低速運転のエスカレーター、逆に危ない?
ショッピングモールなどのエスカレーターで、ちょっと気になりました。
「うーん、遅いっ!」
最近では「低速運転」を行うエスカレータを見かけます。
エスカレーターが遅いと時間がかかってしまいますね。
しかも、思っていた速度と違うので、乗る時に前のめりになっちゃうこともあります。下りだとちょっと怖いですね。
「ゆっくり」の方が安全・・・という発想で設定を変更しているかとは思うのですが、実はちょっと問題があります。
エスカレーターの標準的な速度は「分速30m」
エスカレーターの標準的な速度は「分速30m」と定められています。
これまで、メーカーが研究開発を重ねて、安全かつストレスなく利用できる速度として導き出した結果が、「分速30m」という速度なのです。
つまり、いつもの普通のエスカレーターの速度は、いろいろと試行錯誤した結果、行きついた速度だったのです。
人間は体で覚えている
子どもの頃、エスカレーターに初めて乗ったとき、乗るタイミングが合わなくて、何度か乗ってようやく慣れてきた方もおられるのではないでしょうか。
人間は「動き」を体で学習をしています。エスカレーターの標準的な速度も体が覚えています。
子どもの頃に体が覚えた「エスカレーター」のタイミングも同じです。
エスカレーターに乗るときは、これまで体で覚えた経験から、無意識のうちにタイミングやバランスをとっているのです。
子供の頃に体が覚えた感覚は、大人になっても変わらないのです。
逆に、大人になってから、新たに感覚を覚えるのは難しという側面もあります。
安直に「遅くする」ことは、かえって危険
体がエスカレーターの速度を無意識に覚えているため、速度が遅く設定されている場合、エスカレーターに乗った際にバランスを崩すなど、逆に危険なこともあります。
エスカレーターの速度は、いたずらに「遅く」するのではなく、基本、同じ速度で統一しておく方が安全と言えます。
例えば、メンテナンス期間を延ばす、ゆっくりにしたら売上が伸びる・・・など、別の理由があるなら仕方ないこともあるかもしれませんが、ただ単純に「遅いほうが安全」との考えで設定されているならば、逆に「危険な事をしている」と認識した方が良いかと思います。
高速運転のエスカレーターでは「なぜかみんな立ち止まる」
この記事のテーマからは、蛇足になりますが、混雑時に「高速運転」をするエスカレーターが都心にはあります。
いつもよりも速いのでちょっと緊張して乗られた方もおられると思います。
最近ではエスカレータを歩くことが問題と言われています。しかし「高速運転」のエスカレーターでは、あまり歩く人を見かけません。
ひょっとすると、エスカレーターを速くすると、みんな立ち止まるかもしれませんね?!
この記事は、これでおしまいです。
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