詩まとめ
・凍る・
心が凍る
寒い
苦しい
いつから私は
こんな風になってしまったのか
ああ、そうだ
あの日、あの時
あなたをなくしたとき
私の心は、凍ってしまった
ねえ、淋しいよ
私も、そっちに行っていいですか
いつまでも、あなたと共に
・曇り鏡・
寒い冬の日
世界は、鏡に満たされる
それは時が経つと
いつしかなくなってしまう
脆く、儚いもの
私の世界を
鋭く、冷たく見通す
氷の曇り鏡
・雪花・
何もない丘
雪が降り積もる
音もなく
はらはら
はらはらと
今は何もなくとも
春には雪が溶け、花を咲かすだろう
それまでは
この雪花をみて
暖かな春へと、思いを馳せる
・逆さ世界・
水滴に映る、逆さ世界
私の目に見える
逆さの私
あなたと私は
同じですか
反転している
私とわたし
閉じた世界と
開けた世界
逆さのわたしと笑い合う
・小さな愛の欠片・
寒い冬が続いています
あなたに会えない日が
とても淋しい
本が好きなあなたに
淡い桃色の
椿のしおりを届けます
私の小さな気持ちと共に
春になったら
一緒に、椿の花を見に行きましょう
・雪桜・
はらりはらりと
舞い散る雪
それはさながら
桜のよう
まだ春は遠いけれども
空からの、白い桜を肴に
一杯の酒を
酌み交わす
・冷めない暖かさ・
息が白く、吐き出される
風が吹くたびに
体は寒さに、縮こまってしまうけれど
心は寒くない
ポカポカと暖かな熱が
私の中から溢れてくる
その熱は
あなたがいるから
あなたの手が
私に触れているから
いつまでも
暖かいまま
・別れ涙・
雪が舞い散る街中に
私はひとり
あなたを見送り
佇んでいる
行かないで、とは
言えない
言えるわけない
あなたが選んだことだから
目を輝かせ語るあなたに
行ってらっしゃい、と
笑顔で送り出そう
涙を見せるのは
自分だけでいい
・架け橋・
あと、10cm
あなたの手が触れる
あと、5cm
あなたの肩が触れる
あと、1cm
あなたの唇が触れる
心の距離は
ずっと前から
0cm
暖かな愛を届け合う
私とあなたの
心の架け橋
・境界線・
昇る、昇る
日が昇る
夜と朝との境界線
澄んだ空気に
世界が目を覚ます
世界よ
夜が明ける
新しく生まれた
真っ白な日に、足を踏み出す