詩まとめ
・腕の中の優しさ・
僕の隣で、君が泣いている
どうしたんだい?
聞いてみても、何も言わずにただ静かに泣いている
その震える背中に
声をかけることができなくて
僕は君を、優しく抱きしめることしかできない
今はただ、泣くだけでいい
泣き疲れたら
少しずつでいいから
その悲しみを、僕に分けてくれるかい
・隻腕の愛・
そんなに怒らないで
私は、大丈夫だから
そんなに泣かないで
片腕はなくしてしまったけれど、あなたが生きている
それだけで私は嬉しい
あなたがいない世界は
私には耐えられない
それを考えれば、腕一本なんて惜しくはない
涙を拭いて、笑ってください
その笑顔が
私の大好きな、世界なのですから
・笑顔の贈り物・
そんなに、優しい顔をしないで
胸が苦しくなるから
そんなに、優しい声をかけないで
あなたの腕を奪ってしまったのだから
私が生きているのは、あなたのおかげ
でも、そのせいであなたが傷ついてしまった
それを思うと、後悔で死んでしまいたくなる
だけどそれは出来ない
あなたが悲しんでしまうから
あなたの笑顔が、消えてしまうから
だから私は笑う
あなたが大好きだと言ってくれた
何もない私の、たった一つの贈り物
・私だけの劇場・
何もない、麗らかな午後
何をするでもなく、ぼーっとお茶を飲む
私の目の前にあるのは
窓という名の、私だけの劇場
空は色を変え
雲は踊り
木々や風が音楽を奏で
時折、小さな役者さんが舞台に上がる
それを、ほっと息を付きながら
穏やかな気持ちで眺める
そんな、静かな
暖かな日
・約束の糸・
あなたの小指と
私の小指
言葉を交わし、約束をする
指きりげんまん
指を離し
離れたとしても
心に残る、あなたとの想い
小指につながる
約束の糸
・あなたを想う・
寒い
手が冷たい
でも、心の方がもっと寒い
それは、隣にあなたがいないから
心の中のあなたは、いつも笑っていて
私を温めてくれる
ねえ、会いたいよ
また私に
馬鹿だなって笑いながら
抱きしめてよ
また私を温めて
冷え切った、私の心を
・愛しい背中・
あなたの背中が見える
私の手が触れる
さあ次は、私を追いかけて
追いかけて、追いかけられて
そして、あなたが隣に並ぶ
もう追いかけることはないね
そう言って、笑ったあなた
そんなあなたは
私を残して
逝ってしまった
もう、追いかけられない
あなたの背中
・温かな手・
大好きな、あなたの手
それは、私に温もりをくれる
泣いているとき
怒っているとき
笑っているとき
その手で、私をなでてくれる
心に灯る、暖かな灯
くすぐったいけれど
委ねてしまう
私の心を、あなたに
・心の在処・
いつか、君を迎えに行くよ
離れたとしても
心は繋がていると
信じている
けれど、会えないのはやっぱり淋しい
君の声を聞くことはできる
でも、
優しい笑顔を
温かな手を
感じることはできない
ああ、私の心は弱くなってしまった
半分を君の心に
置いてきてしまったから
・愛の暖炉・
吐く息が白くなる
それは、私の中が暖かいから
あなたへの愛で、溢れているから
大切な思い出
一つ一つが
熱を持つ
それを、心の暖炉へ入れる
ポカポカとした、私の心
今日も、吐く息が白い