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harunatelier
ほにゃふにゃ新生児(0〜1ヶ月)
君が地球に誕生して一ヶ月
この一ヶ月よく口にしていたことは
「妊婦期の体調不良に比べたら今はなんだってできるよ」
何度でも言うよ、言わせておくれ
「真夏の妊婦期に比べたらなんだってできるよ」
うそ。
本当はまだ腹筋は痛いしお腹の傷も
「傷ここにありぃぃぃ!」という主張をしてくるし
身体は重いし
腰は痛いし
恥骨のあたりがズンと痛むし
まだまだ悪露は出まくるし
歩きカッコは変だよ
すりあしでさすさす歩いているし
おっぱい(液)は滴れてくるから胸元はびちゃびちゃだし
乳首は吸われてかさぶたみたいなのが
剥げるのか剥げないのかピロピロしているし
ボロボロなわたしが鏡に映っているんだけど
片手でひょいっと抱けてしまう君を
泣けば抱き上げ
家中どこにでも連れて行って
腕の中で眠ってくれるなら幸せで
「起きないように」というのが
こちら都合ではなく
「かわいい寝顔を守るため」みたいな
溢れる母性本能からくる愛おしさゆえのもので
わたしはどんな姿勢でも構わないから
そのあたたかい寝息をそばに感じて
一緒に眠れるだけで幸せ
と言いながらもソファーにうまいこと横になろうと
君を置いたことを悟られぬように
じりじりと動いて
腰やらおしりにビリッと痛みがくるけれど
狭いソファーに母子共におさまって
そよそよ秋風
テレビは消して
お昼寝できたら
それはもう至福のひととき
おっぱいをたらりと口からこぼし
お着替えをするときに見える小さな肩に
お毛けふっさり
いつの間にかなくなっていくんだね
わたしはそれに気づけるかな
ぐらぐらの首を小さいからだにぐっと沈ませて
まるい背中
とんとん、さすさす
ぐぷっ
げふっ
やっとできたね
地球に誕生して一ヶ月の君
まもられながら
愛されながら
いる。ただそこにいる
ただそこにいるだけでいい
生まれてきてくれてありがとう