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実際に現場に出ることの重み

こんばんは! レオ・エースです。
なんと2ヶ月も記事の更新をお休みしてしまいました。
仕事もそれ以外の活動も忙しく、ネタもあまりいいものが思い浮かばず…。でも久しぶりに思うところがあったので、ここで皆さんと共有したいと思います。

いろいろな研修や講義を受けてみて

実はいま、福祉についていろいろな場面で学び直しをしています。ずーっと現場だけの業務をしていると、だんだん頭が煮詰まってくるというか。
そういう時に、他の方の考えや新しい知識に触れたりすると、自分の思考がリセットされるような、整理される感覚があります。

ソーシャルワーカーとして現場で頑張って支援を行うのは、とても大事な事です。それでもときどき理念や基礎に立ち返ったり、先進的な事例を知ることは、自らの支援の質を上げてくれます。支援の対象にあまりに近くに居続けると、そこしか見えなくなってしまいますが、一歩引いて見つめると意外な盲点に気づく場合も少なくありません。

そういう意味では、地元の職能団体が主催する研修会に参加することや、各大学で企画するリカレント講座を受講することはとてもいい機会になります。私もここ数カ月、いろいろな講義を受けてきました。

でも、少しもやもやする感覚になる事があります。最初は自分でもそれが何か分かりませんでした。特に大学での講座を受けた時にそれが顕著でした。よく考えてみると、その理由がはっきりしました。

現場を経験していないひとの言葉

ソーシャルワークの理念や理論、社会福祉学の本質を問うような命題についての講義は、とても理解することが難しいものです。それは話がある部分で抽象化されているからです。
しかし、そういう概念論的なことも学問としては、とても大切です。それがあるからこそ社会福祉学は学問たりえるのですから。

ある大学での講義で話されていたのは、教員としてかなり経験と実績を重ねた方でした。その講義内容はとても面白く、いままで考えてこなかった視点から福祉について考えることができた時間でした。
でも、…心に響かないんです。

後で知りましたが、その方は大学卒業後にそのままストレートで院に進学し、大学教員になられているとのことでした。ですから福祉の現場での経験が一切ない方だったのです。
それが悪いとは言いません。でも、私にはある意味言葉に重みが感じられなかった。

私たち現場で働く福祉専門職は、日々の業務に追われています。なかなか勉強する時間を取り分けるのは難しい方も多いことでしょう。それでも、日々クライエントに接する中で、クライエントから多くのことを学ぶということはないでしょうか?

日常を懸命に生きる彼らの言動そのものが私たちに語り掛けてくる感覚は、強烈な印象を私たちに与え、深い学びをもたらしてくれます。そして、自分がいかにクライエントのことをわかっていなかったかを痛感するのです。それが福祉の現場の中での生きた学びです。
申し訳ないけれど、その大学教員の方の話には重みを感じられませんでした。話は面白かったのだけれど。

百聞は一見に如かず

この見出しのように、どんなに文献を読み込んでも、一回の現場から得るものの方が大きいことがあります。私が思うに、理論や知識は、現場を因数分解してみて初めて発見されたものにすぎません。理論という形ではないけれど、私たちは日々それに接しているのです。現場がいかに学びになるのかを知るために、理論や知識を学ぶのです。

やっぱり福祉専門職を教えられるのは、現場を経験した人が適任なんだと思います。重度心身障害児支援に携わる人はだれでも知っているであろう糸賀一雄は、「福祉の思想」という名著を残していますが、その言葉にあれだけの重みを感じるのは、彼が現場の人だったからだと思います。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました!

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