初100マイル挑戦にむけて: 第10回 仙元山100
まずは前提から。
仙元山100とは
神奈川県三浦半島西部に位置する葉山町の仙元山を起点とした32キロのコースを5周するトレイルランニングのセルフチャレンジ企画。仙元山の有志により企画・運営され2024年の秋開催で10回目を迎える。(※春の100km、秋の100mileと2種類のチャレンジがあり、通算で10回目の開催)
主催:仙元山 100 実行委員会
協力:仙元山トレイルクラブ
開催場所:神奈川県三浦郡葉山町、逗子市、横須賀市
開催日:2024年11月16日(土)~17日(日)
距離:約160km(32km×5周, 獲得標高約6,500m)
制限時間:36時間
11月16日(土) 5:00 スタート(森戸海岸みそぎ橋)
11月17日(日) 17:00 ゴール制限時間(5周目のスタート時点で11:00 足切り)
エイドステーションがある森戸海岸を起点に、高山ではないが急坂、木の階段、気持ちの良いトレイル、鎖場、林道、海岸線のロードなどバラエティに富んだ1周32kmとなっている。ルートはだいたいこんな感じ。
5周の内、3周目だけ反時計回りで逆回りとなる。
ペーサー
3周目以降はペーサーをつけることが可能。下記のメンバーにお願いさせてもらった。ほぼアメリカ勢といっても過言ではないだろう(?)
3周目ペーサー JJさん
4周目ペーサー ジローさん
5周目ペーサー おマミさん
ランナー
Kentaro (筆者)
目標
制限時間内に完走すること。その途中で絶望し、乗り越えること。
以上がざっくりとした前提である。それでは予想にはいる。
スタート〜1周目(予想)5:00-11:00
土曜の早朝4時過ぎ、前泊した森戸海岸のホテルを出発。森戸海岸みそぎ橋ちかくのエイドに荷物をデポしつつ挨拶。ブリーフィングを聞いているとようやく100マイルに挑戦する感覚がリアルになってくる。あさ5時。まだ太陽が昇っていない薄暗がりの森戸海岸をスタート。海岸線のロード以外はポールを使用し、平地は小走り、登りは歩き、下りは脚へのダメージを抑えるように心がけて行動。ラスト1周でも可能なレベルの負荷で1時間ごとに補給をとりネチネチと進む。陽がのぼるとあたたかく、汗をかきすぎないように注意しながら進む。森戸海岸に戻るのは昼の11時。行動時間は6時間。
エイド〜2周目(予想)11:00-17:30
おマミさんの顔をみてホッとする。椅子に座りホットコーヒーを飲みながら軽く昼食をとる。顔と身体をおしぼりで拭いてリフレッシュしてから下半身に各種ローションを塗り直す。補給を入れ替え、15分ほどの滞在11時半前に2周目スタート。戻りは夕方になるのでヘッドライトと冷え対策の上着を装備する。本日2回目の仙元山をのぼる途中、フィニッシュまでは果てしなく長いことを実感する。どうしても最後をイメージすると遠く感じてしまうので、いま進めている1周32kmにフォーカスする。基本は1周目と変わらずネチネチと進む。海岸線のロードで夕陽をながめながら森戸海岸に戻るのは夕方17時30分。行動時間は6時間ちょい。
エイド〜3周目(予想)17:30-24:00
ペーサー JJさん
エイドにはおマミさんに加えてJJさんがいる。椅子に座り軽く夕食をとり、おしぼりのリフレッシュと各種ローションの塗り直し。気温が下がってもストレスを感じないウェアを装備する。補給を入れ替え、夜間パートに備えヘッドライトと予備バッテリーを確認。頭からつま先までストレスに感じる部分があれば可能な限り対策をする。20分ほどの滞在で18時に3周目スタート。戻ってきたばかりの海岸線のロードをJJさんと進むが、アスファルトを踏み込むたびに脚の疲労を感じる。夜のトレイル逆ルートは昼とはまったく別物のよう。ルートを間違わないように分岐は慎重に進める。ウェスタンステイツから走るモチベーションが枯渇しているJJさんに引いてもらいながら森戸海岸へ戻る。行動時間は6時間ちょい。まじで疲れていてあと2周とかヤバすぎる。
エイド〜4周目(予想)24:00-7:00
ペーサー ジローさん
JJさんとエイドに戻るとビールで仕上がったジローさんがいる。椅子に座りホットコーヒーと軽く夜食をとり、おしぼりのリフレッシュと各種ローションの塗り直し。まじで行きたくないが行くしかない。ヘッドライトのバッテリーを入れ替え装備を整える。お守りとしてカフェインピルの収納場所を再確認し24時30分スタート。想像以上のツラさに絶望しながらも、仕上がったジローさんに引いてもらいながらトレイルで日の出を感じる。朝日を浴びたら目が覚めるかと思いきや、夜を超えた安堵感から強烈な睡魔がやってくる。カフェインピルの半錠を胃に流し込むと30分ほどで目が覚め、ジローさんの酔いも覚めた頃、朝の森戸海岸に到着。あさ7時。行動時間は6時間30分。ジローさんがビールを開けた。
エイド〜5周目(予想)7:00-14:30
ペーサー おマミさん
エイドに戻ると最終ペーサーのおマミさんがいる。椅子に座りホットコーヒーと軽く朝食をとり、おしぼりのリフレッシュと各種ローションの塗り直し。気温が高くなりそうなので着替えて最終ラウンドに備える。感じたことのない全身の疲労を無視しながら、ラムネを噛み砕いて鈍くなった脳みそを動かす。ラスト1周はウィニングランと言うものの実際は最高にツラそう。7時30分、いよいよ最後の1周をスタートさせる。頭も身体も鈍くなっているので「動いていれば終わる」という原始人レベルのことしか考えられない。おマミさんのあとをひたすら追いかけ仙元山、畠山、大楠山を越え最後の海岸線に出る。終わった、と思いたいが地味に長いロードと大峰山に悶絶しながらゴールの森戸海岸みそぎ橋に帰還。昼下がりの14時30分。行動時間は7時間。合計33時間30分で初100マイルをフィニッシュ。100miles 1time、Kentaro's セオリーは「絶望もまた一興」。
お暇なかたは森戸海岸へ
間違いなく過去イチでツラそうなKentaroを目撃するチャンス!!というのは冗談でビーチには誰かしらいると思いますし、なにより仙元山トレイルクラブの方々ふくめたローカルの面々による、大変雰囲気のよいセルフチャレンジ企画なので遊びに来たらいいと思います。天気も良さそうですし🤞(了)