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【指揮者メモ#381】音楽でも情報弱者になりうる

【第380回:情報更新の大切さ】

チェルニーとハノンの記事の最終回を書いているが、音楽だって情報が左右することを強調している。情報弱者という言葉が示すような事態が音楽でも起こるから、弾く以外の勉強はとても大切だ。

たとえば、音符は一緒でも指番号は教本でぜんぜん違う。重音になると指使いが致命的に重要で、その人の手の形や大きさ、そしてその時点での指の独立によって違ってくるが、たいてい一つの教本には一つの指使いしか書いていない。

3度重音スケールに関していえば、ハノンやチェルニーでも指番号は似ているが違う。ショパンの3度エチュードに挑戦するレベルになると、この指使いでは古すぎるかもしれず、コルトーやゴドフスキーは別のやり方を提案した。

ちなみに半音階スケールでさえ、黒鍵に第3指をおく標準タイプは同じだが、レガート&速弾き用になるとチェルニーとハノンで微妙に違うことに学習者は気付いただろうか?

どれを選択すべきかはその人による。先生や学習者がそれぞれの特徴をしっかりつかんでないと効率が大変悪くなる。やはり情報をアップデートする努力は大切だ。

指揮者メモ 伊藤玲阿奈・玲於奈・レオナ

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伊藤レオナ(在NY指揮者)
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