修士論文のコツ(その3):ゼミ発表は定期的に…。
こんにちは。修論作成に関する記事はニーズが高いようで、多くの閲覧を頂いています。今回は第3弾ということで、修論をスムーズに?進めるためのヒントを書いていきたいと思います。
ゼミ発表とどう付き合っていくか?
多くの大学院では週に1回程度”ゼミ”が開催され、院生の研究報告や書籍の輪読などが行われているのではないでしょうか。僕は毎週金曜日午後がゼミの日で、研究の進捗報告や特定テーマに関する話題提供などを行っていました。大学によっては輪番制で研究発表がマストになっているところもあるかもしれませんね。
研究発表ではそれまで調べてきた先行研究の検討や、自分の研究の枠組、今後の調査計画などを発表するわけですが…。完璧な発表などあるはずもなく、先輩や指導教員から手厳しい指摘があることもままあるわけです。
せっかく準備した発表も、ぼろくそにいわれるわけです。なんだかこれまでの努力が否定されたように感じますし、次に発表してもまたいろいろ言われるのではないかと不安にもなります。その結果、次第にゼミの研究発表が憂鬱になることも多いと思います。
発表が強制ではない場合、だんだんとゼミで研究発表をしなくなる…。そのような状況になっている学生も多いのではないでしょうか?
ゼミが憂鬱な人へ
せっかく頑張ってまとめた資料なのに「意味がわからない」「これはどういうことなのか」いろいろ言われるわけです。それが嫌で、発表やゼミへの参加が憂鬱になる人もいるかもしれません。
しかし、大前提として「先輩や指導教員はあなたのことが嫌いで指摘をしているわけではなく、あなたの研究を少しでも進めるために助言(アドバイス)してくれている」ということを心に留めておきましょう。
大学院生はたくさんの時間を研究に費やしますので「研究=自分のアイデンティティ」のようになっていきます。ですので、研究に関する指摘を受けると自分が否定されたように感じてしまうわけです。
しかし、先輩や指導教員は、あなたが嫌いで指摘をしているわけではありません。研究に対して指摘をしているのです。そして、指摘を受ける内容は「それではダメだ」「お前はバカだ」という否定・非難ではなく、研究を進める上でクリアすべきポイント(課題)を示してくれているのです。
つまり、指摘を受けた点があとでクリアされれば問題ないのです。研究として一歩前進するわけです。もちろん、ゼミや発表の場では、それらの指摘に対する答えを用意できているわけではないので、ボコボコにされる場合も多いでしょう。しかし、言われた点を受け止め、次に同じ質問がきたら答えられるようなっていればそれでよいのです。その時あなたの研究はボコボコにされた以前の内容よりも一歩進んだ研究となっているでしょう。筋トレで言えば、超回復ですね。
一人で研究することの限界
先輩や指導教員と対話し指摘を受けることは、研究を進める上で不可欠な営みだと思います。よっぽどの天才であれば一人で研究を進めることができるかもしれませんが、多くの場合、一人で考えられることには限界があります。
僕の経験上、「研究が進まない」人は一人で考えきりになって、他人と研究について話をする機会が少ない人が多いと感じています。もちろん、頑張った成果をいろいろ言われるのは、気分はあまり良くないですよね。しかも、一回の発表でいくつもの指摘を受けると、何から手を付けて良いかわからなくなってしまいます。しかし、それを嫌って対話を避けるといつまで経っても研究は進みません。研究が進まない→対話を避ける→研究が進まない…腑のループです。
ですので、研究を進める上では次の2つの点が大事だと僕は考えています。
誰かに研究の話をしてみる
第一に、ゼミなどで他人に自身の研究内容を伝え、わからない箇所など研究に関する指摘をもらうことです。これはゼミなどで資料を準備し、かしこまった場でなくても構いません。例えば、コーヒータイムやご飯中などでも良いと思います。「こんなこと困ってるんだよね〜」「こんなこと考えてるんだけど、どう思う?」という素朴なトークからも解決策が見つかることがあります。僕の場合、困ったら先輩をご飯やコーヒーに誘い、上の二つの質問を投げかけ、助言を得るようにしていました。それで何度助けられたことか…
順番に課題を解決する
第二に、指摘をもらったら「何を言われたのか」を整理して、一つ一つ課題を解決していくことです。ゼミ発表では一度にたくさんの課題を指摘されて、課題がいくつあるのか、何から手を付けるべきかがわからなくなるケースも多いと思います。
人は道筋が見えないと不安になるものです。この不安を解消し、一歩を踏み出すには、課題を整理し、一つ一つ回答を試みていくほかありません。課題を整理することで優先的に取り組むべき課題や課題の全体像も明らかになります。もらった課題に対し一度に、一気に取り組むのではなく、一点に絞って一つ一つ解決していくことが大切だと思います。
結論
周りをうまく使いながら研究を進めることが、研究の完成への近道です。人に話すことで、自身の研究力を鍛えることにも繋がります。自分では気付かなかった課題に気付く機会にもなるでしょう。人との対話を大切に、一人ではたどり着けない高みにたどり着く。それが研究室の役割ですし、研究者同士のコミュニケーションで大切なことだと僕は考えています。
今日はこのあたりで。
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