第17節　栃木SC戦

　こんにちは、私です。
　栃木戦は1－0で勝利し、これで3連勝となりました。
　前半からチャンスを作り、相手には決定機をほとんど作らせず、主導権を握りながら試合を進めることができました。欲を言えば複数得点が欲しかったですし、長いボールを蹴りすぎてたようにも思いますが、裏を突くというチームの狙いを明確に表現し続けることができていて良かったです。

J2リーグ　第17節
ジェフユナイテッド千葉　1－0　栃木SC

スタメン

・2トップの採用と背後を狙った攻撃

　この試合は2トップを採用して相手のDFラインの背後を狙ったロングボール、動き出しが多くなりました。DFラインの背後を突くという狙いはしっかりと表現できていて、チャンスを多く作り出しましたが、もう少し繋ぐ意識も必要なように思いました。

①前線の動き出し

　3-4-2-1の栃木に対して2トップを採用して、FWの2人がDFの背後を狙い続けました。

　2トップを採用した理由はミスマッチを起こすため。

相手のシステムを考えて、今回は少し立ち位置を変えました。それによって走りやすくしたというか、相手の背後を取りやすい状況を作り、しっかりと背後を取っていこうというプランで臨みました。

　小林監督も背後を取りやすくするために立ち位置を変更したと言っていました。
　図のように3バックに対して2トップでDFの間を走らせるイメージがあったと思います。間に走ることで1人で2人のプレーに影響を与えることができる。渡邉晋さんの本でもこういった背後への動きは書かれていました。

　FWが相手のDFラインと駆け引きし、積極的に背後を狙うことで、相手のDFラインは低くなる。その結果、バイタルエリアに広大なスペースができ、セカンド回収で優位に立つことができました。
　やはり小森のオフザボールがめちゃくちゃ上手かったです。風間のロングボールを胸でコントロールしてシュートにもっていったシーンでは、マークについている相手DFの視野から消えて、相手DFの背中を取ってボールを引き出していてとても素晴らしいオフザボールの動きでした。

②繋ぐ意識の低下

　背後を狙う、相手のDFラインを下げさせるというチームの狙いを試合を通して表現することができていたのは良かったですが、ロングボールを蹴りすぎていたようにも思いました。
　例えば、66分に西久保がアーリークロスをあげたシーンでは、DFラインの前でボールを引き出す選手がいればフリーでボールを受けて決定機を作り出すことができたと思います。
　このような蹴りすぎていると感じたシーンは少なくなかった印象で、前線の選手の体力的にもきつかったはず。もう少し落ち着かせることも必要だったように思いました。蹴りすぎてしまうことで簡単にボールを失い、カウンターを受けるようなオープンな展開となることも考えられるためリスク管理の意味合いも込めてもっと繋ぐ意識を持つべきでした。
　背後を狙う動きをすることでDFラインは下がり、その結果、バイタルエリアのスペースが空いてくる。相手の守備ブロックの状況に応じて蹴るのか、丁寧に繋いでいくのかを柔軟に判断して攻撃をすることができればもっともっと強いチームになっていくはず。

・右サイドの幅取り役

　田中が外れて風間が右SHで起用されました。中央のスペースを使う狙いなどがあったと思いますが、幅取り役だった田中を外したことで右からの攻撃がしにくくなったようにも思いました。

　右SHに入った風間は大外で張るよりも内側で受けて活きるタイプで、図のような位置取りを取りボールを引き出していて、この試合では右サイドの幅取り役となったのは西久保でした。ただ、西久保は突破力やスピードのあるタイプではなく、大外に張って違いを生み出せる選手ではありません。CBよりのSBという感じで、3バックの右（右IB）が適正ポジションのような印象で、西久保の得意ではないことをやる形となってしまいました。また、SBが幅取り役ということで高い位置に立ち位置を取るのに少し時間がかかってしまいます。そのため、右サイドは高い位置で幅を取ることができずに、幅を使ってサイドに振って振っての攻撃ができず、攻撃にスムーズさを欠いていたような印象でした。実際にDAZNで前半の平均ポジションのようなものが紹介されていましたが、左サイドでは高い位置で幅を取れていたのに対して、右サイドは風間・西久保の両選手が低い位置となっていて、高い位置で幅を取ることができていなかったことがわかります。
　中間ポジションで受ける風間は効いていましたが、田中を外したことで右サイドからの攻撃はしにくくなってしまいました。試合前から予想はできましたが、風間・西久保の右サイドの組み合わせは合わないように感じました。
　ただ、後半途中から米倉が右SHに入ったことで、右サイドでも高い位置で幅を取れるようになり、実際に小森のゴールは右サイドで幅を取った米倉のクロスから生まれたものでした。

　ボール保持時は図のような逆台形のような配置になるのが理想的だと考えています。高い位置で幅を取って攻めることで、守備者が視野に入れにくく、ボールの出所も絞りにくくなります。SBにボールが入っても2つ以上のパスコースを確保でき、嵌りにくい。

　逆に台形のような形は、中央に人が集まって密集ができ、潰されやすくなってしまう最悪な配置です。相手の守備者にとっても守備がしやすく、SBに中を切ってプレスに行けば嵌めやすい。
　このようにボール保持をしやすくするためにも高い位置で幅を取って逆台形のような配置を作ることはとても重要なのです。

・最後に

　相手の特徴に合わせてチームの狙いを表現できたのはめちゃくちゃ収穫だと思います。違った内容でこの3連戦を3連勝できたのはとても大きい。ただ、まだまだ課題は多いですし、そういうところを修正してさらに強いチームになってほしいです。
　仙台戦も勝って勢いに乗りましょう！