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求める人材を獲得するための面接とは?


面接が果たす機能

面接は、採用における最終の選考であることがほとんどです。
面接での合否が採用に直結する中で、「面接が果たす機能」を認識できていますか?
今回は、“求める人物像に即した人材"を獲得するための面接方法に焦点を合わせてお伝えします。

図1

図1は、「事業所目線」と「候補者(面接を受ける人)目線」を踏まえて面接と採用の関係性を示したものです。
「採用」に行きつくためには、
①事業所が「候補者を採用したい!」と思うこと
②候補者が「事業所に入職したい!」と思うこと
この双方の「Yes」が必要になります。

①は、事業所が求める人材か確認するための「候補者の見極め」
②は、候補者が事業所に入職したいと思うための「事業所の魅力付け」
を意識することで、効率的な採用ができると言えます。


面接に際して取り組むこと

「候補者の見極め」「事業所の魅力付け」をするために取り組むべことは何でしょうか?
以下、4つを押さえましょう!

①求める人物像を明確にすること

採用したい職種に採用基準を設けましょう。
基準を設けることで、「面接では即戦力として活躍できると思ったが、実際は違った、、、」など、入職前後のネガティブなギャップが生じにくくなります。

具体的には、
・「○○の業務経験がある」
・「決まったことは最後まで確実にやり遂げられる性格」
など、「スキル/性格/志向性/価値観(※1)」という項目に沿って、採用したい人材の条件を考えましょう。

(※1)
スキル:資格や能力、経験
性格:行動の特性や感情面
志向性:仕事への考え方
価値観:その人が大切にしている考え方

②質問リストを作成すること

基準が明確になったら、面接時の質問を考えましょう。
質問は、採用基準を満たしているか確認するための手段に当たります。
事前に準備することで、面接中の質問の抜け漏れ予防に繋がります。
似た質問や関係性が深い質問は前後させるなど、順番にも気を配ることで、面接をスムーズに進めることができます。

③候補者に寄り添い本音を引き出すこと

面接中は、作成した質問リストを軸に質問をして行きましょう。
優秀な候補者でも、「面接が苦手」「考えを言葉にして伝えることが苦手」という方もいるため、話しやすい雰囲気づくりや、回答の意図を汲み取る力も大切になってきます。

④誠実な対応をすること

面接は、事業所が候補者を評価する一方で、候補者が事業所を評価する機会でもあります。
面接官は、「事業所の代表者」として、身だしなみや人となりの良さ、話しやすさなど、事業所の印象付けを意識した、接し方や言動が大事になってきます。


OK質問/NG質問

OK質問

候補者を適切に評価するためには、短い時間の中でも、「抜け漏れなく」候補者を知ることが大切になってきます。
以下に、「スキル/性格/志向性/価値観」の質問例を記載しますので、参考にしていただければと思います。

〇スキル
・「保有されている資格は何がありますか?」
・「現在の職場でどんな業務をされていますか?」
・「最も頑張って取り組んだことは何ですか?」

〇性格
・「自己PRをお願いします。」
・「周囲の方から、どのような人と言われることが多いですか?」
・「仕事で失敗をした時に、どのように切り替えていますか?」

〇志向性
・「弊所の志望動機を教えてください?」
・「転職を希望される理由は何ですか?」
・「3年後、どのようなキャリアを描きたいですか?」

〇価値観
・「これまでのお仕事でどんな時にやりがいを感じましたか?」
・「大切にしている価値観はありますか?」
・「人と接するときに意識することはありますか?」

NG質問

職業差別につながるおそれのあるタブーもあります。
求職者からの印象が悪くなる恐れが高いため、注意が必要です。

■採用選考時に配慮すべき事項
次のaやbのような適性と能力に関係がない事項を応募用紙等に記載させたり、面接で尋ねる、作文の題材とするなどによって把握することや、cのような採用選考の方法を実施することは、就職差別につながるおそれがあります。

<a.本人に責任のない事項の把握>
・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)
・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)
・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近隣の施設など)
・生活環境・家庭環境などに関すること

<b.本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握>
・宗教に関すること
・支持政党に関すること
・人生観、生活信条などに関すること
・尊敬する人物に関すること
・思想に関すること
・労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動に関すること
・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

<c.採用選考の方法>
・身元調査などの実施 (注:「現住所の略図等を提出させること」は生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があります)
・本人の適性・能力に関係ない事項を含んだ応募書類の使用
・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施

参考元:厚生労働省『公正な採用選考の基本


まとめ

今回は、【求める人材を採用するための面接】をテーマにお伝えしてきました。

📌面接では、「候補者の見極め」「事業所の魅力付け」ができる
📌面接前は、「求める人物像の明確化」→「質問リストの作成」の準備が必要である
📌面接中は、「候補者の本音を引き出すこと」「誠実に対応する姿勢」が必要である

この3点を意識して、実際の業務に取り組みましょう!!

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