暁星国際が見せた劇的勝利。習志野を下し全国まであと1つ
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全国各地で総体予選が行なわれている中、千葉県の準決勝に足を運んだ。暁星国際と習志野を見に行くためだ。
暁星国際は昨年に初めて取材をさせてもらったことをきっかけに定期的に足を運ぶようになったチームなのだが、まだ公式戦は見たことがなかった。ベスト4まで勝ち進んだので、タイミング的にはここが良いなと思い、さまざまな選択肢がある中でこのカードを選んだのである。
劇的な勝利
結果的に延長戦の末に暁星国際が習志野を3-2で撃破し、創部初めて県の決勝の舞台に進むことになった。
しかもその勝利はかなり劇的だった。
立ち上がりに失点をし、追いついて迎えた後半は暁星国際のペースだった。左SHの木村幸太のドリブルや10番の辻野悠河のゲームメイクが光り習志野陣内を押し込む時間が続く。
しかし、瞬間的に生まれた裏のスペースに抜け出した山本龍之介が冷静に1対1を沈めて習志野が勝ち越しに成功した。その後も暁星国際が攻め込むも、決定機を決めきれない。だが、ドラマは終了間際に起こった。
AT5分のうちの4分半ほどが経過した中で奪った左CKのこぼれ球を、ゴール前で構えていた辻野が左足ボレーで合わせて土壇場で暁星国際が同点にする。
「2回決定機をがあってそれを外していて。ただ、個人的には次に決めてやると。自分のせいで負けるというのは頭になかった。1本、CKのこぼれがあったので来ることを予想していて。思い切って打つだけでした」辻野は振り返る。
その直後のキックオフで後半終了の笛がなったので、本当にラストプレーで同点にした形だ。
その場の空気は完全に暁星国際のモノとなり、延長前半開始まもなく、後半から入った高田太悟がロングシュートを沈めて逆転に成功した。
「自分が試合を決めてやろうと思って入った」と高田は話していたが、後半途中に入ってからアグレッシブに仕掛けていた姿が印象的で”やりそう”な気配はあった。見事である。
その後は習志野の猛攻を耐え、見事に決勝への切符を掴み取った。
リベンジへの思い
このカードが決まった時、ほとんどの人が習志野の勝利を予想していたと思う。というのも、千葉県2部に所属している暁星国際は直近のリーグ戦で習志野のBチームに敗戦を喫していた。正直に言って、自分も「習志野が勝つんじゃないかな」と思っていた。
ただ、この敗戦がこの試合へ向かう気持ちに火を付けた。
「リーグ戦で習志野Bに負けて、関東予選ベスト4になって天狗になりかけてた鼻を折られた。そこで今回の試合を迎えて、Bに負けたけどここでリベンジしようと高いモチベーションができた」辻野は言う。そして、同点ゴールを決めた明田流音の言葉も興味深かった。
「試合に入る前からちょっと煽られていて。『Bチームが負けたところだよな?』という声も相手から聞こえてきて。絶対に見返してやろうと思っていました」
駆ける思いや悔しさからくる原動力がこの勝利の1つの要因となったことは間違いない。
この後行われる流経大柏との対戦は更に難しいものになるが、どこまで食らいつけるか見ものである。
それにしても、久々にこんな劇的でストーリーがある試合を見たので、興奮した。
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