
第37節 ファジアーノ岡山戦
こんにちは、私です。
好調岡山との試合は5-0で完勝。これでクラブ最多タイ記録となる、2017年以来の7連勝を達成しました。内容も素晴らしく、完勝と言ってよい内容でした。
J2リーグ 第37節
ファジアーノ岡山 0-5 ジェフユナイテッド千葉

・相手を圧倒した前半、ジェフの攻守での狙い
前半は好調な岡山を相手に試合のペースを握って圧倒。前から嵌めこむプレスであったり、ロングボールを多用したボール保持がうまくハマっていました。また、トランジションにおいても相手を圧倒。トランジションの速さによって守→攻ではチャンスを生み出し、攻→守では即時奪回で再び攻撃に繋げたり、カウンターを防いだりすることができました。前半は狙いを持ったボール保持、連動したプレス、トランジション、球際、出足の速さなどなどすべてにおいて岡山を上回っていました。
①保持での狙い
この試合の保持でのテーマは、
・SBのところで相手を釣り出すこと
・ラインブレーク
の大きく2つであったと思います。
勿論、細かく繋いでの崩しも狙いを持っていたとは思いますが、この2つの狙いがハマったことによって岡山の守備を圧倒することができました。

ジェフの攻撃配置、岡山の守備配置を当てはめると図のような立ち位置になります。岡山は守備時5-3-2の形になります。

ただ、岡山の守備配置的にジェフのSB(髙橋、日高)へとプレスをかけにくい構造になっており、IH or WBがジェフSBへとプレスへ出て行く形を取っていましたが、プレスへと出るには距離がある状況になります。

SBの髙橋に対して岡山のIHが出てきたら、その分中盤が空くため、アンカーの田口やIHの風間へのパスコースが生まれます。ここで田口も風間もマークにつかれていたら、呉屋が降りてボールを受ければ、前進&プレス回避をすることができます。

SBの髙橋に対して岡山のWBが出てきたら、幅取り役の田中を走らせるロングボールを送ることができ、佐々木を介して同じようなボールを送るシーンもありました。

もし、スライドされ出し所がなくなったら、逆のSBへとサイドチェンジ。図のようなサイドチェンジのボールを送ってプレス回避をするシーンは多く見られ、岡山のプレスを無効化することができていました。
こうした岡山の守備配置の構造的にフリーになりやすいジェフのSBが攻撃の起点となっていて、髙橋・日高は技術も高いことから、ボール保持を安定させることができました。
また、ラインブレークの動きをして相手の背後を狙うことも徹底されていました。

上で述べましたが、岡山の守備配置的にジェフのSBは空きやすい状態で、ここには IH or WB が基本的にプレスをかけてきました。
WBがジェフのSBへプレスをかけてくるとCB脇が空くこととなり、ここに後ろからロングボールを送り込んで、田中やドゥドゥを走りこませてチャンスを作っていました。

また、岡山はライン間で浮く風間や降りる呉屋などに対して釣り出て捕まえてくるような守備をしてきました。そのため、図のようにDFラインのところでスペースが出るような状況になり、WBのカバーがいない状況になる。DFラインの背後に田中を走らせるボールを送り込めば、WBとの1vs1の状況になり、WBに難しい対応を迫ることができます。
/
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) March 25, 2023
ジェフ!ジェフ!ジェーーフッ!!
千葉の新エースが今シーズン4得点目を記録し、サポーターと共にガッツポーズ🙌
\@jef_united
🎦 ゴール動画
🏆 明治安田生命J2リーグ 第6節
🆚 千葉vs岡山
🔢 1-0
⌚️ 55分
⚽️ 小森 飛絢(千葉)#Jリーグ#千葉岡山 pic.twitter.com/Ns4VZpMYhj
そもそも岡山は裏ケアが苦手なのかなと印象があります。岡山は前線の選手の守備があまり上手くなく、パスコースの制限をかけることができていなかったですし、CBの柳はスピードに長けたタイプではないと思います。前回対戦は小森が岡山DFラインの背後を抜け出してゴールを決めました。
この試合でも背後を突いた動きが起点となって2点目のドゥドゥのゴールが決まっています。
#10月1日#第37節 #ファジアーノ岡山 戦
— ジェフユナイテッド市原・千葉(公式) (@jef_united) October 1, 2023
ゴールシーンをPLAYBACK🎥
20分
前線に長いボールを入れたのち、つないだボールを#ドゥドゥ 選手が技あり右隅へファインゴール⚽️✨
DAZN視聴💁♀️https://t.co/JtKiOqCnM1 #jefunited#今こそWINBYALL2023 pic.twitter.com/s8fcw1ahQN
このゴールは日高が後ろから勢いを持って走りこんだことで岡山のDFとしては捕まえにくかった。

DFラインと距離を取ったところから勢いよく背後へと走ることで相手は対応しづらくマークにつきにくい、かつオフサイドにかかりにくくなります。
このようにジェフは再三DFラインの背後を取ってチャンスを作っていましたし、岡山のウィークを突いた攻撃をすることができました。
②非保持での狙い
非保持では高い位置からプレスをかけ、ロングボールを蹴らせて回収する形で狙い通りの守備をすることができていました。

岡山のIBに対してはSHの田中やドゥドゥがジャンプしてプレス。WBに対してはSBの髙橋や日高がスライドして対応していました。
前からパスコースを制限して出し所をなくし、ロングボールを蹴らせる。こういった守備が前半はよく機能していて、岡山のビルドアップに問題があったこともありましたが、守備・プレスでも相手を圧倒することができました。
③トランジションの速さ
この試合でもトランジションで相手を上回り、セカンド回収やカウンター阻止ができていました。特に38分から39分の一連のシーンは即時奪回を2回、さらにカウンター阻止をしていて素晴らしかった。
まず、ペナ前で田口の横パスを一度奪われかけますが、見木がすぐに切り替えて即時奪回。左サイドからの攻撃に繋げています。さらに相手にクロスを処理され、ジェフの右サイドから運ばれかけますが、ここへ田中がスプリントをかけてボール奪取。その後相手にボールを奪われてカウンターを受けますが、田中がプレスバックでディレイに成功。その間にほとんどの選手が自陣に戻り、岡山のカウンターを阻止することができました。
前節のレビューでも書きましたが、こういったトランジションの速さが今のジェフが強い理由だと思います。しっかりとベースとして積み上げてきたものが今のジェフを支えています。これができれば簡単には負けません。
・攻め続けた後半と終盤の戦い方
後半は早々に得点を取れたこと、相手が1人退場したことで試合を決定づけることができました。ただ、後半途中から1人少ない相手に押し込まれる状態に。インテンシティの低下、ルカオが入ったことで少し劣勢気味になり、仕方ないところもありますが、試合運びはもう少し突き詰めていきたいところです。
①試合を決定づけた4点目とDOGSO
後半早々に4点目を取り、試合を決定づけることができました。
#10月1日#第37節 #ファジアーノ岡山 戦
— ジェフユナイテッド市原・千葉(公式) (@jef_united) October 1, 2023
ゴールシーンをPLAYBACK🎥
49分#田口泰士 選手のロングボール#田中和樹 選手の右サイドクロス#ドゥドゥ 選手が身体を張り#呉屋大翔 選手につながったパス
見事な反転シュート⚽️✨
DAZN視聴💁♀️https://t.co/JtKiOqCnM1 #jefunited#今こそWINBYALL2023 pic.twitter.com/ttS8REO5xq
このゴールはまず動画の前のシーンでGK+2CBで相手のプレスをいなしてライン突破できたのが良かった。やはり、岡山は前線のプレスがあまり上手くなく、容易に外すことができました。また、日高→呉屋→田口と繋いで、ラインブレークした田中へ。このシーンは前述したような形で、呉屋が降りビルドアップに参加したことで相手のDFが釣り出て、田中が相手DFの背後を取りやすくなりました。これもラインブレークなど狙い通りのプレーをすることができた素晴らしいゴールでした。
その後、髙橋のロングボールに反応した田中がラインブレークで相手の背後を取って抜け出し、ファールをもらいました。これがDOGSOの判定となり、岡山の高橋が一発レッドで退場。これで数的優位になり、ほぼ勝ち確となりました。このレッドカードも再三狙っていたラインブレークで抜け出したことで出たもので、試合を通してラインブレークという狙いは良くハマっていました。
②終盤の戦い方
終盤は一人少ない岡山を相手に若干劣勢気味になってしまいました。
こうなった要因は
・運動量の低下
・ルカオ投入
・プレスをかけて来ない相手へのアクションが少なかったこと
だと思います。
前半からトランジション速く、ハードワークしていて、あの時間帯に運動量が落ちてしまうこと、運動量が落ちた時間帯でフィジカルの強いルカオが入り、跳ね返せなくなってしまったため、ああいった展開になってしまうったのは仕方ないことなのかなと思います。ただ、もう少しボール保持で急ぎ過ぎずに、落ち着かせる時間帯を作りたいなと個人的に考えています。
ただ、小林監督は、
今日のゲームはもっとゲームをコントロールして、GKを使いながらもっと余裕を持ってプレーしたり、わざわざ自分たちからボールを奪いに行かなくてもいいという考え方もあると思います。ただ、僕らは追加点を取りに行くことにチャレンジし続けることで、チームとしての力を上げていこうと考えているので。“コントロールすること”を考えてしまうとパワーを出しきれない部分が必ず出てくる。それは自分たちの考えにはない。前に出るんだという共通意識を持てているので、選手たちもしっかりとそれを表現できていると思います。
と試合後にコメントしています。
勿論、私も追加点は取れるなら取りに行くべきだと思っていますし、攻勢を弱める必要はないと思います。ただ、体力のセーブ、オープンな展開にならないようにするためにもボール保持で落ち着かせて、攻め急がないことは必要だと思います。磐田戦や藤枝戦はオープンになったことで劣勢になってしまいましたし、仮にJ1に上がったとしてオープンな展開になると選手の質で負けてしまいます。そういった意味でも落ち着かせることは必要だと思います。
また、岡山があまりCBにプレスをかけて来なくなったことも劣勢気味になってしまった原因の一つだと思います。
栃木戦のレビューでも書きましたが、ジェフのCBは運んで相手を引き付けるなど、相手を釣り出して味方に時間とスペースを提供するアクションができていないことが多い。この試合の終盤もCBが前にスペースがある状態なのにもかかわらず、ロングボールを蹴ってしまうことが多く、相手に拾わるシーンが増えてしまいました。もっと運ぶなどアクションを起こしていかなければいけません。
・最後に
この試合で7連勝となり、他のチームの結果も含めてかなりジェフに追い風が吹いているように思います。ただ、何が起こるかわからないのがサッカーですし、個人的には正直、まだまだ不安に思うところもあります。選手は監督によって、しっかりとマネジメントされてると思いますし、自信過剰になる雰囲気にはならないはずですが、こういった状況だからこそしっかりと気を引き締めていきたいところ。これはサポーターである私たちも意識していかなければいけないと思いますし、残り5試合浮かれずに選手の後押しをしていきましょう!