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リーダーシップに悩む全ての人へ

どうも、メタメンターの小泉れおなです。
「コーチングをもっと身近に、もっとデジタルに、もっとサイエンスに」するため日々精進しています。

今日はどんな企業も求めている、そして定義を問われると明確には答えにくい「リーダーシップ」についてです。
私の前職での悩みや今のコーチとしての活動をしていく中で見えてきたものを少し共有させていただきます。


リーダーシップの適性

前職のGMOで役員をさせていただいていた時の悩みとして、自分が若いリーダーだったからこそ「自分はリーダーとして適性か?」って悩みがありました。

悩むフェーズとしては抜擢人事をいただいた後に俺が偉いんだという勘違い時期を経て、メンバーとのコミュニケーションに壁を感じ始めた時かもしれません。

その時は闇雲に目の前の仕事を捌いていましたけど、
何か自分の在り方をメジャメントするものがあれば、どこを伸ばしていけば良いのかが明確にできて少しは楽になったのかなぁ
と思ってました。
辛いのは正解が分からないけど「とにかく頑張れ」みたいな状態なので。

仕事をしていて初期に出会う課題は技術的課題なので、知識やルールを把握できれば解決できるのですが、段々と遭遇する問題が複雑になってくると
適応課題といって、技術的な対応だけではなく関わる人の思いや関係性なども絡んでくる課題になるのでやっかいです。(脱線しますが、これは部下のマネジメントにおいても重要な考え方なので、気になる方は参考文献ご覧ください)
この適応課題に取り組むには、自分のリーダーシップとしての在り方が大きく関わってきます。

筆者作成

参考文献:「最難関のリーダーシップ」「他者と働く」

そんな、適応課題に立ち向かう際の自分自身のリーダーシップの適性を把握できたら良いなという僕の悩みを解決できるのか?という話かと思います。

結論、「リーダーシップ・サークル・プロファイル」というアセスメントを活用すれば可能だと感じました。

リーダーシップ・サークル・プロファイルとは?

リーダーシップ・サークル・プロファイルの実績

リーダーシップについて70年以上もの間膨大な研究が行われてきましたが、その研究成果によると、何が有効なリーダーシップで何が間違いを生むリーダーシップかがかなり明らかになってきています。実際に全世界で20万人のリーダーが受けており、MckinseyやForbesがリーダーシップ・サークル・プロファイルを世界最高の360 度サーベイと称賛したとされています。

リーダーシップ・サークル・プロファイルの背景となる理論

クリエイティブ、リアクティブの指向はロバート・フリッツ、ピーター・M・センゲ、成人発達理論等の成長のステージの枠組みはローレンス・コールバーグ、ロバート・キーガン、ケン・ウィルバー。
他にも性格構造はカレン・ホーやエニアグラム、カール・ユング、リーダーシップはジャック・ゼンガー、ピーター・ドラッガー等のようにリーダーシップ・サークル・プロファイルの背景には様々な心理学者や経営学者の理論がある。ごにょごにょ。

リーダーシップ・サークル・プロファイルの概要

では、どんな360度サーベイなのかというと、上半分がクリエイティブ(創造的)コンピテンシーと呼ばれ、18個の要素から成り立っており、更に5つの要素に統合ができます。一方で下半分がリアクティブ(反応的)コンピテンシーと呼ばれ、11個の要素から成り立っており、3つの要素に統合ができます。

このような要素を自分で評価するのに加えて他者からどのように見えているかという視点を加えることで、自分の抜け落ちていた視点に気づくことができます。

出典:リーダーシップサークルプロファイル 解説マニュアル

アセスメント実施後の最終的なアウトプットとしては下図のようになり、今回は今年5月に受けた僕のものを公開してみます。まずはイメージを掴むということで詳細は省きますが、例えば僕は下半分のリアクティブコンピテンシーの操作(完璧主義、過度な意欲、野心、独裁の統合)が自分の中では高いというように考えていたのですが、周りから(前職の後輩や先輩、関係者に協力してもらいました)はそんなに高くない評価となっております。
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濃い緑線:自己評価
緑色:他者フィードバック
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他者評価より自己評価を低くつけているから謙虚そうに見えるから良いか?って話なんですけど、そうとも限らなくて。基本的には自己評価と他者評価が一致している方が良いとされているので課題として認識されます。
(参考文献:「リーダーに不可欠な「自己認識力」を高める3つの視点」
更にいうと、周りが低いと思っているものを高いというという特性にも目を向けてみると、そこにはどんな「思い」「考え方」「ストーリー」「価値観」が隠れているかというのも見えてきたりします。

小泉 領雄南のリーダーシップ・サークル

ここの分析を語り出したら、noteが完結しないので、先に進みますが、僕の場合は、上半分のクリエイティブコンピテンシーが自己評価も他者評価も高い水準であるため「高創造的リーダー」の分類に入るかと思います。
一方で下半分が強く出ているリーダーもいると思いますので、そのリーダーは「高反応的リーダー」と言えます。
この2つにこれから言及していきますが、どちらが良いとか悪いとかいう議論をしているわけではないので、予めご承知ください。

高反応的リーダーと高創造的リーダーの違い

高い反応的(リアクティブ)コンピテンシーを持っている高反応的リーダーはどのような特徴を持っているのでしょうか?
このアセスメントはフリーコメントを記述する欄がありますので、何十万人ものデータから分析することができた高反応的リーダーの強みとして挙げられた要素を上位10項目で並べると以下になります。

1.情熱と意欲:熱意があり、やる気に満ち、組織と自分の成功に強くコミットしている
2.ビジョナリー:全員の方向性を揃えるような説得力ある将来ビジョンを伝える。
3.ネットワークうまく築く:他のビジネス上のリーダーたちとパートナーシップを築く。
4.専門領域内の技術的知識がある:特に組織の文化と市場に関することについて、優れた知識、技術スキル、経験がある。
5.結果中心主義:何を達成すべきか、どうやって結果を出すかを知っている。
6.知性的で頭がいい:明晰な頭脳を持ち、考えが鋭い。
7.人間関係のスキルが高い:人間関係の能力が高い。思いやりがあり、愛嬌があり、心が広く、尊敬の気持ちを持っている。
8.創造的・革新的である:常識にとらわれない思考ができ、変化を推進する。
9.人柄が良い・近づきやすい:フレンドリーで感じがよく、ユーモアのセンスがある。
10.肯定的な態度:楽天的で、やればできるというような前向きで明るい態度。

成長する組織とリーダーの作り方-データで解明された持続的成果を生み出す法則-

少し意外ではないですか?
情熱や意欲やビジョナリーというのがトップに来ています。でも、このリーダーというのは定量的評価でリアクティブコンピテンシーの方が強くでているのです。ダミーのデータですが、以下のようなサークルをイメージいただくと良いと思います。

では、高い創造的コンピテンシーを持っている高創造的リーダーはどのような特徴でしょうか?同じデータから高創造的リーダーの特徴を抽出してみると以下のような結果になります。

1.人間関係のスキルが高い:人間関係の能力が高い。思いやりがあり、愛嬌があり、心が広く、尊敬の気持ちを持っている。
2.ビジョナリー:全員の方向性を揃えるような説得力ある将来ビジョンを伝える。
3.チームを築く:メンバーを団結させ、絆を持たせ、チームとしての努力を支援する。
4.人柄が良い・近づきやすい:フレンドリーで感じがよく、ユーモアのセンスがある。
5.自ら例となりリードする:よいロールモデルである。有言実行。
6.情熱と意欲:熱意があり、やる気に満ち、組織と自分の成功に強くコミットしている
7.良い聴き手:人々が考えを述べている時、意識を十分に向け身を入れて聞く。
8.人々を育成する:経験を共有し、成長・開発できるようメンタリング・コーチング・キャリア計画・成長のための体験を提供する。
9.人々に力を与える:リーダーシップを共有し、人々が主体性をもち、自ら解決策を見つけ、意思決定し、失敗から学ぶよう促し勇気づける。
10.肯定的な態度:楽天的で、やればできるというような前向きで明るい態度。

成長する組織とリーダーの作り方-データで解明された持続的成果を生み出す法則-

こうやってみると高創造的リーダーと高反応的リーダーではかなり様相が異なっているようです。以下に高創造的リーダーの上位10項目を中心に、高反応的リーダーには見当たらなかった(ランク外)、ないしはランクが低い項目をオレンジにしております。一方で高創造的リーダーの方が低いランクのものを青色にしました。

どうでしょうか?なんとなく傾向が見えてきたのではないでしょうか?
私からは、高創造的リーダーは人間関係やチームに強みが出ているように感じますが、皆さんはどのように感じましたか?

成長する組織とリーダーの作り方-データで解明された持続的成果を生み出す法則-を元に筆者作成

ここからは推測ですが、リーダーになるためには、まずは個人でパフォーマンスを上げないといけません。そのために必要なスキルや要素はまさに高反応的リーダーで挙げられる項目ではないかと思っています。
一方で、複数人を率いるリーダーとなった時にはその強みをそのまま持ち込むと思い描いたパフォーマンスが発揮できないのではないかなと。

つまり、リーダーになった際には、今までの自分をアンラーンして、新たなリーダーとして変容を遂げていく必要があるということでもあります。

どのようにアンラーンし、変容していくか?

まず、改めて伝えたいのは、このように現状を可視化できるというのは、かなり大きな価値だと思っています。
なぜなら、今まで(僕とか)は闇雲にとにかく頑張る中で正解と思われる行動を探り当てていかないといけない、かなり難易度の高いゲームでした。

でも、例えば以下のようなデータが見えていたとしたら、どうでしょうか?

小泉 領雄南のリーダーシップ・サークル

全体に比べて自己認識も他者評価も低い「本質(一貫性・勇気ある本質)」から取り組むのもありでしょうし、全体的に自己認識が低い理由に目を向けてみるのもありかもしれません。
他の考え方として2つほど紹介しておくと、
 ・数値が実数ではなくパーセントになっているのは、実は全世界の
  リーダー20万人のうち僕と近しいデモグラフィーの人と比較している
  からです。そのため、アンケートで4点/5点をもらっていたとしても
  他のリーダーが4.5点/5点が平均だった場合は平均より低いと考える
  ことができるのです。(だから改善していこう!みたいな)
 ・クリエイティブ・コンピテンシーが高い状態というのはある種
チャレンジングな環境に身を置いていないという可能性もありえます。
  今チャレンジできていますか?というような関わり方から変容ポイント
  を探っていくのもありでしょう。

さて、話を戻して、本質(一貫性・勇気ある本質)が低い僕のプロファイルを深くみていくと、定性フィードバックの中でこんなコメントがありました。「やりっぱなしが見受けられて部下の不信を招く可能性がある。」
なるほど。耳がいたいですね。でも、一貫性が低いのってこの辺りかも?って当たりが付いたので、それに向けて取り組んでいくことができるようになると思います。

結果さえ分かれば後は自力で何とかできるぜ!というスーパーマンもいるとは思いますが、、実は最も重要なのは結果ではなく、結果に至るプロセスだと考えています。
なぜなら、一貫性が低いのを、「じゃあ一貫性を上げよう!」って高められるかというとそう上手くはいかないと思います。簡単に人は変わることができませんし、実は一貫性がないのは僕の本質であり価値観の表れだからです。

なので、僕はなぜ一貫性がないのか、一貫性を捨てているのか、一貫性を捨てていることで何を得ているのかというのを自己理解する必要があります。

この辺りの自己理解を深めるためには、自分との対話を繰り返していくのはもちろんですが、コーチとの対話で見つけていく方が圧倒的に早く、確実だと思っています。(ご興味ある方は是非。)

あとがき

さてさて、ここまでの長文をお読みいただきありがとうございました。

コーチングの効果を可視化したいなーという思いから、コーチングの前後で実施するアセスメントは何が良いかなと色々と探しました。
その過程で、このプロファイルを知り、実際に高い費用を払って学んで提供できるようになったのですが、リーダーシップに関する網羅性や正確性はピカイチのアセスメントだと思います。

手間が掛かるのですが、やった分の価値はあると思いますのでご興味ある方はご提供しますよ。お値段は載せれないのでお問い合わせくださいませ。

その前に、これについてもっと体系的に学びたいよって人は、まずは事前インプットとしてこちらを見てみるのもありだと思います。

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