【NYレポート】アメリカのバレンタインデー
皆さん、こんにちは! 在米25年目、ニューヨークはハーレム在住の指揮者、伊藤玲阿奈(れおな)です。
今年もやって来ました。日本では男性がドキドキする日、バレンタインデーです。
この日はもともと、カトリック教会で恋愛の守護聖人として信仰された聖ウァレンティヌス(3世紀の人:日本では卑弥呼が生きていた世紀)の命日とされ、教会では祝日として祝われてきました。バレンタイン(ヴァレンタイン Valentine)というのは、そのラテン語名の英語読みです。
恋愛の守護者ですから、西洋では古くから2月14日に愛情を確かめ合うような習慣ができていたそうです。特に英語圏であるイギリス・アメリカでは、この日にカードを送り合ったりする習慣が19世紀に盛んになりました。
日本では戦後に、2月になって売り上げが落ちる菓子業界の商戦略から、女性が男性にチョコレートをあげる習慣ができたとされます。一説には、チョコレートの年間売り上げの約2割がこの日に売れるとか。
一方のアメリカにおける一般的な習慣は、日本とは逆に、男性が女性に食事をおごったり、プレゼントやカードを贈るものとされます(最近は多様化していますが)。なので、バレンタインデーはどのレストランも予約でいっぱいになるのが普通です。
ただ、英語では日本語の「恋」「愛」はどちらも「ラヴ Love」です。日本語の「恋愛」のニュアンスにあたる恋人同士のLoveはもちろんのこと、家族間の「愛」だってLoveです。アメリカでは友達同士でも「I Love You」と叫ぶことが頻繁にあります。
すなわち、Loveの守護聖人の祝日ということは、家族や親友に対しても愛情を示す習慣もふくまれることになるのです。少なくともアメリカでは、家族と一緒に特別な食事をして、配偶者のみならず子供たちにもカードやプレゼントを渡すことがよく行われます。
したがって、アメリカでのバレンタインデーは日本とは段違いに大きなプライベートイベントとなりますから、その経済効果も半端ないです。統計では、2017年のバレンタイン商戦における経済効果は18.2ビリオンドル、つまりは何と約2兆円!(ABCニュース報道)
たしかに、カード・プレゼント・食事・・・と、すべて用意していたら結構な金額になるわけですけれど、私自身も今回調べてみて、あらためてビックリしました。それほどアメリカ人にとって身近な習慣だということですね。
(次の写真は、典型的なバレンタインディナーの広告。下に内容を訳してみました。アメリカはこんな感じです。)
さて、こちらNYでは、日本より半日遅れてバレンタインデーの朝を迎えました。マイナス6度ですが、超快晴、とても気持ちのいいお天気です。
今朝、私は薬を買いに行く用事があって、ハーレム近所のドラッグストアチェーン店・ライトエイドに足を運びました。薬や日用品、食品などを売っている、日本のコスモスみたいなお店です。
そこに行くとバレンタイン関連の商品棚コーナーが盛大に出来ていたので、最後のその写真を皆さんにご紹介しましょう。アメリカにおける習慣の一端、そして日本との違いを感じとって頂けると思います。
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まずはお菓子コーナー。長い陳列棚の一列がずーっとバレンタイン仕様のお菓子だらけ。
チョコレートだけではなく、いろいろな種類があります。この期間だけに販売される、ハートをイメージした色や形のパッケージが並んでいます。当日の朝ですから、もうかなり売り切れていますね。
もちろんチョコレートも人気です。「プレミアム・チョコレート」と書かれた棚なのに、チョコレートがほとんど無いというアメリカらしい大雑把さ(笑)やはり売り切れたのか?
案外と人気があるのが、ぬいぐるみ。ハートを抱いているのが典型的なバレンタイン仕様。恋人というより自分の子供にプレゼントするのに買う人も多いです。レジで私の前に並んでいた男性も、ぬいぐるみを二つ買っていました。おそらくお子さん用でしょう。
そして何といってもカードです。もともとはカードのやり取りがバレンタインデーの習慣だったので、プレゼントをあげるときも直筆のカードを付けることが多いです。
かわいいパグの超デカいカード、凄いですね! これに「スキです。付き合って下さい」って書いて贈られたら、どんな気持ちになるでしょうね(笑)
最後にまったく関係ありませんが、私の好きなクラシックの作曲家ロベルト・シューマン夫妻の素敵な写真で締めます。音楽史上でとても重要かつ愛に溢れた約200年前のカップルです。なんかほっこりしませんか?
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