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麻雀相談所何切る~差し込みの待ち読み
麻雀相談所に投稿させていただきました。
今回はその中の1つを詳細に深掘りしていきたいと思います。
麻雀相談所とはリツミサンのつくったiOSアプリのことです(iPadやiPhoneの専用アプリです)。
こちらからダウンロードできます。
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問題のシーンを最初から振り返ってみたいと思います。
オーラストップ目。
自分の手はいまいちなんで、3種の字牌を抱えながら手を進めていきます。
和了りにいくなら役牌かタンヤオかなというかんじで、親が怖いのでリーチを打つ気はさらさらないです。
そう思っていたら親が自分の切った8mをポンしてきました。
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東家、8mポン打西とします。
この鳴きは自分にとっては好都合で、自分の手は和了りにいけるほど整っていないので、ここはひとまず親に和了って連荘してもらって、仕切り直しとしてもらいましょうというかんじでした。
ドラの1sも見えていて、クイタンっぽい仕掛け。
2900程度なら和了ってもらってもラス落ちの脅威とはならないし、2~3副露もさせれば2位の南家もトップ取りを一旦諦めてオリに回ってくれるかもしれません。
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そう考えて次は6pを切って親にアシストしにいきます。
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同巡、南家が切った3pを西家がチーして打2sとしてきました。
これもありがたいですね。
ドラも切っているし、安そうで、明らかに3確目的の仕掛けです。
これに対しては
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私もすかさず動きます。
ションパイの發を切って鳴かせにいきました。
19牌が絡んだ仕掛けなので、クイタンではないし、役牌バックの仕掛けだろうと。
場をよく見ると、9pが4枚見えていて、クイイッツーの可能性も否定されているし、索子12のペンチャンを払っていることから、クイ三色の可能性も低そうです。
この対局の牌譜は今から3年前くらいのものになりますが、我ながらなかなか機敏に反応したと言えます。
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次巡、自分は2sを切りました。
これは正直よくわからない状況で、親に連荘してもらうつもりだったが、西家も動いてきて、自分のトップを助けてくれそうになってきています。
それを邪魔するのもまずいかなと思い、親へのアシストは中断しました。
9sとか3pとかを切っても良いですが、南家への安牌は残しておきたいと思い、比較的親に鳴かれにくそうな2sを切った気がします。
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次巡、親に絞り気味に9sを切りました。
これも正直よくわからない打牌で、南家に対する受けが弱くなりすぎてしまうかなと思います。
もしかしたらもう一発西家が鳴くかもしれないんで、ションパイの中を切っても良かった気がします。
親は西のトイツ落としでかなりクイタンっぽく見えて鳴かれにくそうですし、南家は割と平凡な捨て牌でホンイツっぽくもなく、中を鳴かれても打点が満貫に届かないと思うので、切っても問題はなさそうです。
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次に私は4sを切ります。
これもいまいちよくわからない選択で、先ほど同様、切るなら中が良かったかなと思います。
将来的に南家が押してくることを考えて、字牌には手がかけられなかったんだと思います。
しかしこれをたまたま西家がポンしてくれました。
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西家、4sポン後、打7sとします。
ここが問題のシーンとなります。
ここから何を切るか。
西家の3副露目で、体感的には95%以上はテンパイしているかんじです。
でも親も仕掛けているので、なるべく親に鳴かせないように差し込まないといけません。
もたもたしていると、親の手が進んで差し込みに行けなくなるかもしれません。
もし外したら親の手も進むことになり、うっかり親に放銃するリスクも高まります。
なので、できれば一発で西家に差し込みたいんですよね。
そのためには西家の手牌を読んでみる必要がありそうです。
西家の手牌は今どうなっているんでしょうか?
西家の3副露目は4sポンして打7sです。
この7sは関連牌の可能性が高そうですね。
799からだったら先に切られた9sをポンしてそうですし、667も先に5s切られているので、面子を自らぶっ壊してることになります。
これはほとんどの場合、788から7を切ったということが多いでしょう。
西家は8sのトイツを持っていますが、8sと何かのシャンポン待ちってことはなさそうです。
788と手の内にあるなら8を切って6-9の両面待ちに取れます。
6sと9sが四枚見えなので確実に否定は出来ませんが、両面待ちを捨ててシャンポン待ちに取るってこともあまりないでしょうから、8sはヘッドになっていると見ます。
778から7を切って6-9s待ちってことも考えられるのですが、これも可能性は低そうです。
何故なら7巡目あたりで西家は5sを切っているからです。
6-9s待ちになっているとしたら、8s以外で他のどこかにヘッドが存在することになりますが、仮にこのヘッドが2mだったとします。
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西家はこんなかんじの手牌から5sを切っていることになりますね。
さすがにこの形だったら4sか7sを切るのが普通じゃないかと思われます。
ということで十中八九、西家の手には8sのトイツ(ヘッド)があります。
8sは待ちには絡まず、ヘッドになっており、萬子か筒子のどこかが待ちになっているでしょう。
ここで西家が5巡目あたりに手出しした5pに注目してみましょう。
4sをポンするよりも前に切られていて、2sを切るよりも後に切られています。
つまり4sのトイツに対して、2sのカンチャンフォローは必要ないということ。
それよりも優先して持っていた5pはけっこう重要な牌です。
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麻雀相談所の大和田さんによる回答ですが、鋭い指摘です。
5pは関連牌の可能性が高い。
となると、3-6pや4-7pの可能性が高いというわけですね。
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実際のところはどうだったかというと、3-6pや4-7pではありませんでした。
しかし、やはり5pが関連牌の可能性が高いという大和田さんの指摘には同意です。
そしてここから推測するに、1-4m、2-5mといった萬子の両面待ちという可能性は低いんじゃないでしょうか。
結果的に今回西家の手はカン3m待ちでした。
これはカン3mという愚形ターツが残っているために、孤立の5pから両面ターツをつくろうとしたからです。
役牌バックの手であり、4sはヘッドとして固定しても良かったから2sのカンチャンフォローを外したんですね。
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もし發を鳴く前の形がこんな形だったら5pを残して2sを切ることはないはずです。
とすると、1-4mや2-5m待ちということは考えにくく、問題のシーンから4mや5mを切るのはいまいち良くないということになりますね。
萬子で可能性が高いのは実際そうであったように、愚形のカン3mやペン3mです。
カン4mやカン5mならありえますが、3mの愚形待ちと比べるとだいぶ可能性は低いと思われます。
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もし4-7p待ちだとすると、發を鳴く前の牌姿はこんな形だということになり、ここから2s→5pの順に切っていくのはいたって自然に思えますね。
ということで、問題のシーンからは3mか4pを切るのがもっとも望ましいというのが私の下した結論です。
3pも待ちの可能性としてありますが、南家の現物なので後回しにしても間に合います。
3mか4pを先に切り、音沙汰なしなら4m5mを切っていき、最後に3pを切るのがベストなんじゃないでしょうか。
今回のような、1巡ごとに抜き差しならない切迫した状況に置かれる場合においては、より精度の高い読みを発揮することは重要になります。
実戦でここまで詳細に読めることもめったにないでしょうが、普段から思考の訓練を積んでおくことで実際に役立つこともあるでしょう。
麻雀相談所において回答くださったみなさまには感謝申し上げます。