法令違反が常態化しているブラックな労働環境からは一刻も早く逃げるのが正しいと思う。そんなところに三年も居たら、肉体も精神もおかしくなってしまうだろう。

 ただ、転職が当たり前になっている時代、同じところでお勤めし続けていると「転職とかは考えないの?」と言われることも増えた。これまでの教員生活で、何度も辞めたいなと思ったことはあるが、結局今日まで教職を続けている。
 なぜ、続けていられるのだろうかを考えてみた。サンクコスト・バイアスもあるかもしれないが、「この仕事が好きだから」がしっくりきた。我ながら「天職」とまでは言えなくても、「適職」ではあると思っている。

 12年間…。私は正規雇用されて今年度で10年目になる。先のことはわからないし、考えすぎても仕方ないので最近はあまり考えすぎないようにしている。ただ、少なくともあと2年間は今の仕事に熱中してみて、自分が「他の人のまねのできない力を発揮するようになる」かどうかを見極めてみたい。

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