第18節　ベガルタ仙台戦

　こんにちは、私です。
　仙台戦は1－2で敗戦。仙台に対策をされて、攻守ともにうまくいかず…完敗と言っていいでしょう。特にビルドアップでは前進することができず、仙台の守備に苦戦しました。CBが持たされる展開となったときにどう崩していくかは課題です。

J2リーグ　第18節
ベガルタ仙台　2－1　ジェフユナイテッド千葉

スタメン

・苦戦したビルドアップ

①持たされた最終ライン

仙台はジェフの最終ライン＋GKに対してそこまでプレスをかけずに持たせる選択。中をしっかりと閉じて、サイドへとパスを誘導させ、サイドに出たところで激しく寄せに行くような守備をしてきました。
　こういった仙台の守備に対してジェフは苦戦。引き付けてリリース（コンドゥクシオン）ができない、相手と正対できないことが苦戦した原因でしょう。

　前にスペースがあるにも関わらずパスを出してしまうと、次の受け手に時間とスペースを提供することができず、相手に寄せられやすくなってしまいます。
　大輔は運ぶ意識が高くなっていますが、そのほかの選手たちはこういった運ぶ意識が足りず、相手を引き付けずにパスを出してしまっています。相手を引き付ける作業ができていないことが最終ラインでボールを回す時間が長くなった、ライン突破をすることができなかった原因です。
　仙台にしっかりと対策をされ、狙い通りの守備をされてしまいました。

　運んで相手を引き付けてパスを出せば、次の受け手に時間とスペースを提供することができ、嵌る可能性も低くなります。
　また、相手と正対するスキルもジェフの最終ラインの選手には足りていません。
　正対とは体の正面を守備者に向けることです。一番近い守備者に対して正対することで相手の足は揃う。足が揃っている状態で前に出ることはできません。要するに正対すれば相手の動きを止めることができるのです。

　上の図のような体の向き、側対した状態でボールを持つと出し先が限られるため守備者は寄せやすく、嵌りやすくなってしまいます。

　守備者と正対すれば出し先が限定されず、嵌りにくい。図の状況で一耀が正対を解いて大輔に出せば、SHのプレスを受けずに運ぶことができます。
　これらの運ぶ意識、正対するスキルがあればもっと楽に前進することができたと思います。ただ、ジェフの最終ラインのウィークを突いた仙台の守備も素晴らしかった…。

②試合終盤の中盤のタスク

　後半途中から熊谷が中盤に入りましたが、熊谷が動きすぎてしまうため中盤がスカスカになり、前進できないような状態になっていまいした。まず、繋いでゴールに迫るのか、パワープレーでゴールに迫るのかといったところでチグハグになっていたような印象です。

　熊谷はボールを受けに動きすぎてしまうという癖があり、これがチームに欠陥を生み出してしまっています。この試合の終盤も熊谷が2トップを牽制するポイントの位置から離れて最終ラインに降りてしまうことがあって中盤に人がおらず、前線と最終ラインが分断してしまっている場面もありました。繋ぐのならボールホルダーに対面する守備者の斜め後ろに立つというビルドアップの基本的な原則を守るべきです。大輔を前線に上げなかったですし、おそらく繋いでゴールに迫ろうとしていたと思います。ただ、前述したようなビルドにおける基本的な原則を守れていないため、この試合はうまく前進できず、ボールを失ってカウンターを受けてしまうシーンが終盤は特に目立ちました。現状は熊谷を使うのならIHのような役割をさせた方がよいのかなと思いました。

・屈した中盤でのバトルとスペース管理

①崩された4-4-2

　前半は4-4-2のブロックで上手く守ることができず。中盤周りのスペースを仙台に使われ、特に2失点目は綺麗に崩されてしまいました。

　仙台は3-2-5のような攻撃配置でビルドアップ。仙台の最終ライン（ジェフの前線）では仙台の3CBvsジェフの2FW の数的有利を作られ、FWから運ばれるシーンが目立ちました。

　また、中盤では仙台の2FWが降りてくるため、ジェフにとって2vs4の数的不利が発生。この降りてくるFWの対応には手を焼いていました。

　小森がスイッチを入れてプレスを開始するシーンが多く、椿が相手の右IBまでプレスをするような形で守備をしました。ただ、ボランチの見木や小林は背後の選手が気になり、プレスが遅れて簡単に展開されてしまうシーンが目立ちました。さらに椿が高い位置を取っているため、相手の右WBがフリーとなり、日高のところで1vs2の数的不利が起こっていました。日高はシャドーのような一を取っていた郷家にピン止め状態であったため、サイドの選手へのプレスも遅れてしまいました。
　ここでCBが前に出て潰すのか、FWがプレスを我慢して相手の最終ラインに持たせるのかをはっきりさせるべきでした。小森のプレスに対してどういう声がかかっているのかわかりませんが、たまに単騎で行ってしまう場面も見られるので、もう少し小森のプレスを後ろが声掛けをしてコントロールしてほしいです。

②後半の修正

　後半は2トップを縦関係気味にした4-4-1-1の形で守備をしました。少しSHを高めに設定しているようにも見られ、SHが3バックに対してアタックしやすくなったことで前プレ→回収といったシーンを前半よりも増やすことができた印象です。2トップを縦関係にしたことで相手ボランチに蓋をしながら守備をすることができ、前半のような中盤での数的不利を解消することができました。この修正は良かったです。
　ただ、仙台もジェフにボール保持されている時間帯に梁や遠藤を投入し、ボールをキープしてゲームを落ち着かせることのできる選手を増やしたことで、仙台にボールキープをされる展開が増えてしまいました。仙台の交代枠の使い方が上手く、試合終盤は攻め込む時間帯を減らされてしまいました。

・最後に

　最終ラインが待たされた時はこれからも課題になると思います。引きつけてリリースする、運ぶ意識がもっともっと必要です。
　次は町田戦、首位相手ですが勝とう！