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教員採用試験は崩壊の一途を辿っている話

教員採用試験は崩壊の一途を辿っている。

みなさんは、このニュースを読んだことがあるだろうか。

東京都の教員採用試験、小学校の倍率は1.2倍である。
120人が受けたら100人ぐらいは受かる計算。
つまり、ほぼ確実に合格する時代になっているのだ。

しかし、私はこんなヌルゲーな試験に3回も落ちた。
20人落ちる枠に3回もハマってしまったのだ。

「それはお前の勉強不足だろ」と言われたらそこまでなのだが、
それを言われるためにnoteを書いているわけではない。

現在の教員採用試験は、現代のシステムに何もマッチしていないのだ。
なぜ、そう思うのかを解説していく。

①何も活かされない筆記試験

教員採用試験の一次試験は、ほぼ大半の人が筆記試験を受ける。

この筆記試験には3種類あって
・一般教養
・教職教養
・専攻科目の問題
がある。

一般教養は、学校で出るような問題。
国語とか数学とか英語とか。
中学生レベルの問題が教科別に数問ずつ出題される。

これはほぼ足切りのようなもの。
「中学生レベルの問題も解けないやつが教師になるなよ」と
文科省から言われているようなもの。
教師になりたい人が中学生レベルの問題も解けないことはないだろう。
自分を除いて

教職教養と専攻科目は、教師ならではの知識問題。
学習指導要領(教える用の教科書みたいなやつ)や文科省の通達文から問題が出される。
昔の心理学者に関する問題も出される。

専攻科目は、小学校なら小学生の指導に向けた問題。
みたいに受ける内容の専門性を問われたものばかりだ。

これ、役に立つ、、、ちゃ役に立つかもしれないけど、
「勉強しておいてよかった〜」と思った場面は片手で数えれるぐらい。

有名な心理学で「パブロフの犬の実験」がある。
簡単に言うと
・犬にベルを鳴らしてからエサをあげる。
・犬はベル=エサだと思うから、ベルが鳴っただけで唾液ダラダラする。
という実験である。

じゃあ、これを覚えたぞ!
子どもにベルを鳴らしたら給食を食べさせよう。
ベルだけ鳴らしたら、給食だと勘違いするだろう!!!

、、、いや、、、そんな風に使わんやん。
じゃあ、何に活かすの?という話である。

もしかしたらベテランは活かしているかもしれないが、
右も左も分からない若者に覚えさせて、活かせるわけなかろう。

何が問題って、筆記試験は「ただ覚えれば受かる」ことだ。
記憶力がいい=教師に向いてる というわけではない。
つまり、教師に向かないやつも全然合格するのだ。

自動車免許の試験だってそうだろう。
最後の免許センターでの問題も、覚えれれば受かる。
でも、記憶力がいい=運転に向いてる わけではない。

②遅すぎる試験日程

試験日程も問題だ。
だって、あまりにも遅すぎるもの。

採用試験の申し込みが5~6月。
①でも述べた一次試験が大体、6~7月。
二次試験は8月。

そして、合否発表は、なんと10月だ。

、、、いや遅すぎやろ!!!と思うのは私だけだろうか。

大学生の就活解禁は3月だし、
早いやつはインターンとかで、もっと早く決まっている。

せっかく、ええやん、教師やってみよと思ったやつも、
「合否発表は10月か。やめとこ。」
「申し込んだけど、企業から採用されたわ。キャンセルしよ。」
みたいなやつばっかだと思う。

仮に教師で粘って、10月の合否で落ちたら、
まともな企業なんて残ってない。
「人気なしブラック企業行き」or「臨時採用で教師をやる」or「就活浪人」
という究極の3択を迫られる。

質の良い人を採用したいなら、もう少しスピード感をあげた方がいい。

③受かっても落ちても教師ができるバグ

これが一番言いたいのだが、
受かっても落ちても教師は、結局、できるのだ。

なぜ落ちても教師ができるのか?
それは「臨時的任用職員」としてほぼ100%雇ってくれるからだ。

採用試験に合格した人を配置しても、実際は人が足りない。

4月ぐらいになるとニュースで話題になるのだが、
近年は、人手不足過ぎて、担任が決まらないのもザラだ。
つまり、合格者を全員雇ってところで、人が足りないことは変わらないのだ。

そうすると、穴埋め要因として「臨時的任用職員」を配置する。
派遣と一緒だ。登録しておいて、足りない学校に1年間限定で行くみたいな感じ。

登録する際、「呼ばれないこともあるよ」とは書いてあるが、
私は呼ばれなかったことは一度もない。
というか、呼ばれ過ぎて、こっちから断ってるぐらいだ。

数年前にとある県で臨時的任用職員の登録をした。
すると、翌日から大量の自治体から電話がかかってきた。
最終的には、20件ぐらい電話がかかってきた。

だから、絶対教師はできる。
採用試験に落ちてショックな君たち、ぜんっぜん平気だから。

しかも、
・合格者と立場は同じ
・つまり、給料も同じ
・仕事内容、量も同じ
・保護者には合否は知らされない。「新しくやってきた教師」として扱われる。
なわけだ。

だから、採用試験に関係なく教師はできるってわけ。

そりゃ、教え子に手を出す変態教師も現れるよね。
(だって、あれほとんど示談か執行猶予だから、経歴傷つかないんだよね。
この話は、またどこかで話します。)

【結論】教師の採用システムは崩壊中

ひと昔は、採用試験の倍率は20.30倍が当たり前だったそう。
だから、採用試験のシステム以前に、良い奴だけ雇えた。

でも、いろいろあって教師が足りなくなったら、自治体は
「教師が足りない、、、せや!この臨時的に任用職員でたくさん雇おう!
数さえ埋めれば、俺の仕事は問題ない!ルールに則ってるわけだから!」

という甘い考えで、水増しした結果、
質の悪い教員ばっか増えて、かえって面倒になってしまったということ。

でも、個人的には助かってる。
だって、たまたまやろうと思った教師が、いとも簡単になれるのだから。
教師ができるかどうかの不安がなくなるのは、かなりデカかった。
辞めても、またどこかで教師できるしね。

正直、採用試験の勉強はマジで全然やってなかった。
だって、勉強しなくても教師できるんだもの。

こうした自治体も問題だけど、
この問題を自治体に押し付けた文科省も結構問題だと思うよ。

そろそろ文科省が舵きって、採用試験は変えてかないと、
マジで学校は崩壊すると思うよ。

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