第24節 大宮アルディージャ戦
こんにちは、私です。
大宮戦は1－2で敗戦し、大宮に久しぶりの勝点3をプレゼントしてしまいました。大宮に割り切った守備をされて、ジェフは大宮のブロックを攻略することができませんでした。ただ、この大宮のブロックがめちゃくちゃ堅かったかというとそういうわけでもなかった。ボールホルダーや間受けする選手への寄せが甘く、背後も意外と簡単に取れていました。このブロックを崩すためのアクション（運ぶドリブルなど）をもっと起こさなければいけません。失点に関しても一瞬のスキを突かれて与えてしまったものでこれは監督も口酸っぱく言っているはず。このような失点を減らしていかないと上位には食い込めません。
J2リーグ 第24節
大宮アルディージャ 2－1 ジェフユナイテッド千葉
・大宮のブロックとアバウトなクロス
大宮は5-4-1のブロックを作って割り切った守備をしてきました。ただ、堅いブロックだったかというとそうではなかったように思います。
ボールホルダーや間受けした選手への寄せは緩く、サイド裏も意外と簡単に取れていて、クロス対応も怪しかった。特に後半はアバウトなクロスを放り込むことが多かったですが、ここから日高のゴールも生まれました。
ただ、ジェフはこの大宮のブロックを崩しきれなかった。特に前半に関しては無でした。
こうなってしまった原因は相手にリズムを合わせてしまったことでこれについては監督も試合後にコメントをしていました。
―― 「戦術以前のゲーム」という話でしたが、これまでどおりサイドのパスワークから相手のブロックを剥がしていこうという姿勢が見られた中で、相手に想定どおりの対応をされてしまった。それについては用意していたプランが表現できなかったということでしょうか？
というよりも、とにかく相手のテンポでサッカーをずっとし続けたということが一番だと思います。相手のブロックがまったく動かなかったと思いますし、間（のスペース）に入れたボールを引っ掛けられてのカウンターというシーンがすごく多くありました。
もちろん、間に入れていこうという狙いはありましたし、実際に入ったシーンもありましたけど、それでも自分たちの狙いの部分はほとんど出せませんでした。最終ラインのところで相手の1列目を外すテンポの部分で相手のブロックをまったく動かすことができなかったので、相手を困らせることができませんでした。そこが、相手の狙いどおりの守備につながってしまったと思います。
大宮がボールホルダーへの寄せが甘く、余裕を持ってボールを持つことができましたが、逆にそれによってどうしようか困っているようにも見えました。後で書きますが、寄せて来ないのなら運んで相手を引き付けてリリースするといったアクションを起こさなければならなかった。相手が動かないのなら自分たちで動かすという意識が必要でした。
また、この試合はSHだけ前節からメンバーを変更しました。高木と米倉はケガの多い選手ですし、ここを変えたのは納得できます。ただ、スタメンに抜擢された新明と田中は裏に抜けてボールを引き出すことを得意とする選手でこの日の5バックで引いて守る大宮とは相性が悪かった。ボールキープできて旋回などコンビネーションを得意とする選手（高木）、個で剥がすことのできる選手（椿、末吉）がこの試合には合っていたと思います。
後半は前述したようにアバウトなクロスボールを送ることが増えました。前半にもクロスが反対側まで抜けることが多く、クロス対応の怪しさが大宮にはありました。実際に大宮は後半もクロスボールの対応が悪かったですし、前半からこうした雑な攻撃でもよいのでもっとチャレンジをするべきでした。受け手側にスペースがない状況で縦パスを差しこむことをチャレンジするのはNGですが…（カウンターを受けるリスクが高まるため）。
・運ぶドリブルと中盤の立ち位置
大宮は引いて守り、ジェフの最終ラインにはほとんどプレスをかけてきませんでした。そのため、CBが持ったときに相手が動かず、出し所がない状態になり困っているようにも見えました。
相手がプレスに出てこないのなら、自分たちでアクションを起こし、相手を引き付けなければいけません。
相手がプレスに出て来ず、前にスペースがあるのなら運んで相手を引き付けなければいけません。相手を引き付けることで次の受け手に時間とスペースを与えることができます。この試合の大宮はCBに対してほとんどプレスをかけて来なかったため、このように運んで相手を引き付けるアクションを起こさなければいけませんでした。
CBが運ぶアクションを起こすことが少なかったことで、図のように中盤の選手がムダに降りてきてしまい、後ろに重たくなってしまうシーンも多かった印象で、相手FWを牽制する立ち位置を取れていないことも多かった。
大宮はシャドーの選手が出てくることもありましたが、基本的には1トップであるためFW脇から運びやすかったはず。だからこそ、相手の2列目を引き出すためにもコンドゥクシオン（運ぶドリブル）のアクションをもっともっと起こさなければいけませんでした。
・CB－SBの距離
ビルドアップ時にCBとSBの距離が遠く、CBのパスコースがない状態になっていることが多いのでここは修正しなければいけません。
図のようにSBが開くことが多いですが、SBが最初からサイドに張ってしまうとCBからボールを受けにくく、CBからのパスコースが減ってしまいます。
また、日高はハーフレーンに入っていくことが多いですが、CBが開いていない状態でこの動きをしてしまうと、CB→SHが繋がらず、サイドへのパスコースが減ってしまいます。
また、後半はSHを中に入れて、SBを張らせる立ち位置を取らせていましたが、CB－SBが繋がっていないことが多かったように思います。特に大輔が中央に寄り過ぎた立ち位置を取ることが多く、右サイドの大輔→髙橋のパスコースは繋がっていないことがほとんどでした。
SHを中に入れてSBを張らせる立ち位置は相手のCBとSBの間から裏を取っていくこと、クロスに合わせるボックス内の枚数を増やすことが狙いだったと思います。ただ、SBが張って、SHが絞ることでパスコースが限定されやすく、SBの選択肢を少なくしてしまいます。SHを中に絞らせている狙いも理解はできますが、SBの選択肢を増やすためにも低い位置で受けるSBは絞らせてボールサイドのSHはサイドに張らせた方が攻撃がスムーズにできるのではないかなと思いました。
本題に戻ると…CBからサイドへのパスコースを作らないとスムーズにビルドアップを行えません。上の図の右サイドのようにSBを絞らせてSHをサイドに張らせるか、左サイドのように中盤の選手に中継地点の役割をしてもらって、SBを高い位置に上げてSHを絞らせるような立ち位置を取らなければいけません。
直近の試合ではCB－SBの距離が遠く、繋がらないことが散見されるため、サイドへのパスコースを確保するためにもここは修正しなければいけません。
・最後に
引いて守り、プレスに出てこない相手には運ぶドリブルなどのアクションを起こさなければいけません。運んで相手を引き付ける意識が高かったらもっとチャンスを作ることができていたと思います。選手同士の距離感も修正しなければいけません。
最下位を相手に久しぶりの勝利をプレゼントしてしまうダメージの大きい敗戦となりましたが、切り替えなければいけません。水戸戦のような試合を繰り返さないためにも切り替え、頭を整理して次の金沢戦に臨んでほしいです。