Vol.26 浜松市の宿泊者の属性について
今回は、浜松市の宿泊者数について、どのような属性の方々が多くなっているのかRESASとV-RESASから2つのグラフから見ていきたいと思います。
<延べ宿泊者数(総数)の推移>
まずはRESASのデータから。
こちらのグラフでは、宿泊者を「家族」「夫婦、カップル」「女性グループ」「男性グループ」「男女グループ」「一人」という属性で分け、時系列で比較したものとなります。
2019年から2020年にかけては、皆さんもご存じの通り新型コロナウイルス発生により、浜松市全体としての宿泊者数が減少していることが棒グラフから見て取れます。
では、その減少後について、先ほど挙げた属性において、どのような変化があったのかを見ていきたいと思います。
属性の構成割合についてグラフ上に記載しましたが、「夫婦、カップル」の割合は、2019年には23.5%だったものが、2020年では31.1%と7.6%と大幅に増加しています。
そして、その傾向は2021年も続いており、31.9%まで増加しています。
また、「一人」の割合は、2019年に11.2%だったものが、2020年には14.0%と2.8%の増加となっています。
ただ、2021年には、12.6%と若干の減少をしております。
それ以外の属性については、全て減少していますが、2020年から2021年にかけては、減少幅化拡大している属性と、徐々に新型コロナウイルス発生前の割合に戻りつつある属性とに分かれており、元に戻るものと戻らないものの2極化していることもありますので、今後も、この動きは注視が必要ですね。
また、「男性グループ」に関しては2013年には8.9%であったものが、年々減少しており、2021年には6.1%と3%程度落ち込んでおります。
このようなことから、男性目線でのPR手法ではなく、女性目線でのPRが必要なのかもしれませんね。
もしくは逆の発想で、男性が興味を持ちそうなコンテンツを探し出したり、新たに生み出すことによって、男性宿泊者の需要を喚起させることでも良いのかもしれませんね。
<静岡県の宿泊者数(V-RESAS)>
では次にV-RESASで直近の動向を見てみたいと思います。
このグラフで分かることは、新型コロナウイルスの影響により2020年2月以降大幅に減少していたが、2020年9月ころから2020年11月にかけてGo toトラベルの実施を受け全ての属性においてプラスに推移。その後、新型コロナウイルス感染者の増加に伴い再び大きなマイナスに落ち込みましたが、直近では若干の回復の兆しが見られます。
2022年8月の直近のデータでは、「子供連れ」以外の属性においては、全ての項目で2019年同月比でプラスに推移しており、旅行需要の回復が見て取れます。
特に時系列で見てみると、静岡県西部地域においては「女性グループ」の需要回復が、その他属性よりも高い傾向があるように見受けられます。
<まとめ>
このようにRESASを使うことによる中長期的な傾向と、V-RESASを使うことによる短期的な傾向を分析することで、地域全体としての宿泊者の傾向を捉えることができます。
現在も、全国旅行支援など、国による観光需要喚起により旅行者が増えているという報道がテレビや新聞等でも取り上げられています。
ただ、これも地域特性や自治体の方針等で、大きく変動したり、今回見てきたような属性による違いも出てくるでしょうから、今後もこのようなデータを活用して傾向を捉えていく必要性はありそうですね。
これらを把握することで、誰に対してプロモーションをするのか、また、何を強化したり、補完することで、宿泊者数の底上げをしていくのかを検討する材料になりそうですね。