キャリコン・コーチ・システムコーチ、何を学び、どう活用する?~研修会社代表の私の場合~③
それでは最終回はキャリアコンサルタントについてです!
とはいうものの、、、実はこのキャリコンの記事を書くのが一番自分にとっては重たく、筆が進みませんでした。なぜなら私はキャリコンに対して、ポジティブに感じている面もあるけれどもネガティブに感じている面もあるから。そんな私の偏見も含めてご覧ください。
キャリアコンサルティング:ぐるぐるに回転し続けるコンパスの針。これって本当に意味あるの!!??
私がキャリコンと出会ったのは30代後半の時でした。30歳で子供を産み、産休育休・転職・不妊治療・退職など目まぐるしく変化していく自分の人生に、自分自身が対応しきれないとうすうす感じていた時に出会った本がこちら。
キャリア理論の大家、ウィリアム・ブリッジズが書いた「トランジション」です。
また当時、女性のキャリア&健康支援をしていくにはキャリアについてもっと体系的に学ばなければならないと感じており、キャリアコンサルティングの資格を取る事に決めました。
キャリコン・コーチ・システムコーチ、何を学び、どう活用する?~研修会社代表の私の場合~①でも書いた通り、キャリコンはあり方・理論・フレームワーク・心理学・カウンセリング実技の総合学習で全てを学ぶことが出来ます。人材開発や対人支援領域で何から手を付けていいか分からない人には最適です。
現在の弊社の研修・1on1・キャリアコンサルティングは全てこれらのキャリア理論がベースになっており、キャリコンの理論無くして弊社の事業は成り立ちません。
また、学べば学ぶほど、自分自身の人生のステージが進むほど、キャリコンで習った学びの解像度が上がっていき、とても奥が深い学びであると感じています。
弊社の事業にも、私自身の人生にもなくてはならないと感じているキャリコンですが、一方でデメリットもあります。
例えば、周囲のキャリアコンサルンタントを観測していると、下記のような方にお会いする率が他の学びと比較して高いように感じます。
国家資格をとったのに(国家資格だから取ったのに)、仕事に直結しない。稼げない。
とりあえず取得して、継続学習もコツコツやって、必要に応じてキャリアカウンセリングも行っているけれども、どうも学びを生かし切れている気がしない。
なぜか。
これには二つの理由があると考えています。
理由①:安く・短時間で資格取得が可能。でも国家資格
私の通学していたGCDFは、約40万で受講が可能。また、キャリコンは教育訓練給付金制度の対象にもなっており、受講料の最大70%が免除される仕組みですので、その場合には12万程度で資格取得できる人もいます。(詳しくはご自身でお調べください。)
時間は96時間程度のスクーリング(ホームワーク・資格取得に関する自学習時間を除く)です。
一方で、例えばCTIのコーチングの場合。資格取得の権利を得るためのコースを修了するだけで150万ほどかかります。教育訓練給付金制度はありません。コースのスクーリング時間は初級コース+コアコースだけで116時間、更に上級コースの受講が必要です。(上級コースについては残念ながら何時間必要なのかHP上で確認することが出来ませんでした。)
理由②:誰が・何をキャリコンに要望するのか。要望をする文化がない
キャリアコンサルタントとして登録をしていると、様々なキャリコン案件がメルマガで送られてきます。よくあるのは下記のような内容。
【資格】キャリアコンサルタント
【報酬】〇〇円(激安)
【求める人物像】対人コミュニケーションが得意な人
また、弊社も社員向けキャリアコンサルティング業務をお客様からご依頼いただく事があるのですが、「平さん!ダイバーシティに精通しているキャリアコンサルタントをお願いしますね」と言われることはあまり多くありません。(信頼頂いているという事もあると思います。勿論。そして、女性管理職経験があるキャリアコンサルタント=女性活躍に精通しているキャリアコンサルタント、ではありません。念のため。この点は別途記事にしたいと思います。)
更に、企業内でキャリアカウンセリング室等を立ち上げるときに、キャリアコンサルタント資格を取った方が(時に精通していなくても)アサインされるケースが多いように感じます。
つまり、キャリアコンサルティングを行う目的・課題・必要な知見と、それに見合ったアサインをする文化が醸成されていない、そんな風に感じています。
クライアントから要望されない=キャリアコンサルタントとしてどのように成長曲線を描いていいか分からない。そんな難しさがキャリアコンサルタント資格取得後にはあるのではないでしょうか。
ぐるぐるに回るコンパスの針を止める意志を持てば、キャリコンは強い武器になる
では、キャリコンは資格取得しない方がいいのか?そんなことはありません。
冒頭でお伝えした通り、理論・技能・情報のすべての観点から幅広く学びを得られるのは、このキャリコンだけです。
キャリコンの学びをする中で必要なことは、皆さん自身が「何のためにキャリアについて学ぶのか。自分はこの学びをどのフィールドで生かしていきたいのか」それを学びと同時進行でシャープに突き詰めていくことだと思います。
そこにシンプルに向き合えば、ぐるぐるに回るコンパスの動きを止め、学びの為の最強の羅針盤になってくれるでしょう。
企業内人事の方、自分のキャリアに悩む方、部下を理解したい管理職の方、対人支援をしたい方、人材開発・組織開発をしたい方、全ての方に全力でおすすめしたい資格です。
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