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Visual Thinking Strategies 012

観察眼やコミュニケーション力を鍛えるアート鑑賞法のVTS(ビジュアル・シンキング・ストラテジーズ)。今回はミルキクさんお題で挑戦。
知る人ぞ知る人と船シリーズの絵画。

こちらがお題の絵。

《VTSのやり方》
1. 何が描かれているか
2. 絵の中で何が起きていて、これから何がおきるか
3. どのような感情や感覚が、自分の中に生まれているか
前提情報を入れずに、じっくりアートを観察してこの3つに答えるだけ。

何が描かれているか

舟に乗っている一人の女性。
髪は腰の辺りまで伸び、茶色がかったふわっとした髪質。
おでこにはヘアバンド的なもの。
首飾り。
白い服を着ていて腕のあたりに茶色の装飾。
腰には黒い帯のようなもの。
舟は一人もしくは二人くらいしか乗れないくらいのサイズ。
船首には瓶のようなものが吊り下がっている。
舟の手前側面には布が垂れ下がっていて、先は水面まで触れている。
舟が浮かんでいるのはあまり流れがなさそうな湖、もしくは川。
奥にはいくつかの木々。

絵の中で何が起きていて、これから何がおきるか

女性は右手で鎖を持っている。
顎を少しあげ、目線はこちらを見ているような見ていないような。
少し不安そうな表情だ。誰かを待っているようにみえる。
垂れ下がっている布や服、首飾りから想定するに、この女性は上流階級の人ではないか。でも、何かの拍子にこの場所へ連れてかれることになった。
恋か金目当ての誘拐か。この女性は一人ではどうすることもできない。
日が沈む前に一人の男性がやってくる。この女性を利用しようとする悪い男か、この女性が惚れた男か。うーん、迷うけど、前者かな。

どのような感情や感覚が、自分の中に生まれている

何かにすがるように鎖を握る手。
不安げな表情。
この女性を助けに行きたい、行かねばという感情。
その一方で、遠くからもう少し眺めていたいという変な感情。
幼さの中の色気。
枯れた風景と対比する圧倒的な麗しさ。
とにかく美しいと思う。
鎖がなければ、不安な顔をしてなければ、そんなことは思わないだろう。
鎖は何につながっているのだろうか。
誰を待っているのだろうか。
どうしてこんなところに一人で舟に乗っているのだろうか。
この絵を描いた人はサディストに違いない。

観察眼鍛えたい、美意識あげたいという方はミルキクさんのnoteで是非VTSにご参加を!

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