『もののけ姫』で繰り広げられる文明の衝突に、アシタカが考えるアウフヘーベンとは
ナウシカやラピュタを観たときも同様に感じたけど、初期のジブリ作品は「文化の衝突」というテーマをよく取り上げる。ろくに観たことさえなかった僕がそのパブリックイメージを持ってるくらいだから、ジブリファンのひとには周知済みのことなのだろうけど、人間が何者かと争う根源に通う「自分たちの文化を捨てられない」という通奏低音が一致していることが、当時の日本あるいは世界の情勢にある程度呼応している。
映画が公開された1997年、その前後5, 6年ほどで「文化の衝突」はいくつもの戦争に関与し