詩まとめ
・私だけの視線・
あなたは私を見てくれない
なぜ
なぜ私を見ないの
私はいつもあなたを見ているのに
どうして私を見てくれないの
そう
あなたが私を見ないというなら
あなたのその目を私がもらうわ
そうすれば
あなたの視線は
私のもの
私だけのもの
・宙のゆりかご・
ひとり静かに揺られる
この広い世界の中で
揺られ、揺られて
夢の中に落ちていく
暗闇の中
星たちの瞬きを感じて
私はひとり
世界を漂う
・輝きを求めて・
闇夜にまぎれ
私は心の中に入り込む
その中にある輝きを求めて
輝きは人によって違いがある
大きいもの小さいもの
華やかなもの
無色なもの
人によって違うそれらは
なくしてはいけないもの
私は今日も
私の輝きを求め
闇夜にまぎれる
・声を聞かせて・
いつも話していた
今までのこと
これからのことを話していたのに
いつしか連絡が取れなくなった
どうしたの?
何かあったの?
それとも、私のことが嫌になった?
それなら仕方ないけれど
せめて
せめて一言連絡して
声が聞けないのは
つらいよ
・開くことのない扉・
閉じられたままの扉
今日も開くことはない
いつノックされるのだろうか
いつか開くことがあるのだろうか
錆付いて開かなくなる前に
どうか気がついて
あなたの前にある
私の心に
・漢道・
社会からの弾かれもの
裏の世界で生きていたとしても
自分の中の芯だけは曲げることはない
一本の筋を通し
己の意思を貫き生きる
それが漢の
生きる道
・雨に包まれた舞台・
雨音だけが聞こえる
静かな空間
私とあなたのためだけの
小さなステージ
肩と肩が触れ合うほどの距離で
今日もまた
小さな恋物語が始まる
・心花開く・
それは小さな蕾
心に芽吹いたそれは
感情によって育つ
喜び、怒り
悲しみ、楽しみ
様々な想いで
花開いていく
あなたの心にはどんな花が咲きますか
・盤上の輪舞曲・
静寂の時
交差する思考
盤上で繰り広げられる輪舞曲(ろんど)
先を読み相手の裏をかく
その一手は
神の手となるか
死神の鎌か
チェックメイト
・そのままの私・
私は鏡を見ることはない
人の目に映る私が
そのままの私
等身大の自分
行動が
感情が
そのまま相手に写っていく
世界に映る私はどうなっているのだろう