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第28節 レノファ山口FC戦

 こんにちは、私です。
 山口戦は4-0で快勝。試合序盤はプレスが嵌らず、前進されてしまう時間帯が続きましたが、飲水タイムを前に風間のゴールで先制。そこから試合のペースを握り始め、ドゥドゥと大輔が追加点を奪って3-0で前半を終えます。後半は山口が攻勢を強めますが、危ないシーンは作らせず。途中から荒れた試合展開となりましたが、日高のFKでリードを広げ、今季最多の4得点&クリーンシートで試合をクローズさせました。久しぶりの大脱走、最高でした!

J2リーグ 第28節
ジェフユナイテッド千葉 4-0 レノファ山口FC

スタメン

・苦戦した立ち上がりと徐々に効いたプレス

 結果的には4-0で快勝しましたが、立ち上がりは苦しい展開に。小林監督も試合後にこのようにコメントしています。

スコアとしては4-0という形になりましたけど、試合開始から最初の15分くらいまでは圧倒的な相手の強度に押されましたし、そこで失点してもおかしくなかったかなと思います。そういう試合の入りでした。そういった意味では、まだまだ強度や質を高めていかなければいけないと。ただ、このゲームに関してはそこで粘り強く、我慢強く、苦しい時間帯を抜けたというところと、少ないチャンスをしっかりとモノにできたところでゲームの流れを持ってくることができました。そういう試合だったと思います。

 立ち上がりは山口のビルドアップに対してうまく前から嵌めることができず、前進を許してしまう展開が続きました。ただ、先制点&飲水タイムをきっかけにプレスを修正することができました。

 山口は後ろを3枚で回すことが多く、左SBの前が中盤に入る偽SB的な形でボール保持をしてきました。

 ジェフはいつものように左SHを押し上げて、相手の右IBを牽制。中盤に立ち位置を取る前に対しては田中がそのまま対応しました。SBが中盤に立ち位置を取り変則的な形を作る相手にそれなりに対応できていたように思います。

 ただ、アンカーの神垣がサリーダして最終ライン3枚になる形に対しては少し苦労していた印象です。相手のアンカーが落ちて相手の右SBがそのままSBの立ち位置を取ることで、ジェフの左サイドではマークの受け渡しをしてドゥドゥを押し上げることができず、ジェフのトップvs山口の最終ラインで2vs3の数的不利を作られてしまいました。ここで前からのプレスがうまく嵌らず、前進される形となってしまいました。

 山口はサイドチェンジからのWGがカットインしていく形を狙っていたように思います。ただ、これに関しては髙橋や日高などで対応しきることができました。山口のWGは突破力があるという感じではなく、このサイドチェンジの展開を活かすことができていなかったように思います。立ち上がりはボール保持、前進されることが続きましたが、攻撃に怖さがあるわけではなかった。山口はサイドからゴールに迫ることが多かったですが、クロスの質が低く、WGに突破力があるわけでもなかったため、ジェフとしては崩されることなく、耐えることができました。山口はWGの質の部分が課題ですね。
 あとはアンカーの神垣がサリーダし、最終ラインに入ることによって前線との分断が起こってしまっていました。前半序盤は矢島が低い位置でプレーすることが多かったため、前線と最終ラインの分断は起こっていなかった。ただ、試合が進むにつれて分断してしまったり、IHの位置が高いといったシーンが多くなった印象です。
 ジェフは先制点&飲水タイムによって一度頭を整理することができ、プレスがはっきりしました。おそらくプレスが嵌りだしたきっかけは17分の前プレから髙橋がインターセプトしてファールを受けたシーンだったのかなと思います。少し迷いが生じていたプレスをこの17分のプレーと先制点、飲水タイムではっきりさせて、修正することができました。

・4得点の要因と距離感の課題

 今季最多の4得点を取って快勝。その一番の要因はカウンターの迫力が増したことだと思います。町田戦でもそうでしたが、守→攻のトランジションが速く、前にかける人数も増えているような印象を受けます。この試合も前進するボールホルダーに対して周りのサポートによって複数の選択肢を作ることができていました。
 また、人に対して強く来る山口に対して間受けして前を向く風間と背後を狙う小森がよく効いていたと思います。得点には繋がりませんでしたが、小森の背後を取るアクションは相手DFにとって厄介だったはずです。
 ただ、佐々木からのパスコースが少ないという問題は引き続き起こっており、日高などのポジショニングを修正してあげなければいけません。

①裏を狙う小森と間受けする風間

 エスナイデルといえばハイラインハイプレス。この試合の山口は5、6年前のジェフよりも全然低いライン設定になっていましたが、ハイプレスで高い位置でのボール奪取を狙ってきました。結構人を捕まえに来るような形で、特に降りる風間に対してヘナンがしつこくついて行くようなシーンが多かったように思います。

 風間が降りてもヘナンがついて来て12分のシーンでは簡単に前を向かせてもらえず。途中からそこまで出て来なくなった印象ですが、前半序盤は結構ヘナンが前に出てくることが多かったように思います。
 ヘナンが降りた風間について来るということは中央のスペースが空くことになります。ヘナンを釣りだしやすいというスカウティングをしていたと思いますし、このスペースを小森などが突くことはチームの狙いとしてあったはず。小森は積極的にラインブレイクを狙っていました。
 山口のラインはそれなりに高く、オフサイドになるシーンが多かった。ただ、小森などのラインブレイクの動きは中盤にスペースを生むという意味でとても効いていたと思います。

 小森などが相手DFラインの背後を狙うことで相手のDFラインを牽制し、ラインを下げさせることができる。その結果、山口の前線と最終ラインを間延びさせ、風間が間受けしやすい状況を作り出しました。直接風間がボールを引き出すというよりもセカンドを回収して前を向くシーンが多かった印象です。
 小森の動きは直接得点に繋がったわけではありませんし、オフサイドになることが多かったですが、小森などが相手DFラインの背後を狙い続けたことで山口の前線と最終ラインを間延びさせて中盤でのバトルを優位に進めることができました。

②カウンター

 ここ最近の試合はカウンターの迫力が増していて、これが勝点を拾えるようになった要因の一つだと思います。

 例えば、2点目のシーンではドゥドゥが奪って田中に出しますが、髙橋がすぐにスプリントをして、田中を追い越しています。この髙橋のプレーのように守→攻のトランジションが全体的に速くなっているような印象です。町田戦でも迫力あるカウンターをたくさん発動させていましたが、奪った後のトランジションが速く、迷いなく後ろから追い越し、カウンターにかける人数を増やせていることがカウンターの完結に繋がっています。
 また、シュートを打つ意識、特に田中のシュート意識が高くなっているように感じます。2点目のシーンはこぼれ球をドゥドゥが押し込んだものでしたが、きっかけとなったのは田中のシュートでした。41分のカウンターのシーンでは、田中がドリブルでゴール前まで運んで自らシュートを打ちにいきました。枠を捉えることはできませんでしたが、良い選択だったと思います。シュートで終えるということは間違いなく良いことですし、相手にとっては嫌でしょう。前半序盤のシュートはノーゴール判定となり、少しついていない田中。今季ゴールという結果こそ出ていませんが、田中がゴールを奪う日はそう遠くないはず。間違いなく前半戦よりも成長していますし、早く報われてほしいです!

③佐々木からのパスコース

 SBの日高の立ち位置が高すぎて佐々木からのパスコースが縦しかないことが多いように思います。佐々木に複数の選択肢を与えるためにも日高の立ち位置の修正やボランチが降りてくるなど工夫しなければいけません。

35分

 35分のシーンでは、佐々木が持ったところで日高がそのまま上がってしまい、降りてきたドゥドゥへのパスコースしかない形になり、サイドへのパスコースがない状況になってしまいました。
 ドゥドゥは降りてきている=ゴールに対して背を向けている状況ということで相手DFに寄せられやすく、ボールロストするリスクを高めてしまいます。

 佐々木からゴールに対して背を向けた選手へのパスコースしかないという状況は直近の試合でも多くあって、見木などのキープ力、選手の質によってなんとかなっていますが、ボール保持を安定させるためにも前向きな選手へのパスコースを作りたいです。

 サイドへのパスコースがない、前向きな選手を作れていないという問題の解決策の一つが日高が高い位置を取り過ぎないということ。
 日高が低い位置で張らず、図のような立ち位置を取り、左SHの選手を高い位置で張らせ、対峙する相手と距離を取った立ち位置でボールを受けさせることで、選択肢を増やすことができます。

 佐々木が図のようなサイド寄りの位置を取っているのであれば、日高は高い位置を取るべきで、周りの選手との距離感を意識し、パスコースを作れているかを考えてプレーする必要があります。

 解決策その2は、ボランチをSBの位置に落とすこと。
 ボランチが中継地点作りを担うことで選手間の距離感を保ちながらSBの立ち位置を押し上げることができます。田口がこの試合の見木の位置で使われていた時によくやっていた役割です。見木がこの位置で使われるようになってからSBの位置までボランチが落ちる動きが減っていてこれが日高の立ち位置の問題を目立たせてしまっているように思います。
 日高がハーフレーンに入っていく動きなど選手たちの工夫が見られるのはとても良いですが、距離感を意識しながら立ち位置を考えなければいけません。

・最後に

 今季最多の4得点を取れて、クリーンシートで終えることができた素晴らしいゲームでしたが、小林監督が言っていたように試合の入りは改善しなければいけません。他にも選手の距離感の問題などを修正してもっと良いチームになってほしいです。
 次は徳島戦。徳島は下位に沈んでいる状況ですが、私が見た試合(山形戦)は相手のプレスをいなし、完全にゲームを支配していました。運んで相手を引き付けることなどもできており、めちゃくちゃ良いチームだった印象で、柿谷やエウシーニョ、西谷など個の力もあります。徳島のビルドアップに対してプレスをどれだけ嵌めることができるか、どれだけ崩されずに粘り強く守って、カウンターを発動させることができるかがキーになると思います。見木を出場停止で欠く苦しい展開ですが、ここを勝てばさらに勢いに乗れるはず。上位を目指すためにも勝点3が欲しいですね。


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