インスピレーションは突然に - - - 台湾玉山前峰(3239m)登頂 - - -
インスピレーションは突然やってきた。
「よし、今度は玉山前峰に登ってみよう!」
3月半ばのことだった。その日から通勤時、マンションの階段上りを再開した。また、当日までにバックランジを500回やると決めて実行した。モヤっとした日々が輝きに変わる。
入山許可は1回抽選にはずれ2回めのトライで権利をGet。2023年4月5日決行となった。この日台湾は5連休の最終日だった。
昨年の主峰(3952m)登頂時に辛苦をなめさせてくれたのは高山病。その対策は、ChatGPTが示した予防薬を飲むことだった。高山病の症状、頭痛と不眠は抑制できた。
絶食登山
他にもう一つ実験をしたが、こちらは半ば失敗した。登山2日前から当日朝まで絶食をしたことだ。登山中のトイレをなるべく避けたいという意図だ。まあ、絶食と言っても固形物を食べるのをやめた程度のもので、豆乳は飲んだ。ビタミン剤も飲んだ。ボリュームのある固形物を体内に取り込まない、この限りにおいて目的は達せられた。しかし胃が重かった。空腹状態で薬を飲み続けたためだろうと思う。
帰宅後、その対策をまたChatGPTに聞いてみた。「薬を細かく割って少しずつ飲む。もちろん先に少量の水を飲む。」なるほど、、、。ChatGPTは時々いい加減な返答をするが、これは信用できそうだ。胃の不快感を回避する術の考案が次の検証課題だ。
民族の聖地、玉山
ところで玉山地区は鄒族、布農族の聖地だと聞く。途中の生態トイレは2か所だけ。前峰登山に限って言えばトイレは1箇所だけだ。聖地において礼節を失する行いは避けたい。他の登山者達はどうやって対策しているのだろうか?
登山と体力と
さて、肝心の登山であるが、予想通り足腰にこたえた。
私は往復に6時間15分を要した。これは標準よりうんと長い。若者たちに次から次へと抜かされていった。いやいや、おじさんおばさんたちにも抜かされた。
前峰登山の象徴ともいえる石瀑(スーポー。石の滝)登りはヘトヘトに疲れた。
寒さ対策を侮ってはいけない
頂上に近づくに連れ霧がでてきて気温が急にさがった。少し前に、石瀑の途中でストック、リュック、上着などを岩の上に置いて、半袖シャツの軽装身軽になったのだが、これが裏目に出た。
寒くなった。筋力と呼吸の制約でノラリクラリとしか登れない。体があたたまるような運動量にならない。休憩中に寒くなる。これは良い経験というか勉強になった。寒さ対策の術を失う時間帯を作ってはいけない。コンディションは瞬く間に変化する。
頂上は霧の中、雲だったかな?
なんとかたどり着いた頂上は霧に包まれ視界ゼロ。
簡単に見えて意外と難しい下りのロープ
晴れていれば主峰の頂きが見えるのだが、早々に諦め5分後に下山しはじめる。ロープに捕まるが左右に振られ半袖の腕をしこたま打つ。痛い。
その後冷たい雨にも打たれた。山の天気は変わりやすい。ネットニュースではこの日小さな雹が降ったらしい。
満足、満足、自己満足
それでも充実感に満ち、爽快感を伴う登山だった。突然の思い付きは満足で終結した。
日々の生活に輝きをもたらす、素晴らしいインスピレーションだった。
感謝、自由の国、viva台湾!
諸データ
■往復6時間15分。登り3時間50分、下り2時間25分。
8:30 塔塔加登山口
↓ (105分) 2.7km 落差 220m
10:15 前峰登山口
↓ (125分) 0.8km 落差400m
12:20 登頂
滞在 (5分)
12:25 下山開始
↓ (80分)
13:45 前峰登山口
↓ (65分)
14:50 塔塔加登山口
■高山病対策
登山2日前からDIAMOX錠を朝晩一粒のむ。一粒10元(約43円)で6粒だけ買った。