第19節 FC町田ゼルビア戦
こんにちは、私です。
町田戦は0－2で敗戦。これでリーグ2連敗となりました。ただ、内容的にはジェフが上回っていて、特に後半はジェフのペースで試合を運ぶことができました。しかし、得点は奪えず、後半のアディショナルタイムに一瞬のスキを突かれて失点。町田に昇格するチームの勝ち方をされてしまいました。試合内容的には優勢に進めていただけに勿体なかったですが、できていることは増えていて首位相手にもゲームを支配することができていたため、選手たちは自信を失わずに切り替えてほしいです。
J2リーグ 第19節
ジェフユナイテッド千葉 0－2 FC町田ゼルビア
・ゲームを支配するも奪えなかった得点
前半は五分五分でしたが、後半はジェフがゲームを支配。しかし、町田の守備を崩すことができず得点を奪うことができませんでした。
①攻撃配置
ジェフの攻撃配置は3-4-2-1のような形になり、松田が中に絞って3バック化し、この試合は西久保が幅を取る形になりました。
後方では3バックで相手の2トップに対して数的優位を作って前進することを狙い、前線では1トップ2シャドーの形でDFラインの間を突いて(見木は中盤よりの役割でしたが…)、1人で2人を困らせるようなランニングをすることを狙いました。
ただ、西久保はSBの低い位置から幅を取ることになるので、逆サイドの椿のように高い位置を取り切れず、図のようなSHに対応される低い位置で張った立ち位置を取ることが多くなってしまいました。新明はシャドーのような立ち位置を取っていたため、中にしかパスコースがなく、町田にとっては対応しやすい形になってしまっていました。また、西久保の適正ポジションは右のIB。それなりに足下の技術が求められ、キープ力、突破力が必要な幅取り役は西久保には合っておらず、苦手なことをやらせる形に…西久保がボールロストする場面も目立ちました。ただ、離脱者が多かったですし、西久保にこの役割を任せるしかないチーム状況だったのかなと思います。
②ロングボールの多用
ここ最近の試合はロングボールを使うことが目立っています。ロングボールで相手の背後を狙うことを最優先に考えているのだと思いますが、蹴り過ぎているように感じます。
DFラインの背後を突くことを最優先としていて、背後が空いていなかったら後ろから繋ぐというチームの狙いがあって選手たちはこの狙いに基づいてプレーしています。この試合でも図のような背後を目掛けたロングボールが多くなりました。ただ、もう少し相手の立ち位置など状況を見てロングボールを蹴るべきです。ロングボールを蹴りすぎていて攻撃が雑になってしまっています。
得点を取るための効率性や小森のオフザボールの上手さを考えると背後を突くことを最優先としていることは間違っていないと思います。実際にこの試合で相手のCBで出場し、去年までジェフにいたチャンミンギュは裏ケアやクロス対応は苦手な印象で、ロングボール一発で得点に繋がる可能性も高かった。
ただ、この試合はロングボールがDFラインの前で処理されることが多く、ロングボールで簡単にボールを失ってしまうシーンが目立ちました。
背後を狙うことで相手のDFラインは下がり、相手の守備ブロックが間延びしてバイタルエリアが空きます。この試合の町田も同じような状況になっていました。ラインが低い相手に対して背後を取るのは難しく、相手のブロックが揃った状態でロングボールを蹴って簡単にボールを失えば、カウンターを受けるリスクも高まります。そのため、背後が空いているなら裏を突く→ラインが低くなり間延びしていたらバイタルで引き出すという状況を判断して前進することが求められます。
また、町田の2トップは守備で頑張れるけど、上手いわけではありませんでした。実際に簡単にボランチにボールを通すことができていたことが多かったですし、揺さぶってラインを超えることは比較的簡単だったと思います。後半は大きく蹴るシーンが前半よりも減って後ろから繋いで簡単に前進することができていたと思いますし、後半のような戦い方を前半から見たかったです。
③引き付けてリリース
仙台戦のレビューでも書きましたが、運んで引き付けてリリースする意識をもう少しもってほしいです。大輔に関しては運ぶシーンが多く、かなりよくなっているように思いますが、一耀は前にスペースがあっても運ばずにサイドにつけたり、ロングボールを蹴るシーンが目立ちます。
5分の大輔が長い距離を運んだシーンは現地で観てて拍手しました👏
このシーンのように運んで相手を引き付けることで次の受け手に時間とスペースを与えることができます。
しかし、一耀は図のように前にスペースがあるのにも関わらず蹴ってしまうシーンが多かった。こうした状態で長いボールを蹴ったり、サイドに出してしまうと次の受け手に時間とスペースを与えることができません。
図のように運んで相手を引き付けてからリリースすれば、次の受け手に時間とスペースを与えることができます。
また、その後に相手のSBを引き付けることができ、その裏にボランチ（IH）やFW（シャドー）がランニングすれば、図のようにDFラインの背後やニアゾーンを突くことができます。
相手の2トップは前述したように守備で頑張れるけど守備が上手いわけではなかった。そのため、運んで引き付ける、無理ならキャンセルでDFライン経由でサイドチェンジを繰り返せば、簡単に前進することができたはず。ビルドアップにおいて運んで相手を引き付ける作業はとっても大事なのでこうした基礎的なことを当たり前にできるようになってほしいです。
・突かれた一瞬のスキ
90分間しっかりと相手の攻撃陣をシャットアウトできていてジェフのペースで試合を運ぶことができていましたが、一瞬のスキを突かれて失点。最低でも勝点1は拾うことができたと思いますし、とても勿体ない試合でした。
①90分間の完封
試合を通して相手の攻撃陣をほぼシャットアウトして後半のアディショナルタイム以外はほとんど仕事をさせませんでした。
町田のSHはいつもと違って（？）奥行きを取るのに長けたタイプではなく、足下で受けるのを好むタイプを両サイドで起用しました。町田の両SHは大外で受けるより中の間で受けることの方が活きるタイプでそこまで奥行きを取るような動きをしてきませんでした。高い位置でサイドに張って違いを生み出せる選手が町田にいなかったことはジェフにとっては楽であったように思います。
CBの2人も相手の強力2トップにほとんど仕事をさせずにクロスを跳ね返し続けました。だからこそ、後半アディショナルタイムの時間帯が悔やまれます…
②1失点目の原因
1失点目は前線の選手が無理に前プレをしてしまったのが原因でした。
ここで末吉がアタックするもボランチへのパスコースに制限がかからず。
ボランチに通されたことで末吉がプレスに出て空けたスペースを使われてしまいます。
西久保は裏のスペースに走る選手を気にして中途半端な対応になり、背後を取られてしまいます。
このシーンは末吉が無理にプレスに行ってしまったことで町田にうまく前進されてしまいました。ここで末吉がプレスに行かずにサイドの選手を見ていればここまで崩されることはなかった。
直近の試合では前線の選手のプレスのかけ方も気になるところがあり、もう少し後ろの状況を見てプレスのスイッチを入れてほしいです。
・最後に
優勢に試合を進めながらも後半のアディショナルタイムに一瞬のスキを突かれて失点。プレスのかけ方を間違えなければ勝点を拾えた試合だったと思いますし、とても勿体なかった。ただ、首位相手にゲームを支配できたことは収穫だと思いますし、これを次につなげてほしいです。