詩まとめ
・見えない心・
曇りガラスのように見えない
あなたの心
今何を思っているの
私には見せてくれないの
淋しい想いだけが募る
切なく締め付ける
私の心
いつか透明になって
私に見せてくれるまで
あなたの心に寄り添っていく
・過去からの視線・
今の私はどう映るのだろう
過去の自分に
輝いて見えるのだろうか
それとも
醜く見えるのだろうか
私には分からない
今の自分を否定することはできない
「今」を生きる私には
純粋だった「過去」の私
その視線が私に突き刺さる
・暖かな場所・
暖かな雪が一粒
泣いているあなたへ溶ける
冷たい
そう言いながらあなたは笑う
寂しそうに
その顔を見ていられなくて
私は胸の中へ引き込んだ
寒いと泣く心を溶かすように
苦しいと鳴く心を守るように
私があなたの安らぎになろう
私があなたの居場所になろう
だからお願いだ
胸の中の震えよ
どうか止まっておくれ
・透明な檻・
見えている
だけど、届かない
あなたとわたし
二人の間には見えない壁がある
いつからだろう
この手を、触れることができなくなったのは
いつからだろう
この声が、届かなくなったのは
近くにいるのに
近くにいない
触れたい
届いて欲しい
あなたに
ただ、私の涙だけが落ちる
見えない檻に囲われながら
・なくしたもの・
私はなくしてしまった
それはいつ、どこでなくしてしまったのだろう
分からない
気がついたらなくしている
周りに奪われたわけでもない
自分から捨てようとしたわけでもない
いつの間にか消えている
大切だったはずの
純粋な心
・一時の涙・
指が離れる
白く冷たいあなたから
もう、笑ってくれない
もう、声をかけてくれない
触れてくれない
私は泣かないよ
もう泣かないって約束したから
でも今日だけは、許して
あなたを見送る
そのための涙を流したら
笑顔を見せるから
安心して見守っていて
さようなら
私の大切な人
・母の涙・
月を見て涙を流す
母なる海の
そのそばで
新たな命を想い
新たな世界へと旅立つ我が子を想い
母は鳴く
声もなく
静かに
命よ世界へと羽ばたけ
・守り木・
私の中心
心の中には一本の木がある
それは人によって違いがある
大きいもの、小さいもの
実をつけるもの、つけないもの
その樹の下にはたくさんの人がいる
あなたにとって大切な記憶
心の住人たち
それをいつまでも守り続ける
心の守り木
・月涙・
月を見て泣く
私の想いが届かないから
私の心からあなたが消えてしまう
苦しい、寂しい
どうして届かないのだろう
どうして
いっそ消えてしまったほうが楽なのかもしれない
でも、消したくない
消えて欲しくない
私の想いよどうか届いて
今日もまた一人
月を見て涙を流す
・響く心・
小さな波紋が広がる
人から人につながるそれは
響くたびに音を変える
高く、低く
短く、長く
響く音に導かれるまま
あなたと出会う
心に響いたその音は
二人の中で溶け合い混ざる
優しい音へと姿を変えて