サルノコシカケ
山の中でこの平たくて固いキノコを見つけた時に、猿が椅子として使ってたら面白いよね! って発想が出てくるなんて素敵だ。
せっかくなので軽く検索してみる。
どうやらサルノコシカケという和名を持つキノコは存在しないようだ。
ネットで検索してここまで要領を得ない情報しか出てこないのは珍しい。そもそも自分に一切の予備知識がないのもあるだろうが。
サルノコシカケ科は存在するようだが、それも暫定的な処置であるという記載があり判然としない。どうやら「アミヒラタケ科」派と「タマチョレイタケ科」派がいるとのこと。(Wikipedia)
例としてアミヒラタケを挙げると
Wikipedia
アミヒラタケ(学名:Polyporus squamosus)は、サルノコシカケ科タマチョレイタケ属の菌類。
東京きのこ同好会
アミヒラタケ タマチョレイタケ科 アミヒラタケ属 Polyporus squamosus (Huds.) Fr.
これだけ違う。ネットの情報とはいえ同じ種について扱っているのに科名も属名も違うなんてあるんだ。混乱しかない。
更には「ツガサルノコシカケ科」なるものが別に存在していたり、コフキサルノコシカケという種がサルノコシカケ科ではなかったりなど、難解が過ぎる。分類学とか博物学というジャンルは奥が深い。一方で進化の中で系統樹という繋がりしかないものを界・門・綱・目・科・属・種に分けるという取り組みが既に無理があるような気がしなくもない。とか考えてたらなんの話をしようとしていたのか忘れた。
閑話休題
このタマチョレイタケとはなんだ。名前が面白過ぎる。
漢字で書くと玉猪苓茸。猪苓とは「イノシシの糞」を指し、チョレイマイタケというキノコが地中に作る菌核がそれに似ていたからだという。勝手に「たまちょ-れい-たけ」だと思っていたが「玉型でイノシシの糞っぽいものを地中に作るきのこ」ということらしい。チョレイというと卓球の掛け声で昔そんなのがあった気がするが、あれは「いのししのうんこ!」って叫んでいたのかと思うと笑えて来る。しかし更に面白いのは「苓」という漢字だ。字を単体で見ると清楚で静かな印象を受けるが、この流れで考えると意味は当然「うんこ」になる。早速単体で調べると
苓 ①みみなぐさ。ナデシコ科の二年草。
と出てくる。画像検索すると白くて小さい可憐な花が出てきた。何がどう間違って糞を表す部分に当てはめられてしまったのか。猪が全部悪い、そうに決まっている。…なんで苓がうんこを指すのかは皆目見当もつかないので誰か教えてください。
追記:どうやら猪苓は中国語由来で、中国では猪とはブタを指すらしい。「豚の糞」だとものすごい罵倒語っぽい。
余談
最初に登場したアミヒラタケだが、Wikiによると海外では「ドライアドの鞍※」と呼ばれているらしい。
かっこよ。
座らせるものこそ違うものの、日本でも海外でも平たくて固いきのこを見た時同じ発想が出てくるのは興味深い。
※「英語圏では、Dryad's saddle や Pheasant's back mushroomという名前を持っている。Dryad's saddleはドライアドの鞍を意味しており、ギリシア神話のドライアドがこのキノコの上に座るのにちょうどよいと想像したと考えられる。」とある。
終わり
という訳で今日の草が分かる鮒でした。こういう豊かな暇つぶしをして一生を終えていきたい。
参考HP
アミヒラタケ
東京きのこ同好会
http://www.tokyokinoko.com/zukan/a/amihiratake.htm
アミヒラタケ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%9F%E3%83%92%E3%83%A9%E3%82%BF%E3%82%B1
草が分かる鮒
『天水#5』 | コミクリ! #花輪和一 #天水 https://kodansha-cc.co.jp/comic/tensui05/
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