「記録に残る作品」か「記憶に残る作品」
今日は「記録に残る作品」か「記憶に残る作品」というテーマでお話ししていきたいと思います。
ワタクシ事ではありますが、会社主催の全国カットコンテストに参加をして所属エリアでのカットコンテストにも参加をしました。
やはり、営業でいくら毎日30人近くカットをしていてもカットコンテストで得るモノはたくさんあります。
技術の基礎の見直しだったり、ブローができない状態でのスタイリングをするフリースタイルなどは頭の運動にも良いです。
そんなコンテスト参加し続けて思ったのが
「記録に残る作品」と「記憶に残る作品」です。
これはどちらかの作品が優れているというお話ではなく、何を目的に作品を創るのかというお話です。
今回のカットコンテストでは作品を動画で撮り配信をして全スタッフが投票をするということを試みました。
そこでカットコンテストに参加したスタッフからある質問を投げられました。
「投票に自分の作品を選ぶのはダメですよね?」と
そんなルールなど全くないので自分の作品を選んでも問題ありません。
そのことを伝えても、自分の作品に投票をするのは気が引けるようでした。
ー記録を狙うレースでは「スキ」を言えないー
これは、ブローができずスタイリングのみのフリースタイルのカットコンテストだから起きる事で、この制限の中で見栄えを良くして優勝を狙うとなるとヘアースタイルがボブのアシンメトリーにほぼほぼ限定されます。
ブローがないので下手に動きをつけると汚く見えてしまうんです。
動きが出せないから必然的に表面の艶を如何に出して、独創的にポイントをどこにどう創るかが勝負なのですが、そんな制限だらけの中で表現しなければならないので似たり寄ったりの作品になってしまうんです。
この条件に合うのが「ボブのアシンメトリー」です。
記録を残すにはこのボブのアシンメトリーのレースに参加しないとならないので、似たり寄ったりの作品の中で自分の「スキ」を表現しなければならないのですが、このレースに参加しているので他の人の作品と優劣がはっきりとつきます。
なので、自分の「スキ」で創ったにもかかわらず、空気を読んで自分のスキが言えなくなってしまうのです。
しかし、いくら記録に残そうとレースに参加していても、自分のスキを入れている部分があって作品に満足しているなら自分に投票した方がいいんです。
自分の創ったモノに自信を持つことが一番大切なんです。
スタッフにこのことを伝えると、自分のスキで創ったのでしょうね。
「自分の作品にも投票します!」と返事が返ってきました。
ー記録に残こそうとすると記憶に残らないー
「ボブのアシンメトリー」レースに参加せずに自分のスキを表現し、投票されると記録ではなくそれは記憶に残る作品になります。
投票してくれた人の記憶に残るんです。
何年か前のカットコンテストで優勝など気にせず、みんながスキそうなモノなんて関係ない、自分のスキはこれだ!と言わんばかりにかぶいた作品を創った床屋の店長の作品が今もなんとなくですが覚えています。こんな作品あったなぁ程度ですが…
しかし、その時の優勝した作品や2位、3位に入賞した作品は全然覚えていないんです。
で、今回自分はどちらの作品を作ったのかというと、記憶に残る方にしました。
今年は、会社主催の全国カットコンテストに出場をしてその練習の時から自分が選手以外に何ができるのか?スタッフたちに何を伝えられるのか考えていました。
エリアのフリースタイルの予選では力量差がありすぎて作品として見た時に数体しか見れるものがないのが現状でした。
いろいろ考えた末、その力量差を無くして予選のレベルを上げていくのが自分のやりたいことだったので、フリースタイルに興味があるスタッフの参考になるよう全国カットコンテストの練習動画、スタイルのラフ画などを共有することにしました。
その仕上げとしてエリアのカットコンテストでは「ボブのアシンメトリー」ではなく無謀にもパーマスタイルに挑戦しました。
結果、入賞は逃しましたが自分のスキを表現し、デザインの幅の広げ方は示せたと思います。
どう作ったのかたくさんの人に聞かれたのでそう思わせてください。
ー営業に関係ないからこそ良い!ー
カットコンテストは普段の営業スタイルの息抜きになりますし、フリースタイルは頭の体操にとてもいいです。
営業ばかりしているとデザインの幅が縮こまってしまい、お客さんに言われた通りしか切れない技術者になってしまいます。
お客さんは素人なので、頭の形や生えぐせなど考えず全体何センチ切ってなどのオーダーなんです。
カット人数や売り上げに追われてしまい、何も考えずに言われた通りに切れば満足はしませんが不満も出ません。
なので慣れたスタッフほど言った長さを切るのが正しいと勘違いしてしまい、素人のお客さんに細かく聞きすぎて不機嫌にさせてしまうこともしばしばあります。
これはデザインの発想の引き出しが少ないから提案ができず、つい聞きすぎるパターンもあるので引き出し作りにカットコンテストに参加や営業とは違うヘアースタイルを練習で切ってみたりと普段と違うヘアースタイルを考えてみるのは超絶お勧めです。
聞きすぎてお客さんを不機嫌にしてしまうことがある方は練習でいいので記録に残る作品、記憶に残る作品どちらでもいいので営業とは違う頭の使い方をしてデザインを設計し作品を創ってみるとまた一つ仕事が楽しくなりますのでぜひやってみてください。
理美容界の生存戦略 カワシでした。ではまた
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コロナ渦の中、現場目線で比較していたからこそ気づけた内容です。
お客さんを顧客としてではなく、別の見方で見てみると…
確かな違いがそこにありました。
時代に左右されない戦い方です。
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