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【楽器製作】OMタイプギターの製作④(製材)

さて、材木屋さんで手に入れた様々な木材達ですが、当然そのままじゃ使えません。ここで火を噴くのがバンドソー。マストアイテムッスね。

ぼくが使ってるのは古いDELTAのバンドソー。14"モデルにライザーブロックを組んだもので300mm以上の挽き割り高さを持つ凄いヤツ。このクラスの新品買うのは夢のまた夢でしたが、縁あって格安で入手出来ちゃった。

工房が一気にアメリ感溢れてイイ感じ。

さて、バンドソーを使うと木材を挽き割りして自在に製材出来るって話なんですけれど、実際にやると実はめちゃ苦戦します。挽き割り幅が大きくなればなるほど材とノコ刃の平行を維持するのが難しく斜めになっちゃう。また切削抵抗でドリフトが起きて木を送ってるうちに厚くなったり薄くなったり。コレら問題を全て解決してるのが最新鋭舶来高級バンドソーなんですが赤貧DIYerには手が出る訳もない。なのでポンコツ機で製材に挑む為に知恵を絞ってチューニングしちゃいます。

  • ノコ刃を良い状態にする
    新品の刃、もしくは研いで斬れる状態に
    →ぼくはドレメルで研いじゃう

  • トラッキングとテンションを追い込む
    プーリのセンタに刃を合わせ張力を最適化
    →切削抵抗掛かってもドリフト変化が減る

  • テーブルとノコ刃の垂直を出す
    スコヤが密着するレベルに追い込む
    →挽き割り厚みの一定化に必須

  • ドリフト調整をキメる
    長さ800mmの挽き割に耐える精度へ
    →テーブルにマークしフェンスを合わせる

  • 剛性の高いフェンスを付ける
    100x50のアルミ型鋼をF型クランプで固定

ここまですれば、ポンコツ機でも自由自在に製材できちゃいます。準備出来たら端材で試し斬りしてスカッと斬れるか確認します。

何度か試し斬りしてフェンス位置と板厚の出来に当たりを付けたら欲しい厚みプラスαとなる様フェンス位置を合わせ材料を挽き割しちゃいましょう。

トップ、サイド、バックは後で厚みを詰めるので3mmで挽いていきます。

まずはスプルース、これは柔らかいからサクサク斬れますね。

次にニレ、これもなんとかなる。

次がヤバかった。タモなんですが元々8mm無い厚さから3mmに斬ろうとして力技を発揮します。前から横から押さえつつ斬っちゃう。
無事2枚下ろしに成功したけどギリギリッス。

ヘッドとピックガードに使うトチも挽いちゃう。トチってぼろぼろとすぐ表面が荒れちゃうので変に気を使いますね。

指板に使うつもりのパドックは結構硬いのでドキドキしつつ二枚に下ろします。

挽き割った後は、欲しい厚さへ微調整。
今回はトップ、サイド、バック全てを2.4±0.05mmへと仕上げます。

この記事のドラムサンダはまさにこの刻の為に作ったんです。ぼくみたいな素人がこんな精度の製材するにはもうこの手しかありません。

自動かんなの刃が結構鈍ってきてて、ニレとタモは綺麗に削れたけれどスプルースはダメ、めくれて汚くなっちゃった。なのでニレとタモは自動かんなで荒削りしてから、スプルースはひたすら、それぞれドラムサンダで厚みを出します。

ぼくでもボディ材の製材出来ちゃった、しかも自分でやったらめちゃ楽しいッスねコレ。

コレで失敗を恐れる事無く次の工程に取り掛かれます、ええ感じやわぁ。

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