Vol.16 都市間連携について
地方都市にいると広域連携といったテーマが良く出てくると思います。実際に多くの地方都市で、このような取り組みもされていると思います。
今回は、この広域連携について考えてみようと思っていますが、その中でもある程度市場規模があり、ビジネス的にも比較的近い政令指定都市にターゲットに絞り見ていきたいと思っています。
○人口規模について
今回も私の地元である浜松を起点に見ていきますが、まずは人口規模的に近い地域を抽出しようと思います。
ここでいつもであれば当然RESASを使うのですが、今回は「e-Stat」という政府統計のポータルサイトで見ていきたいと思います。
抽出方法は、上記①~⑧の順番に操作していただければ出来ると思います。
今回は、「総人口」「総人口(男)」「総人口(女)」「生産年齢人口(15~64歳)」「生産年齢人口(男)(15~64歳)」「生産年齢人口(女)(15~64歳)」「外国人人口」で抽出しました。
結果は以下の通りです。
連携先の抽出として、まずは浜松市人口と乖離が少ない政令指定都市総人口の12番目~19番目を抽出します(静岡市は同県のため適用外)。
○産業構造について
次にRESASにて浜松市の「2016年 企業数(企業単位)大分類」にて抽出します。
企業数上位2つの産業である「卸売業、小売業」「製造業」について、先ほど抽出した7地域と「企業数」「付加価値額」「労働生産性」の観点から比較します。
結果は以下の通りです。
上記比較にて、各項目で浜松市を除いて全国順位上位3地域を抽出します。
6項目・・・「福岡県北九州市」
3項目・・・「千葉県千葉市」「大阪市堺市」「新潟県新潟市」
1項目・・・「熊本県熊本市」「神奈川県相模原市」「岡山県岡山市」
3項目のうち「千葉県千葉市」は、製造業の企業数が他地域に比べて大幅に少ないため除外します。
因って、「福岡県北九州市」「大阪府堺市」「新潟県新潟市」にて中核都市連携を検討します。
なお、抽出した地域(浜松市含む)の「製造業」「卸売業、小売業」共通して言えることは、「企業数」「付加価値額」に関しては、全国でもトップクラスとなっているが、「労働生産性」に関しては非常に低調となっており、生産性の改善が求められている地域と言える。
また、下記<参考>の【2016年 売上高(企業単位)大分類】でも確認できますが、抽出した地域(浜松市含む)は、「製造業」「卸売業、小売業」で、「新潟県新潟市」を除く3地域で60%以上のシェアを占めており(新潟県新潟市も59.1%)、産業構造的にも比較的類似した地域と言える。
<参考>
【2016年 売上高(企業単位)大分類】
【2016年 売上高(企業単位)中分類】
○まとめ
今回は、政令指定都市や人口規模、産業特性(企業数、労働生産性、付加価値額)で類似自治体を抽出してきましたが、これはテーマによって違うと思いますし、何に軸足を置くかでも大きく変わってくると思います。
色々と試しながらご自身でも分析してみてください。
なお、以前ご紹介した【Vol.10 RESAS「データ分析支援」機能】においてもRESASに搭載されている機能として類似自治体抽出(年齢階層別人口割合が類似した自治体、全産業の従業者割合(事業所単位)が類似した自治体)についても触れておりますので、ぜひご覧ください。