えらてんさんの「しょぼい起業で生きていく」無料公開と七人のヒト
えらてんさんこと、えらいてんちょうさんの「しょぼい起業で生きていく」の無料公開告知がFacebookのTLに流れてきました。
通勤タイムでサクッと読みまして。
いやこれ、「しょぼい起業で生きていく」というよりかは「素敵な店舗と生きていく」じゃん。
と、思った次第です。いい本ですね。
小売だったり、飲食だったり、店舗経営を始めてみたい人にはまず読んでみて損はない1冊だと思います。
無料公開は現在終了してしまっているので、このエントリー読むのがめんどくさい人はいきなりポチっちゃってください。
「しょぼい起業で生きていく」良いテキストですよ。
「しょぼい起業で生きていく」Amazon
さて、このエントリーでは雑い読書感想文と共に、えらてんさんの「しょぼい起業で生きていく」を読んで頭に浮かんだ人について書いていこうと思います。
壱人目のヒト「乙武 洋匡」とファンが欲しいもの
「言葉と物の関係の破壊者」乙武 洋匡さん、良いですよね。僕大好きなんですけど。革命家ですよね。
現在、彼は「乙武洋匡の義足プロジェクトを応援したい!」という、クラウドファンディング行ってまして、ホンの数日で1000万円の支援を調達しちゃってます。
で、リターンがどんどん品切れになっていってるんですが、乙武さんが以前やってたバンド「カウパーキング」のTシャツは派手に売れ残ってます。
彼が素敵なのは、ここで「カウパーキングのTシャツ買って!」みたいなことはやんないんですよね。
みんな欲しくないですもん。「リターンなし」と「卑猥な文言が書かれているTシャツ」だったら、僕も「リターンなし」選びますし。
本人も歩行練習中に着るTシャツとメガネの権利とかリターンにしてるくらいで、本人も着たくないわけです。
彼も当然それは十分にわかっていて、Facebookで「皆さんが欲しいものはなんですか?」的な追加リターンのアイディア募集をやってるんですよね。
さて、乙武さんの周りには「支援できる余剰金がある人」の他に「プロの企画・マーケッター・著述家」が比較的多いと思うんですけど、この追加リターン募集は「しょぼい起業で生きていく」で言うところの。
・「資産の資本化」
と同時
・顧客確保
の両方をいっぺんに実現してます。
自分の企画が採用されたのに、リターンしない乙武さんの友人・知人ってあんまり思いつかないですからね。
要は周りの人が自ら望んで自分を才能を資本として差し出した上で、その後顧客なっちゃわけですよ。賢い。
ファンを=顧客にするって、簡単そうだけど難しい。それをするっとやっちゃう乙武さん素敵。賢い。
僕も、ロハで、とあるクラウドファンディング企画のプロモーション・企画を手伝ったことがあります。
そのプロジェクトは数%の達成率のまま止まってしまったのが、結果数百%達成のテコ入れに成功しました。
相手にはギャランティの提示を求められたので自ら「焼き鳥1回ご相伴」にしました。
理由は個人的に人生を変えるレベルでファンの人のプロジェクトだったから。それだけです。
「しょぼい起業で生きていく」の「謎客」の謎働きってやつです。
まぁ実際、自分でのむオーガニックコーヒーを自分で買って、お店に置いてもらってお金払って飲んでいる友人もいますし、「謎資産を資本に」ってのは超重要なんだと思います。
「しょぼい起業で生きていく」では、自分の普段の生活に隠れている「資産」をいかに「資本」にするかのヒントが具体例と共に記されています。
余談ですが、乙武さんは運動神経バツグンで、今後スイミングであったりダイビングにもきっと挑戦するものだと僕は期待してます。
四肢欠損の方の水中での活動を可能にするガジェットについては、オットセイ等の海獣からヒントを得たものが既にいくつか発表されています。
それらは近年3Dプリントの技術を用いてより身近な物になると期待されているのですが、「歩く」「走る」「泳ぐ」までは乙武さんなら余裕でしょうから、「空を飛ぶ」とこまで見届けたいと思ってます。
あと、乙武プロジェクト謹製の「こいつ・・・動くぞ!」Tシャツとか、絶対昔なら企画してたと思うんですけど、その辺の悪ノリは諸事情でしなくなったのがちょっと残念ですね。
乙武さんに関しては3万文字くらい書けちゃいそうなので、この辺で辞めときます。
「乙武洋匡の義足プロジェクトを応援したい!」皆さん応援しましょう。
あと、マネージャーまでサジを投げたというアングルになってる乙武さんをコンサル一発でこんな開花させちゃう。キンコン西野さん凄いですよね。
弐人目のヒト「勝間和代」と価値と価格のバランス
勝間和代さん、仲良くさせて頂いてるんですが、この項で話したいのは彼女自身じゃなく「勝間塾」です。
オンラインサロン「勝間塾」は継続率がとても高いらしいのですが、実際に僕もオンラインとオフライン共に参加して、この秘密は一発で解けました。
なぜ継続率が高いか。これは「安い」からなんですね。
女性メディアやっていてSEO弄っている人だとしまむら等のワードに「高見え」ってのを最近ちらほらみると思うんですけど、
「高見え」ってのは値段より「高く見える」アイテムを指します。
価値が高い、そして更に安い。このコンビネーションだと自然と顧客が集まってくる。そんな論理です。
「勝間塾」なんですが、サロン主の勝間さんが積極的に参加している他、メンバーも多種多彩な人が揃っていて明確な目的が存在します。
そしてそれらを実現するために因数分解した「指令」がメールで毎日飛んできます。
しかも様々な学習の為のオンラインアーカイブも視聴可能で、勝間さんも参加するオフ会も盛ん。
直感としていくらなら妥当か・・・って考えると9800円、いやもうちょっと高くても良いんじゃないかと僕は感じました。
で、価格は4,937円(税込)。数千円クラスのサロンに参加した事ある人でしたら、参加してすぐに「これは安い」と思うことでしょう。
価値に対して価格が「安い」と、定着率も増しますしね。
もちろん価格であったり、何かしらの参加に対するハードルが低いとどうしてもサロン自体の「民度的な物」の維持に苦労しそうなんですが、実際のところ、その辺も非常に上手く回ってます。
そこは「勝間和代」という守護神がいるから大丈夫なんですかね。
と、いうわけでもなく、単純に明確な目的のために「学ぶ場」なので、「成長」を目的にしている同好の士が集まってるから実現されているって感じみたいです。
目標を達成したメンバーも卒業せず活発に参加しているので、先生やメンターは勝間さん以外にも多数いると言う感じ。これは「しょぼい起業で生きていく」で生きていくにおける「ヒトという資産を眠らせてない」好例と言えるでしょう。
「ハードルと民度」については1000円という価格破壊的な値付けで、国内最大級のサロンを運営しているキンコン西野さんの「西野亮廣エンタメ研究所」とかにヒントが隠れている気がします。
参人目のヒト「プロ奢ラレヤー様」とブランディング
プロ奢ラレヤー様(以下プロ奢様)は
奢られたり、ネットしたり、その他のことをして生きて行っている、プロの奢られプレイヤーです。
彼、自由に適当にやってるみたいなんですけど、ものすごく綿密に自己プロデュースや、自分の戦場について考えている人なんですよね。
そんなプロ奢様ですが、世に出てしばらくはいまひとつ相手にされて居なかったんですよ。
彼の珠玉の電子出版「VALU生存教本~無名の個人が生き残るために~」のnote無料公開版なんてライク数十だからね。
プロ奢様さんが有料で出版したのを無料公開したオトクすぎる内容なのに。
なんで話題にならなかったか・・
彼がその頃いっていたことがぬるかったから?
違うんですよね。、彼が言ってることって昔からそんな変わってないんですよ。
変わったことと言えば「見た目」がより映像記号学的に「旅人」や「放浪者」っぽくなったこと。
あとハンドルが本名または本名っぽい名前から、「プロ奢ラレヤー」に変わったってこと。
昔は、もうちょっと意識高い系の若者的なルックスだったのをガワ替えしたわけです。
それだけで、言ってることは対して変わってないのに当時見向きもしなかった様な大手出版社の編集長クラスの人や、大手広告代理店の人にまでリーチするようになったんだから凄い。
パッケージが変わることで、同じ中身でも受け取り手の感じる価値は変わることがある。残念だけど。
って話だと僕は思ってます。
「なんとなく凄そう感」が人を感心させる
って話なんじゃないかなと。
「何を言っているか」より、「誰が言っているか」「どんな人が言っているか」という「雰囲気」を大事にする人は多いし、特に地位ある人ほど、「雰囲気」で判断しがちなんじゃないかなと。
これは店舗を運営する際の「体験」にも同じことが言えて、
「しょぼい起業で生きていく」でいうところの「「なんとなく楽しそう感」が人を集める」ってやつです。
同じ炭酸にサントリー角を割ったものでも、なんとなく楽しそうな場所で飲む1杯には人は数百円出しますし、雰囲気変わったらなんなら1000円行きますからね。
ちなみに「プロ奢ラレヤー」ってハンドル名も、彼の中ではしっかりとしたロジックで組み立てられてます。ブランディング能力凄いよね。
僕の観測範囲ですと「せやろがいおじさん」と「プロ奢様」がポジでもネガでも刺さっている人のクラスタって大体一緒だったんですけど、「せやろがいおじさん」はすっかり見なくなりましたが「プロ奢様」は現在も見ます。
その辺、ブランディング能力だけでなく、ブランド維持に対する戦略も彼はしっかりと練っているのでは?と感じています。
四人目のヒト「シャイニングデブ」と必要とされる人
シャイニングデブさんって人がいます。
いわゆる住所不定無職のアラサー女子なんですが、帰国するだけでニュースサイトに乗る人になっています。
彼女は、ラーメン二郎と中本を牛丼の様にサラッと、そして上品に食べているだけで特に何をしているわけじゃないんですが、勝手に一部の人達が応援してメディアで取り上げたり、直接奢ったりしてます。
遅刻は当たり前ですし、ドタキャンもするんですが、皆に対して一様にしているので憎まれず、彼女がちょっと痩せていようものなら、我先にとカロリーを取らせようとするんですよね。
「必要とされる店は、お客さんが勝手に宣伝してくれる」ってやつで、彼女が求めることもなく、彼女が生活するだけで、勝手にメディアは取り上げますし、日本にたまに帰ってくるとなんの特もないのに奢る人で予定が全部埋まるわけです。
じゃあ店舗がそれをやるにはどうするべきか。
そんなヒントのカケラも「しょぼい起業で生きていく」には書かれています。
生活自体がコンテンツになって、勝手に回りが宣伝してくれたら資産が最大効率化しますしね。
伍人目のヒト「kawango」と自分の好きな場所
僕はkawangoが大好きです。何故なら僕はインターネットが大好きで、彼もインターネットが好きだから。
彼の最新のエントリー「人間の本体は心臓でもなければ脳でもないという価値観」なんてとてもおもしろいし、ずっと変わらないkawangoそのものです。
よく、若干怪しめのセミナー等にいくと「タダでもやりたいことだけを仕事にしろ!」なんていって、気軽に大儲けするはずが様々な苦役を強いられたなんて話を目にしますが、結局生活と同一化出来るくらい好きなことを仕事にするよりは「しょぼい起業で生きていく」みたいに生活自体を資本化して生活の一部を収入の一部にするほうが現実的だと思うんですよね。
そして、もう一つ現実的なのは、「大好きなことど真ん中ではなく、その周辺で生きていく」だとも僕は思うんです。
id:kawangoはポリシーとして、自社サービス以外を一般ユーザーとして利用し、それを告知せず、自然増のみで利用し、そして一定数集まったら消えるというのを繰り返してます。
つまり、「一般ユーザー」として、コンテンツをタダで提供し、場を楽しみ、そして「一般ユーザー」の枠から逸脱するとやめる。これを繰り返してるわけです。
「知性」だったり「自身のアイデンティティー」だったり「人そのもの」や「コミュニケーション」だったり、そんなテーマをインターネットの片隅でid:kawangoは発信し続けています。
某社社長としての人格は人によっては、日々評価が変わっていってますけど、ネット人格としてのid:kawangoは筋が通ってて、昔から好きな人も嫌いな人もその比率はずっと変わってないんですよね。多分。
継続可能なネット人格としてid:kawangoは成立しているわけです。
僕が好きなのはid:kawangoの方で、某社社長の人格の方ではないわけなので、本来は彼の仕事自体も興味がないわけなんだけど、「しょぼい起業で生きていく」の「儲けた金で生活しようと考えない」の先には「儲けようと考えない」があるんじゃないかなと。
本業で儲けて、インターネットで好きにするように、本業で儲けて、店舗で好きにする。そんな形もきっとある。
そもそも、経営する側も自分が好きじゃない場所に、ずっといるのは辛いわけで、そんなとこにいるお客さんはもっと辛い。
店舗=自分が一番好きな場所。そうできればそれは来るお客さんにとっても素敵な場所になりやすいんじゃないか。そして持続可能な「儲けなくていい」を実現出来たらさらに良い。
そんな気がするわけです。
「しょぼい起業で生きていく」には店舗運営を持続可能にするヒントがいっぱい記されています。
六人目のヒト「キンコン西野」さんとおもてなし
人数ベースですと、西野さんの「西野亮廣エンタメ研究所」は僕が調べた限りでは日本1の人数規模の有料オンラインサロン。
つまり、西野さんは日本1オンラインサロンを成功させている男なんですけど、そんな西野さんがアベマTVで乙武さんのコンサルを行っている時に興味深い発言をしていました。
「オンラインサロンはメルマガとしても強くないと成功しない」
西野さんは、オンラインサロンはコミュニティ、コミュニティと言われているけど、それだけでは長持ちしない。
読み物として成立してないとと。言っています。
毎朝サロンに投下する「読み物」のために、丸一日使ってネタ作りをする。
つまり毎日の生活をコンテンツに変換して、サロンに投下しているわけです。
ユーザー目線にたったものすごい「おもてなし」の心だと思います。
西野さんは「メモ」に様々な記録、企画、考えを残すことで知られていますが、それらも彼のオンラインサロンには投下されます。
更に西野さんのオンラインサロンには「作戦会議」というコンテンツがあります。これは実際に西野さんが関わっているプロジェクトに対して有志がオンラインで参加できるコンテンツです。
参加している若い人に話しを聞いたことがあるんですが、それぞれの企画に対するプロもいたり、学生もいたり、専業主婦の方もいたり、本当に楽しいし勉強になるみたいなんですよね。
そして、それらには西野さんも積極的に絡んでいくそうです。
まぁ自分の事業やプロジェクトに関することなのだから当たり前ですけどね。
結構オンラインサロンって放置気味で、居る人で勝手に楽しんでください。
我々は「場の提供です」みたいなところも少なく無いじゃないですか。
ざっくり言うとサロンに対して真摯なんですよね。西野さん。
「西野亮廣エンタメ研究所」1000円なので、興味ある人は入ってみると面白いんじゃないでしょうか。
大成功中の「乙武洋匡の義足プロジェクトを応援したい!」も「西野亮廣エンタメ研究所」の「作戦会議」が関わってるんじゃないかと僕は睨んでますがどうなんでしょ。
「しょぼい起業で生きていく」の「眠った資材の資本化」の様々な要素が「西野亮廣エンタメ研究所」にはつまっていると思っています。
なんとなく楽しそうで、安くて、そこじゃないとできない体験があってって最高じゃないですか。
七人目のヒト「田端信太郎」さんと自由
田端信太郎さん。面識ないです。すごく仕事できる方で、ああ見えて照れ屋。飲み会ですぐ寝て可愛い。
と、聞いてます。
素敵な人みたいですね。
彼が言っていることは、自分自身をブランドとせよ、それが自由になる。
ってことだと思うんですけど、それは本当にそのとおりだと思います。
普段も彼の言っていることは大体が「正論」なんですよね。
ただ、「立場有る人がそれを言うか」としばしば「炎上」と世間ではされてるんですけど、まぁノーダメージなわけです。
しっかりとした身分で、言いたいことを言って、自分自身の「副業」も成功している。まぁ自由そのもので無敵ですよね。
会社員のままでも「自由」になれる。それには自分が「ブランド=信用」を勝ち得るべし。そんなことを彼は言ってる気がします。
オンラインサロン「田端大学 ブランド人学部」では、マーケティングの天才である田端信太郎さんが、その辺を様々なツールを通して教えてくれるみたいなんですが、残念ながら限定募集で現在締め切られています。
6ヶ月継続でオンラインのサシコンサル1時間券がついているので、かなりお得なので、まぁ仕方ないです。
魅力的な「ブランド人」になりたい人はいっぱいいるでしょうしね。
さて、「しょぼい起業で生きていく」でも「ゼロから「投資してもらえる人」になる方法」について、具体的な方法と共に記されています。
それはつまり「魅力的な人」になる方法でもあるんですが、ローリスクに店舗を作る方法、魅力的な店舗にする方法、そして魅力的な人になる方法とそれぞれに因数分解していくと、まず動いてってやっていけば、
「ちょっとだけ魅力的な店舗・店長になったら十分やっていけるよ」
ってことを「しょぼい起業で生きていく」は教えてくれます。
さて、このエントリーを書くにあたって、えらてんさんのSNSや動画も見たんですが、物凄く真摯でファクト主義。
しっかりと問題を因数分解してゴールにまで導くタイプとして物凄く人間的に興味を持ちました。笑顔が僕のマイメンにそっくりなものイイ。
無責任にこうやれああやれ、って形じゃなくて、こんなやり方もあるよ。僕はこうやったよ。ってえらてんさんみたいなタイプが世の中に増えていったら、インターネット空間はより良くなるんじゃないかなぁ。無料コンテンツも有料コンテンツも。って思いましたとさ。
あとがき
さて、このエントリーですが、7割くらいを30分程で書いてそのまま死蔵予定だったんですけど、「顔も長いが文章も長い」で知られる徳力 基彦さんが、書き上げろって言ってる気がしたので書き上げてみました。
ここから先は
¥ 100
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?