ことわざは真理に限りなく近い?
今回は諺(ことわざ)のはなし。
何らかのことわざを皆さんは知っていますよね?
「サルも木から落ちる」「急がば回れ」「豚に真珠」・・・・。
僕は大学教員として研究をしています。研究とは「現象を理解すること」「真理を探究すること」「ものごとの本質を理解すること」だと思っています。例えば、そこに火が燃えているとしたら、化学では火が燃える理由や条件を研究する。心理学であれば人間の心の働きを、社会学であれば社会現象、人間の集団行動の原理を解き明かそうとするわけです。
といったように、僕は研究者として日々「真理の探究」を仕事としている?わけですが、「ことわざって真理に限りなく近いものなんじゃないか」と良く思います。
ことわざって、大昔から代々受け継がれてきた教訓や知識が込められているものだと思います。「代々受け継がれてきた」というところが重要なポイントです。ことわざは大昔の人がこれはこれは大事だなと思うことをシンプルに表現した文章で、現在まで語り継がれてきたものです。つまり、現代まで残っていることわざは「これまでの人類がその内容に同意してきた教訓、知識」だということです。
逆に、内容に同意が得られないものについては伝承の過程で消滅していくはずです。何百年、何千年と「ああ、それは大事だね」「それは本質をついてるね」と先人達が同意してきたからこそ、ことわざは現代にも残っているのです。しかも、ことわざは日本だけではなく世界中にあり、その内容は似通っているものも多々あります。
覆水盆に返らず ≒ There is no use crying over spilt milk.
しかも、面白いことに、僕が専門としている人文系の学問では研究対象として明らかになったことが結局はことわざに書かれていることで表現できたりすることです。例えば、ある企業が倒産したのは結局”急いては事を仕損じる”からであった。とか…。
たくさんの人達がその内容に同意し、代々受け継いできたことわざ。これって、限りなく真理(物事の本質)に近いと思いませんか?僕は、まだ結婚していませんが子どもにはことわざをしっかり教えたいと思っています。
今日はこんなところで。